テーマ:「地球環境観測と人工知能」および一般 bookmark
電子情報通信学会 人工知能と知識処理研究会の8月研究会では、「地球環境観測と人工知能」および一般と題して、気象・海洋をはじめとした気候データなどの地球環境観測データに人工知能技術を活用して、気象予測、防災・減災、農業・漁業、汚染問題、土地利用、都市・交通計画などに利活用する研究や、それら時空間データの分析技術、計算環境・ビッグデータ処理などのデータ解析に関する研究を広く募集します。
近年、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の達成に向けて、衛星観測データをはじめ地上レーダー、データ同化によりシミュレーションと統合した客観解析データ、アメダスデータ、海洋観測データ、地震計測などの多種多様のビッグデータの活用が期待されています。しかし、現状これらの大量に蓄積されたデータは未だ十分に活用されているとは言えず、多くのデータは誰にも解析されずに眠っているとまで言われています。また、観測機器によるデータに加えて、人々の感情・体感などを反映したソーシャルメディアデータと組み合わせることも有用です。これらのデータの活用先も機械学習による気象予測や異常気象検知をはじめ、衛星データを活用した農地推定や、エアロゾルの計測データ解析による大気汚染分析、自然エネルギーの管理やスマートシティ構築に向けた研究開発から、気象や地震現象のメカニズム解明に向けたサイエンスまで多岐に渡ります。
一方、衛星データをはじめとした地球観測データは多変量の時空間データかつペタバイト級のビッグデータでもあります。このようなデータを取り扱うための時空間データのモデリングと予測・異常検知のための機械学習技術や、共通分析基盤プラットフォーム、ビッグデータ処理等の研究も必要になります。
地球環境観測データを横断的に分析し利活用することで、環境問題の解決に向けた研究や地球温暖化対策への応用とともに、人工知能はサイエンスにおいても第 4の パラダイム(第 1: 観測・実験、第 2: 理論、第 3: シミュレーション、第 4: データ駆動)としてデータとサイエンスの橋渡役が期待されます。このような研究を加速するため、人工知能と地球環境観測データを対象とした、様々な取り組みについての発表を募集いたします。たとえば、以下のようなテーマが挙げられます。
- 地球環境観測データの利活用研究
- 気候変動予測・異常検知
- 陸域・海洋生物資源と水資源の推定
- 農地・耕作推定
- 自然災害予測
- 自然エネルギーの予測
- 生活環境影響評価
- 都市・交通計画
- スマートシティ構築に向けた利用
- ソーシャルメディアとの融合と利活用
- 地球環境観測データ解析のための研究
- 時空間データの機械学習・データマイニング
- データ品質管理
- モデル駆動とデータ駆動の融合
- 分析基盤プラットフォーム
- 分散処理・ビッグデータ処理基盤
- データの標準化
- 各種データセットの相互補完・融合
上記に関わらず、地球環境観測と人工知能の活用に関する研究であれば構いません。今後、これらのデータに対して人工知能技術の適用を考えている方や、時空間データやビッグデータ解析の対象として地球環境観測データを考えている方も歓迎します。さらに、本テーマとは別に、人工知能と知識処理一般のご発表も大歓迎ですので奮ってお申し込み下さい。
また、情報交換会を研究会終了後に予定しています。こちらへの参加もどうぞよろしくお願いいたします。
日程と会場 bookmark
日程:2018年8月27日(月)
会場:大阪大学吹田キャンパス内コンベンションセンター研修室
アクセスマップ:
https://facility.icho.osaka-u.ac.jp/convention/map.html
申込方法 bookmark
発表のお申込みは以下のURLからお願い致します。
(氏名,所属,論文タイトル,アブストラクト100~200字)
申込締切 bookmark
2018年6月15日(金)
★原稿提出〆切は開催日の約3週間前となります.正確な日付は,お申し込み後に学会事務局より送付される案内メールをご参照下さい.
プログラム bookmark
セッション1 (10:00~11:40) bookmark
- 10:00 - 10:25
Climate Forecasting by ConvLSTM on Segmented Region
○Ekasit Phermphoonphiphat(Osaka Univ.)・Tomohiko Tomita(Kumamoto Univ.)・Masayuki Numao・Ken-ichi Fukui(Osaka Univ.)
- 10:25 - 10:50
物理過程に基づくニューラルネットワーク構築の検討
○田中潤也(阪大)・冨田智彦(熊大)・沼尾正行・福井健一(阪大)
- 10:50 - 11:15
機械学習を用いた台風検出器の開発
○金崎拓郎・筆保弘徳・加瀨紘煕(横浜国大)・松岡大祐(海洋機構)・吉田龍二(理研)・加瀨紘煕(横浜国大)
- 11:15 - 11:40
ディープラーニングを用いた雲解像大気シミュレーションデータからの熱帯低気圧の予兆検出
○松岡大祐・中野満寿男・杉山大祐(JAMSTEC)・内田誠一(九大)
−−− 昼食休憩 ( 80分 ) −−− bookmark
セッション2 (13:00~14:40) bookmark
- 13:00 - 13:25
海洋観測データと機械学習の活用
○細田滋毅(海洋研究開発機構)
- 13:25 - 13:50
シグネチャ法によるARGOプロファイルの学習
○杉浦望実・細田滋毅(海洋研究開発機構)
- 13:50 - 14:15
気象観測データの品質管理手法
○北村智文・小林健二・木川誠一郎(気象庁)
- 14:15 - 14:40
福岡・熊本・鹿児島における降水イベントの時間変化特性
○松本直樹・荻野健太・冨田智彦(熊大)
−−− 休憩 ( 20分 ) −−− bookmark
セッション3 (15:00~20:00) bookmark
- 15:00 - 15:25
再帰型ニューラルネットワークを用いた気象時系列データにおける変化点検知手法の提案
○前原宗太朗(鹿児島大)・福井健一(阪大)・冨田智彦(熊本大)・小野智司(鹿児島大)
- 15:25 - 15:50
機械学習を用いた海岸漂着ごみの定量化
○加古真一郎・有働冬采(鹿児島大)
- 15:50 - 16:15
少数地点における観測データからの不連続性を考慮した物理量場のベイズ推定
○太田真人・岡留 剛(関西学院大)
- 16:15 - 16:40
衛星データと機械学習を用いた耕作放棄地分布推定と圃場・地理的要因による耕作放棄確率モデル
○山口陽平・町村 尚・松井孝典(阪大)
研究会専門委員会(17:00 - 17:50) bookmark
情報交換会(18:00 - 20:00) bookmark
問い合わせ先 bookmark
福井 健一
大阪大学産業科学研究所
E-mail: fukui -at- ai.sanken.osaka-u.ac.jp