テーマ:「地球環境観測と人工知能」および一般 bookmark
電子情報通信学会 人工知能と知識処理研究会の9月研究会では、「地球環境観測と人工知能」および一般と題して、気象・海洋をはじめとした気候データなどの地球環境観測データに人工知能技術を活用して、気象予測、防災・減災、農業・漁業、汚染問題、土地利用、都市・交通計画などに利活用する研究や、それら時空間データの分析技術、計算環境・ビッグデータ処理などのデータ解析に関する研究を広く募集します。同テーマは昨年8月に開催しご盛況いただき、今回は第2回目となります。
近年、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の達成に向けて、衛星観測データをはじめ地上レーダー、データ同化によりシミュレーションと統合した客観解析データ、アメダスデータ、海洋観測データ、地震計測などの多種多様のビッグデータの活用が期待されています。しかし、現状これらの大量に蓄積されたデータは未だ十分に活用されているとは言えず、多くのデータは誰にも解析されずに眠っているとまで言われています。また、観測機器によるデータに加えて、人々の感情・体感などを反映したソーシャルメディアデータと組み合わせることも有用です。これらのデータの活用先も機械学習による気象予測や異常気象検知をはじめ、衛星データを活用した農地推定や、エアロゾルの計測データ解析による大気汚染分析、自然エネルギーの管理やスマートシティ構築に向けた研究開発から、気象や地震現象のメカニズム解明に向けたサイエンスまで多岐に渡ります。
一方、衛星データをはじめとした地球観測データは多変量の時空間データかつペタバイト級のビッグデータでもあります。このようなデータを取り扱うための時空間データのモデリングと予測・異常検知のための機械学習技術や、共通分析基盤プラットフォーム、ビッグデータ処理等の研究も必要になります。
地球環境観測データを横断的に分析し利活用することで、環境問題の解決に向けた研究や地球温暖化対策への応用とともに、人工知能はサイエンスにおいても第 4の パラダイム(第 1: 観測・実験、第 2: 理論、第 3: シミュレーション、第 4: データ駆動)としてデータとサイエンスの橋渡役が期待されます。このような研究を加速するため、人工知能と地球環境観測データを対象とした、様々な取り組みについての発表を募集いたします。たとえば、以下のようなテーマが挙げられます。
- 地球環境観測データの利活用研究
- 気候変動予測・異常検知
- 陸域・海洋生物資源と水資源の推定
- 農地・耕作推定
- 自然災害予測
- 自然エネルギーの予測
- 生活環境影響評価
- 都市・交通計画
- スマートシティ構築に向けた利用
- ソーシャルメディアとの融合と利活用
- 地球環境観測データ解析のための研究
- 時空間データの機械学習・データマイニング
- データ品質管理
- モデル駆動とデータ駆動の融合
- 分析基盤プラットフォーム
- 分散処理・ビッグデータ処理基盤
- データの標準化
- 各種データセットの相互補完・融合
上記に関わらず、地球環境観測と人工知能の活用に関する研究であれば構いません。今後、これらのデータに対して人工知能技術の適用を考えている方や、時空間データやビッグデータ解析の対象として地球環境観測データを考えている方も歓迎します。さらに、本テーマとは別に、人工知能と知識処理一般のご発表も大歓迎ですので奮ってお申し込み下さい。
また、情報交換会を初日の研究会終了後に予定しています。こちらへの参加もどうぞよろしくお願いいたします。
日程と会場 bookmark
日程:2019年9月13日(金), 14日(土)
会場:霧島自然ふれあいセンター多目的ホール
アクセス:http://www.pref.kagoshima.jp/bc07/kikan/kirishima/riyou/koutsu.html
プログラム bookmark
9月13日 セッション1 (13:30~15:10) bookmark
13:30-13:55
気象学と人工知能のコラボレーション
○関山 剛(気象研)
13:55-14:20
クラウド型プラットフォーム/AI時代に向けた複合衛星画像の自動スタッキングツール開発及び高次プロダクトの試作
○佐々木善信・中元経史朗・大吉 慶(JAXA)
14:20-14:45
人工衛星地球観測データによる認識の再構成 ~ 植生条件指標からデジタル言語学へ ~
○得丸久文(著述業)
14:45-15:10
アメダス観測環境監視カメラから積雪深を推定するAIアルゴリズムの開発
○北村智文・小林健二(気象庁)・水野吉規(気象研)・渋谷和孝・宮武真一・森 将人(気象庁)
--- 休憩 ( 15分 ) --- bookmark
9月13日 セッション2 (15:25~16:40) bookmark
15:25-15:50
LSTMを用いた降水予測の検討
○金子 凌・仲吉信人(東京理科大)
15:50-16:15
敵対的物理モデル損失を用いた海水表面温度画像のノイズ除去と欠損修復
○平原暢之・薗頭元春・笠原秀一・飯山将晃(京大)
16:15-16:40
A Prediction of Upper Tropospheric Circulations over the Northern Hemisphere Using ConvLSTM
○Ekasit Phermphoonphiphat(Osaka Univ.)・Tomohiko Tomita(Kumamoto Univ.)・Masayuki Numao・Ken-ichi Fukui(Osaka Univ.)
18:00~情報交換会 bookmark
9月14日 セッション3 (9:30~11:10) bookmark
09:30-09:55
リカレントニューラルネットワークを用いた鬼怒川の洪水時水位予測
○伊藤毅彦・金子 凌・片岡智哉・小野村史穂・二瓶泰雄(東京理科大)
09:55-10:20
海水温パターンを用いた漁場推定
○志村拓実・薗頭元春・笠原秀一・飯山将晃(京大)
10:20-10:45
ドローンを用いた海岸漂着ごみ定量化手法の構築
○森田翔平・種田哲也・加古真一郎(鹿児島大)
10:45-11:10
医療教育用患者シミュレータの現状と今後の展望
○渋沢良太(第一工大)
参加費 bookmark
電子化に伴い、発表・聴講にかかわらず参加費が必要です。ただし、学生でかつ電子版技術研究報告のダウンロード権が不要な場合は、発表・聴講にかかわらず参加費は無料です。
年間登録されてない場合は、下記リンクから参加費についてのリンクを辿られオンライン決済を利用されると、若干、割引が受けられます。
問い合わせ先
福井 健一(申込み・論文等)
大阪大学産業科学研究所
E-mail: fukui -at- ai.sanken.osaka-u.ac.jp
小野 智司(会場・情報交換会)
鹿児島大学大学院理工学研究科
E-mail: ono -at- ibe.kagoshima-u.ac.jp