電子情報通信学会 エレクトロニクスソサイエティ エレクトロニクスシミュレーション研究会

電子情報通信学会

EST研についてAbout EST

委員会設置の目的

 本研究専門委員会の基礎は,計3期にわたる第3種マイクロ波シミュレータ時限研究専門委員会,および計5期にわたる第2種マイクロ波シミュレータ研究専門委員会にある.うち前者の第3種研究会においては主にマイクロ波シミュレータの開発に関する活動を展開し,分科会や公開ワークショップを開催することでマイクロ波シミュレータの必要性および関連する諸問題を本学会会員に周知させることができた.さらに第2種研究会に移行してからはその活動範囲を拡げ,

  1. マイクロ波シミュレータ開発のための共通プラットフォームの構築(API(application programming interface),プラグインフレームなど)
  2. 各種マイクロ波シミュレータの比較検証に向けた規範問題の提示
  3. マイクロ波シミュレータ技術者の育成用教材の提供 (山下榮吉 監修「マイクロ波シミュレータの基礎」(電子情報通信学会)の出版)
  4. マイクロ波教育におけるシミュレータ活用の可能性に関する議論
  5. 上記内容に関連した各種啓蒙活動 (研究会,ワークショップ,講習会,総合大会企画シンポジウム,ホームページ作成など)

など多岐にわたる活動を継続し,マイクロ波シミュレータに関する諸問題について周知,議論する機会を本学会会員に定期的に提供し続けてきた.

 しかし本会設立から既に約15年が経過し,マイクロ波シミュレータの置かれる環境は大幅 に変化しており,とりわけ市販シミュレータの産官学界への急激な普及と,マイクロ波技術の隣接分野への多方位的展開が挙げられる.うち前者については市販シミュレータの高性能化と低価格化が進み,シミュレータの作り手だけでなく使い手への情報発信の必要性が増していること,また後者についてはEMC(Electro Magnetic Compatibility),デジタル信号伝送,無線電力伝送,MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems),マイクロ波化学などの分野においてマイクロ波技術,ひいてはそのシミュレータ技術に対する需要が急速に高まっていることが特筆される.

 このようなマイクロ波シミュレータに対する需要の増大と多岐化に応えるために,本研専では第1種研としての位置づけのもとで従来以上に諸活動を展開し,その認知度を向上させ当該分野の活性化に貢献していく必要があると考える.具体的には

  1. 上述した既存の活動内容をさらに発展継続させる.
  2. シミュレーション技法やシミュレータソフトウェア作成に特化した意見交換の場の提供
  3. マイクロ波と隣接技術分野の複合シミュレーション技術(通信システム,デジタル信号伝送,機械/化学/熱などとのマルチフィジックスなど)に関する意見交換の場の提供
  4. 本研専独自のマイクロ波教育用シミュレータの構築に向けた活動

などが挙げられる.このように,本研専では従来のマイクロ波シミュレーションに関する活動に加えて,既存の第1種研(マイクロ波,電磁界理論,電子デバイス,アンテナ・伝搬,環境電磁工学ほか)に関連するシミュレーション技術に特化した活動を展開することで異分野交流,融合における「媒介」としての役割を果たしたいと考える.

研究分野

 電子工学一般に関するシミュレーション技術、技法(電磁波,回路,半導体,システムなど),シミュレーション高速化技術,既存シミュレータの比較検証(規範問題の提示など),複合シミュレーション技術(電磁波と機械/化学/熱などのマルチフィジックスシミュレーション),シミュレータ向け共通プラットホーム技術,技術教育用電磁界解析シミュレータの構築.

委員長挨拶

委員長写真

 エレクトロニクス分野におけるシミュレーション技術は、「もの作り」の中で物理現象の解析、新しいデバイスや回路の考案、最適な構造や機能の設計のための手段として、重要な役割を果たしてきました。更に、昨今の世の中の動きを見ると、物と身体に関する安心・安全、エネルギーや環境問題に対する社会の持続的発展、災害・非常時の複合的な複雑系の振る舞いや信頼性などへの関心が高まり、シミュレーションの「推定」や「予測」の能力に対するニーズも従来に増して大きくなっているように感じます。このような認識のもとに、我々のソサイエティにおいてシミュレーション技術が果たして行くべき役割は、引き続き重要であると考えています。
 エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会は、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイェティの15の常設研専の中で最も新しい研専の一つとして、昨年度新設されましたが、その母体は第3種研究会および時限研究専門委員会として一昨年度まで約15年間活動を続けたマイクロ波シミュレータ研究専門委員会にあります。本学会の1994年秋季大会でのシンポジウム「マイクロ波電磁界解析ソフト、回路シミュレータの現状と課題」あたりが活動の発端でした。昔を振り返ると1980年代には大学での研究とともに企業でもインハウスのシミュレータ開発が行なわれました。しかし,垂直統合から水平分業に産業構造が徐々に変化する中で、主に海外製の使い勝手の良いソフトウエアが普及し始め、研究開発現場のユーザや学生からシミュレータの中身が見えにくくなり、遂にはブラックボックス化し、どのような計算が行われているかを理解できずに出力される結果を鵜呑みにするようになることへの不安や問題が委員会で議論されたと記憶しています。
 以上のような議論を経て、当委員会では、第一種研究会の他に、
 ・各種の数値計算法やシミュレータ活用法などの基礎を習得する講習会や勉強会の開催、
 ・シミュレーション技術の教材や研究支援ツールとなるようなソフトウエアの試作、
 ・シミュレーションの応用や新展開の潮流を特集するワークショップの開催、
などの活動を行なっています。
 昨今は,計算リソースが潤沢に活用できる時代となり、マイクロ波、光波に加えて、電子、熱、流体、微小構造体の運動など、マルチフィジクスの複合シミュレーションも盛んに議論されるようになりました。また、もの作りの研究開発現場では、物理レイヤーのみでなく回路、機能、システムまで、上位設計から物理設計に至る統合シミュレーション環境が求められており、本委員会でも徐々に研究対象の領域を広げて行く必要があると感じています。
 一方で、数値計算に対する計算性能の進歩は、相変わらず目覚しい変化があり、そのトレンドから目を離すことはできません。また、シミュレーションを産業や教育への「サービス」として捉えるならば、WEBアプリケーションやクラウドコンピューティングなどのネットワークを利用した普及形態やそのためのハードウエア・ソフトウエア技術にも目を向けていく必要があると思われます。今年のソサイエティ大会では、本委員会からGPUコンピューティングとシミュレーションに関する企画セッションを提案しています。興味をお持ちの皆様にぜひご参加いただきたいと願っています。
 「エレクトロニクスシミュレーション」は、その名からも多くの技術分野の共通基盤的な色彩をもつ横通しの領域を担当する委員会として、会員諸氏に付加価値を提供していく活動を目指したいと考えています。論文誌特集号の企画、研究会、大会での企画提案も継続的に行なって行きます。ご投稿、ご参加をお待ちしています。今後とも、活動へのご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

委員長 日本電信電話株式会社 柴田随道


設立年月日

 エレクトロニクスシミュレーション(EST)研究会 設立年月日  2011年5月28日

所在地

 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館 内(電子情報通信学会内)

沿革・歴史

1995年
第3種マイクロ波シミュレータ時限研究専門委員会発足。
2001年
第2種マイクロ波シミュレータ時限研究専門委員会に移行。
2011年5月28日
第1種エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会に移行。

専門委員名簿

2013年9月17日現在

役職名称 氏名 勤務先名称
委員長 柴田随道 日本電信電話株式会社
副委員長 柏達也 北見工業大学
副委員長 馬哲旺 埼玉大学
副委員長 木村秀明 日本電信電話株式会社
幹事 大貫進一郎 日本大学
幹事 柴山純 法政大学
幹事補佐 陳春平 神奈川大学
幹事補佐 千葉英利 三菱電機
専門委員 穴田哲夫 神奈川大学
専門委員 池田奈美子 日本電信電話株式会社
専門委員 石飛徳昌 ソネット技研
専門委員* 礒田陽次 秋田県立大学
専門委員 大寺康夫 東北大学
専門委員 萓野良樹 秋田大学
専門委員 五味宏一郎 東芝
専門委員 齊藤晋聖 北海道大学
専門委員 塩見英久 大阪大学
専門委員 須賀良介 青山学院大学
専門委員 鈴木敬久 首都大学東京
専門委員* 田口光雄 長崎大学
専門委員 辻寧英 室蘭工業大学
専門委員 中嶋徳正 福岡工業大学
専門委員 平田晃正 名古屋工業大学
専門委員 平野拓一 東京工業大学
専門委員 藤代博記 東京理科大学
専門委員 藤田和広 富士通
専門委員* 森田長吉 千葉工業大学
顧問 荒木純道 東京工業大学
顧問 川崎繁男 宇宙航空研究開発機構
顧問 許瑞邦 神奈川大学
顧問 小林禧夫 サムテック有限会社
顧問 橋本修 青山学院大学

*はアドバイザリースタッフ

幹事団

役職名称 氏名 備考
委員長 柴田随道
副委員長 柏達也 選奨担当
副委員長 馬哲旺 国際担当
副委員長 木村秀明 中長期計画担当
幹事 大貫進一郎 先任
幹事 柴山純 後任
幹事補佐 陳春平 研究会関係
幹事補佐 千葉英利 学会報告・会計担当

HP管理

役職名称 氏名
HP管理 平野拓一
HP管理 石飛徳昌

ワークショップ準備委員会

役職名称 氏名
委員長 木村秀明
幹事・会場担当 平野拓一
展示部門 石飛徳昌
委員 池田奈美子
委員 須賀良介
委員 大寺康夫

ソフトウェア準備委員会

役職名称 氏名
委員長 礒田陽次
幹事 塩見英久
委員 柴田随道
委員 田口光雄
委員 平野拓一
委員 森田長吉
委員 萓野良樹
委員 中嶋徳正
委員 藤田和広
委員 許瑞邦

技術者育成検討委員会

役職名称 氏名
委員長 藤代博記
幹事 鈴木敬久
委員 森田長吉
委員 須賀良介
委員 田口光雄
委員 穴田哲夫

広報戦略委員会

役職名称 氏名
委員長 平田晃正
幹事 研専後任幹事
委員 須賀良介
委員 特集ごとに指名

選奨委員会

役職名称 氏名
委員長 研専委員長
副委員長 研専副委員長(選奨)
幹事 塩見英久
委員 研専先任幹事
委員 平野拓一

研究会準備委員会

役職名称 氏名
委員長 研専先任幹事
幹事 幹事補佐(研究会担当)
委員 須賀良介
委員(北海道) 齊藤晋聖
委員(北海道) 辻寧英
委員(東北) 大寺康夫
委員(東北) 萓野良樹
委員(九州) 田口光雄
委員(九州) 中嶋徳正
月当番 研究会ごとに年間計画で指名(研専資料参照)

顧問・アドバイザリースタッフ

役職名称 氏名
顧問 荒木純道
顧問 川崎繁男
顧問 小林禧夫
顧問 橋本修
アドバイザリースタッフ(専門委員) 礒田陽次
アドバイザリースタッフ(専門委員) 許瑞邦
アドバイザリースタッフ(専門委員) 田口光雄
アドバイザリースタッフ(専門委員) 森田長吉