第28回 回路とシステムワークショップ奨励賞受賞者ならびに受賞理由


An分科会

講演者
安田 裕之(東京理科大学)
題目
環境ノイズおよびカオス振動子を用いた時間同期手法
受賞理由
本発表では、自然環境ノイズを用いた時間同期手法の実現を見据えて、 自然環境ノイズを印加した場合のカオス振動子の同期特性を調査し、実現の可能性が高いことを示している。 同期手法およびカオス振動子を用いるアイデアには新規性があり、 シミュレーションと実験による結果も示していることから、有効性も高いといえる。 また、発表は明快で質疑に対する回答も的確であった。

As分科会

講演者
石黒 俊(中央大学)
題目
平行四辺形LPテストを用いた非線形回路の全解探索法
受賞理由
本発表では、非線形回路のすべての解を求める効率的かつ実用的なアルゴリズムとして 線形計画法を用いた全解探索法を提案している。 これまでの研究成果を元に大規模回路への適用を実現しており、効果は大きい。 プレゼンテーションは優れており、主張が直観的に理解できた。

Ba分科会

講演者
秋田 一平(豊橋技術科学大学)
題目
センサAFEアレイに向けたAB級アンプの小面積・低消費電力化設計手法
受賞理由
抵抗フィードバックを用いた埋め込み型BMIセンサ向きアンプの設計法を提案され、 低電力で面積効率の良い高性能アンプを実現できる有効な手法であることを示された。 発表はとても分かりやすく、質疑応答も的確であり、今後の進展が大いに期待できる内容であった。

Bd分科会

講演者
小森 慎也(立命館大学)
題目
フレキシブルパラメトリックスピーカによるオーディオスポット形成の評価
受賞理由
凹面状の放射面を制御可能なパラメトリックスピーカーにより、 オーディオスポットの構築範囲を可変にする方法を提案している。 発表がわかりやすく丁寧であり、提案法の狙い、手法の正当性が明らかで、 明瞭な発表態度は特に評価に価する。質疑応答では的確な返答を行い、納得できる内容だった。

C分科会

講演者
篠永 恭平(神戸大学)
題目
サブスレッショルド領域動作を考慮したスタンダードセルのサイジング手法
受賞理由
発表が分かりやすく、高い新規性や有効性を確認できただけでなく、 的確な質疑応答から今後の発展も期待できる優れた研究であることが認められた。

D分科会

講演者
伊藤 隆太(創価大学)
題目
重複度が1となるタイセットの分布と点素パスの算出について
受賞理由
本発表では基本タイセット系というものを使ってノード障害に対応可能な 迂回パスの算出方法について述べられていた。 さらに、隣接する2つのタイセットの排他的論理和が1つのタイセットとなるようなタイセットの 集合を新たに定義し、1-重複タイセット系の算出方法について述べられていた。 応用的な面から今後の研究進展に期待がもてる研究内容であり、発表・質疑ともに質の高いものであった。