タイムテーブル

SITA2025 タイムテーブル

基調講演

基調講演1: スコアモデル学習とサンプリング
— 基礎と通信工学への応用 —

講師: 和田山 正 先生 (名古屋工業大学)

講演日: 2025年11月25日(火)15:30-16:30

場所: Room1 華胥

座長: 小林 学 (早稲田大学)

講演概要: 本講演では,近年のAI画像生成を支える拡散モデルの基礎となるスコアモデル学習とサンプリングを解説し,その通信工学への応用を紹介する. まずスコア関数の定義,スコアマッチング学習,そしてランジュバンサンプリングによるデータ生成といった基礎理論をチュートリアル形式で紹介する. 次にこれらの技術が逆問題解法,最適化,確率推論などへ広く応用可能であることを示す. 最後に,通信工学分野への具体的な応用例として,MIMO通信路推定やLDPC符号の復号を取り上げ ,その有効性と今後の可能性を展望する.

基調講演2: シャノン理論とは何だろうか

講師: 植松 友彦 先生 (放送大学)

講演日: 2025年11月25日(火)16:30-17:30

場所: Room1 華胥

座長: 八木 秀樹 (電気通信大学)

講演概要: 小文では、典型系列と情報源の固定長符号化を題材として、シャノン理論と情報理論を峻別することを試みる。 最初に、シャノンの最初の論文における情報源の固定長符号化と典型系列について解説し、古典的な固定長符号化問題の設定について述べる。 次に、シャノン理論における固定長符号化の問題設定と典型系列の再定義を幾つか示すことで、情報理論とシャノン理論の違いを明らかにする。 その結果、古典的な固定長符号化問題であっても、シャノン理論においては、誤り確率の指数部の係数の導出、情報源のクラスの拡張、有限長の誤り率の厳密な解析など、バリエーションあふれる問題設定が可能であることを明らかにしている。

基調講演3: 情報は確率変数 + 情報の生成メカニズムも確率変数

講師: 松嶋 敏泰 先生 (早稲田大学)

講演日: 2025年11月26日(水)13:30-14:20

場所: Room1 華胥

座長: 大橋 正良 (ATR)

講演概要: 最近の機械学習やAIの国際学会でよく見かけるキーワードは “Information Theory”的と,“Bayes”的です. 単にエントロピーや事後確率を使っているだけのものから本格的なものまで内容は様々ですが,情報理論が役立っているとちょっと嬉しいです. 情報理論の強みは,情報を確率変数として定式化したことで,性能の限界や最適な解が数理的に導出できることと思えます. 基本的問題では,確率変数である情報の生成メカニズムの確率構造は既知として,確率論の大数の法則や大偏差原理等から有用な結果が導かれました. さらに生成メカニズムの一部が未知の場合も扱われ,メカニズムは固定されているが未知であるという仮定のもとで多くの研究が行われていますが,いっそ生成メカニズムも確率変数だと仮定してしまって考えるとどうなるでしょうか. しかしこれだけでは美しく有用な展開はできずいくつかの工夫が必要です.一つは推論法で,間接法と直接法に分けて考察する必要があります. もう一つは階層的モデルの設定方法です. これらの工夫により,情報の生成メカニズムが未知の場合でも,通信,信号処理,機械学習,時系列解析,制御などの分野でも,上記のような“Information Theory”的なアプローチが有効な例をご紹介します.

特別講演

生成AIが拓く新時代:自律的に動く“Agentic AI”とデータサイエンティストの未来

講師: 孝忠 大輔 様 (NEC)

講演日: 2025年11月27日(木)14:35-15:25

場所: Room1 華胥

座長: 小林 学 (早稲田大学)

講演概要: 2022年のChatGPT登場以降、生成AIは産業界で急速に活用が進み、ビジネスのあり方を大きく変革しています。そして今、AIは新たなステージへと進化を遂げました。自律的にタスクを計画・実行する「Agentic AI」の登場により、業務の抜本的な自動化や高度な付加価値創出への期待は、かつてないほど高まっています。
本講演では、NECの生成AIおよびAgentic AIの具体的な活用事例を交えながら、ビジネスインパクトの最前線をご紹介します。同時に、AIの社会実装に不可欠となるAIガバナンスの重要性についても議論を深めます。
こうした技術と社会の変化は、データサイエンティストの役割も変えていきます。本講演を通じて、AIがもたらすビジネスの未来と、そこで活躍する人材の未来像を展望します。

講師プロフィール: 日本電気株式会社 アナリティクスコンサルティング統括部長

ワークショップ

ワークショップ1: 酒のツマミになる量子符号の話

オーガナイザ: 野崎 隆之 先生 (山口大学)

講演日: 2025年11月26日(水)20:00-22:00

場所: Room2 風の杜(松)

講演者: 萩原 学 先生 (千葉大学),野崎 隆之 (山口大学)

講演概要: 量子符号にまつわる話題をくだけた話からちょっと真面目な話までざっくばらんにトーク形式で話していきます. 質問・コメントはいつでも歓迎です. 皆様のご参加をお待ちしております.

ワークショップ2: 機械学習・深層展開・量子計算がもたらす無線通信システム設計の未来

オーガナイザ: 高橋 拓海 先生 (大阪大学)

講演日: 2025年11月26日(水)20:00-22:00

場所: Room3 風の杜(竹)

講演者: 石橋 功至 先生,佐藤 光哉 先生 (電気通信大学),石川 直樹 先生 (横浜国立大学),高橋 拓海 先生 (大阪大学)

講演概要: 無線通信システムの研究開発においては、従来、最適設計は実装上不可能であると結論づけられ、性能と計算量のバランスを取った設計手法や技術が発明・採用されてきました。 こうした工学的な妥協は大きな成果をもたらし、5Gまでの発展を支えてきましたが、現状はなお理論的な最適設計には達しておらず、周波数資源を極限まで活用できているとは言えません。 近年の半導体、機械学習、量子技術といった分野の飛躍的な進展を踏まえ、私たちは、積み重ねられてきた工学的な妥協を見直し、無線通信を再設計する好機が到来していると考えています。 本ワークショップでは、これらの技術進展を基盤とした次世代無線通信システムについて、私たちの研究チームが提案するアイディアや要素技術を一例として共有いたします。 それらを議論の出発点とし、新しい研究の切り口や次世代無線通信システムの可能性を参加者の皆様と共に探り、自由闊達に意見交換・議論を深める場としたいと考えております。

ワークショップ3: カードベース暗号へのいざない
— 物理的カードで体感する秘密計算と情報理論的安全性 —

オーガナイザ: 須賀 祐治 様 (インターネットイニシアティブ)

講演日: 2025年11月26日(水)20:00-22:00

場所: Room4 けやき

講演者: 須賀 祐治 様 (インターネットイニシアティブ),宮原 大輝 先生 (電気通信大学),品川 和雅 先生 (筑波大学)※遠隔講演

講演概要: カードベース暗号は,トランプ等の物理的なカードを用いて計算を行う暗号方式のひとつであり,暗号・数学の領域で近年研究が活発に進められています. カードをシャッフルするという素朴な操作から,ゼロ知識証明といった高度な機能をどのように実現・証明するかという点で,典型的な「情報理論の問い」が随所に現れます. 本ワークショップは,情報理論コミュニティの参加者(特に学生・若手)に向けて,本分野の基礎と最近の話題を平易に整理し,初学者にも開かれた導入の場を提供します.

アドバンスプログラム

ポスター発表プログラム

当日のポスター用紙掲示方法はこちらをご覧ください.

講演日: 2025年11月26日(水) 15:50-17:20

場所: Room1 華胥(横廊下)

  1. DNAストレージにおける遺伝的アルゴリズムを用いた復号方法の性能評価
    黄 勇太(長岡技術科学大学)、雲居 玄道(長岡技術技術科学大学)、眞田 亜紀子(長岡技術科学大学)
  2. DNAストレージにおけるZigzag decodable fountain符号を用いた符号化手法の性能評価
    橘田 陽(長岡技術科学大学)、眞田 亜紀子(長岡技術科学大学)
  3. Explicit Constructions of Disjunct Matrices for the General Inhibitor Complex Model
    Yuto Mizunuma (Chiba University)、Yuichiro Fujiwara (Chiba University)
  4. 雑音のない一般通信路に対するコスト制約付き通信路容量
    村岡 和奏(信州大学)、西新 幹彦(信州大学)
  5. 符号語コストを考慮した最適な語頭符号の構成法の高速化
    阿部 勇斗(福井大学)、橋本 健吾(福井大学)、岩田 賢一(福井大学)、山本 博資(東京大学)
  6. ハッシュ化双方向プロトコルにおける秘密鍵容量下界の導出
    柳澤 椋(東京農工大学)、渡辺 峻(東京農工大学)
  7. Quantum (r,δ)-Locally Recoverable Codes
    Carlos Galindo (Universitat Jaume I)、Fernando Hernando (Universitat Jaume I)、Helena Martín-Cruz (Universidad de Jaén)、Ryutaroh Matsumoto (Institute of Science Tokyo)
  8. 正二十四胞体に注目した3元ASKコヒーレント状態信号の対称化について
    野本 芽衣(名城大学)、宇佐見 庄五(名城大学)、高比良 宗一(名城大学)
  9. 光無線QKDの検討
    宮下 真行(ソフトバンク株式会社)
  10. CHAMに対するラウンド加算DFAとその対策の一検討
    佐藤 健人(東北学院大学)、吉川 英機(東北学院大学)、神永 正博(東北学院大学)
  11. 軽量暗号LEAに対するラウンド加算DFAの鍵導出結果の分析
    田邊 将平(東北学院大学)、神永 正博(東北学院大学)、吉川 英機(東北学院大学)
  12. 異種カードを用いたメンバーシップ判定プロトコルとその応用
    須賀 祐治(インターネットイニシアティブ)
  13. 密連想記憶の経路積分法による動特性解析
    三村 和史(広島市立大学)、竹内 純一(九州大学)、住川 勇斗(東京大学)、樺島 祥介(東京大学)、ACC Coolen (Radboud University)
  14. サンプリングに基づく組合せ最適化ソルバーの収束加速と転移学習による量子アニーラへの応用
    萩原 涼(東京科学大学)、高邉 賢史(東京科学大学)、荒井 俊太(東京科学大学)
  15. 深層展開を用いた周期型スケッチISTAの高効率スパース信号復元
    徳村 達紀(名古屋工業大学)、中井 彩乃(名古屋工業大学)、和田山 正(名古屋工業大学)
  16. 光ファイバ通信における物理情報を活用したQAM信号検出
    赤川 哲治(名古屋工業大学)、伊藤 朝陽(名古屋工業大学)、和田山 正(名古屋工業大学)
  17. 視線追跡による意思決定過程・認知過程の分析
    持田 拓海(近畿大学)、古賀 崇了(近畿大学)、浅野 真誠(東京理科大学)
  18. kernel-QAの精度向上に向けた動的な探索強度調整の検討
    木原 章太郎(芝浦工業大学)、渡部 昌平(芝浦工業大学)