テーマ:「創造的社会システムとしてのデータ市場のデザイン」および一般 bookmark

 電子情報通信学会 人工知能と知識処理研究会の11月研究会では,「創造的社会システムとしてのデータ市場のデザイン」および一般と題して,データに基づくイノベーションを開花させてゆくようなデータ市場のデザインにむけたアプローチに関する論文を、広く募集いたします.

 ここでいうデータ市場とは、
「データは世界の資源、みんなで使おう」という公開派も、「データをオープンにしろと研究者や官僚が最近言い出しているが、現場の事情からすれば出せるわけがない」という非公開派も、その中間的な立場をとる人々も、安心できる条件で必要に応じてデータを共有し、また必要に応じて結合したり分析したりして使い、新たなビジネスを生み出すデータの取引市場です。近年、CKANやdata.go.jpのようなデータ公開の場とは別に、KDnuggetsやWindows Azure Marketpalceなど、データに価格を付して売買するデータ市場も発生していますが、Webページにメタデータを羅列するだけではまだまだ、目覚しい異種データのシナジーからイノベーションが実現し続ける社会システムの実現には至っていないようです。

 このため、本特集テーマの提案委員ら一同は国際的にMoDAT(ICDM2013では全19件のWSのうちベストであったと非公式の評価を頂きました)のような活動を行うほか(http://www.panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp/MoDAT/2014.html)、多数の企業が集結するデータエクスチェンジコンソーシアムにおいてデータジャケットを用いたデータ市場分科会を推進するなど、新しいデータ市場のワークショップやメソッドを企画・運営しています。

 今回は、データを持つ人、出す人、もらう人、買う人、分析する人、分析結果を使う人など、様々なステークホルダーがコミュニケーションをしながらデータの共有・トレードの条件を設定し、イノベーションを開花させてゆくようなデータ市場のつくり方を、以下のように人工知能と知識処理の視点から考えてみましょう。

①データ市場の環境デザイン
・データの表現、モデリング、オントロジー構築
・情報アーカイブ,データベースの設計と構築
・データジャケットの生成・蓄積

②データのアナリシスとシンセシス
・データ活用サービスとデータ提供
・営利/非営利組織の情報システム
・大規模/中規模/小規模のデータにおける検索,分析, 統合, 可視化
・セキュリティ、信頼性、プライバシーのためのデータ管理, 分析

③データ市場における人の営み
・創造的コミュニケーション環境のデザイン
・マーケティング、市場経済とその理論
・システム設計のための要求獲得
・教育システム、教育支援技術
・認知科学、創造性の理論

 古いようでまだまだ変化と革新の可能性に満ちた新しい分野ですので、確立した問題ではなく、愚問と揶揄されるほど発しにくい問題にチャレンジする論文も、敢えて果敢に歓迎します。

 さらに,本テーマとは別に,AIと知識処理一般のご発表も大歓迎ですので,奮ってお申し込み下さい.なお,研究会終了後には「交流会」も予定していますので,こちらへの参加もよろしくお願いいたします.

日程と会場 bookmark

  • 【日程】 2014年11月29日(土)
  • 【会場】 九州工業大学 サテライト福岡天神(旧Kyutechプラザ)
    福岡市中央区天神1丁目7番11号 イムズ11階
  • 【時間】 13時~17時(変更の可能性あり)、終了後懇親会
  • 【共催】 イノベーション・システム研究環(~愚人の輪~)

申込方法 bookmark

申し込みは終了いたしました.ありがとうございました.

申込締切 bookmark

  • 2014年9月12日(金)

原稿締切は開催日の3週間前頃になります.正確な日程については,プログラム確定後,学会事務局から連絡差し上げます.

プログラム bookmark

●特別セッションI: 創造的データ市場
10:30-12:10(25 min/presentation)

・拡張GSNを用いた批判的なレジリエンスコミュニケーションの促進
木藤 浩之, 大澤 幸生(東京大学)
Encouraging Critical Communication for Resilience using Extended GSN
Hiroyuki Kido, Yukio Ohsawa (The University of Tokyo)

・動向に関する問いに答えるコンテクスト検索エンジンのデータ市場への応用に関する検討
高間 康史, 諸 俊, 桑折 章吾, 山口 晃一 (首都大学東京)
Towards Application of Search Engine Focusing on Trend-related Queries to Market of Data
Yasufumi Takama, Yanjun Zhu, Shogo Kori, and Koichi Yamaguchi (Tokyo Metropolitan University)

・チャンス発見からみた、会話の活性化になりそうな場所、ことば
久保 真澄(ニッセイ情報テクノロジー株式会社), 阿部 明典(千葉大学)
Critical Points in Conversations from the Perspective of Chance Discovery
Masumi Kubo (Nissay Information Technology Co, Ltd.), and Akinori Abe (Chiba University)

・買い物行動における情報処理について
林 侑輝, 阿部 明典 (千葉大学)
On the information processing in shopping activities
Yuki Hayashi, Akinori Abe (Chiba University)

☆12:10 - 12:50 <招待講演&実演
有田焼名人のお話と実技披露! (提供:吉田陶芸社・社主登壇予定)

*** 12:50- 13:50 Lunch on your own ***

●特別セッションII: 創造的データ市場

13:50 -15:30(25 min/presentation)
・社会知ネットワーク構想
心のデザインを核とした消費者行動モデルを集積するプラットフォーム
西尾 義英, 織田 朝美, 胡 寅駿, 津田 沙織, 山田 晃平 (シナジーマーケティング株式会社)
The Marketing Knowledge Network Scheme: A Platform to Aggregate Consumer Behavior Models Which Shares the Common Design of Human Mind
Yoshihide Nishio, Asami Orita, Inshun Ko, Saori Tsuda, Mathieu Bertin, Kouhei Yamada (Synergy Marketing, Inc.)

・共創に関する一考察: 共創のフレーム構築を目指したデータ活用の新提案
山田 晃平(シナジーマーケティング株式会社), 加賀 有津子(大阪大学)
A study of Co-creation: The New Proposal to Data utilization for Structuring the Frame of Co-creation
Kohei Yamada (Synergy Marketing, Inc.), and Atsuko Kaga (Osaka University)

・集合的アイデア創出の場としてのMOOC—事例と一考察
武田 俊之(関西学院大学), 重田 勝介 (北海道大学), 森 秀樹(大阪大学)
Massive Open Online Courses as Places for Collective Ideation
Toshiyuki Takeda (Kwansei Gakuin University), Katsusuke Shigeta (Hokkaido University), and Hideki Mori (Osaka University)

・ゲームストーミングのための緩い支援システム
久代 紀之, 江平 達哉(九州工業大学)
Loose Support Tool for Game Storming
Noriyuki Kushiro, Tatsuya Ehira (Kyushu Institute of Technology)

●15:30 -16:10 愚人の輪セッションI:(座長:吉田隆久)
※学会では誰からも馬鹿にされる話題を提供しますが、質問者はそれをバカにせず真剣に議論しなければなりません。
※話題提供者は当日お知らせします。

*** Break of 5 minutes ***

●特別セッションIII: 創造的データ市場
16:15 -17:30(25 min/presentation)

・データ利活用における創造的コミュニケーションと行動プロセス
池上 顕真, 早矢仕 晃章, 大澤 幸生(東京大学)
Creative Communication and Action Process in Utilization of Data
Kenshin Ikegami, Teruaki Hayashi, and Yukio Ohsawa (The University of Tokyo)

・みんなの小さなデータから大きな地図を描いてみよう
前野 義晴 (ソーシャルデザイングループ)
Let's draw a big picture from our small data pieces
Yoshiharu Maeno (Social design group)

・自動車の情報共通基盤についての一考察 通行情報の提供する意味を考える
中村 潤, 櫻井 陽一(ボルボグループ)
Discussion about sharing information in automotive society as one of traffic data provider
Jun Nakamura and Youichi Sakurai (Volvo Group)

●17:30 -18:00 愚人の輪セッションII
※世の中の誰からも馬鹿にされる話題を提供しますが、質問者はそれをバカにせず真剣に議論しなければなりません。
※話題提供者は当日お知らせします。

参加費 bookmark

無料(但し,予稿集と懇親会は別途有料)

問合せ先 bookmark

主催 bookmark

人工知能と知識処理研究会 (http://www.ieice.org/iss/ai/jpn/)
委員長:松原 繁夫 (京大),副委員長:菅原 俊治(早大), 峯 恒憲 (九大)
幹 事:片上 大輔(東京工芸大), 服部 宏充 (立命館大)

共催 bookmark

イノベーション・システム研究環(~愚人の輪~)