●「非線形・非平衡を導入した界面における自律運動」
中田 聡 教授(広島大学大学院理学研究科)
講演者による内容説明:「1991年にノーベル物理学賞を受賞したde Gennes(仏)の著書「表面の物理学」(吉岡書店)の動画集を見ると,かなりの集大成であり,芸術的にも見える液滴や界面の振る舞いに酔いしれる.さて,この度お話する樟脳船の駆動力は,F = (L - R) l(L:プラスチック船と水との表面張力,R:プラスチックと樟脳分子層との表面張力,l:接触長)で表すことができる.これは接触角を無視したより単純な式でもあり,ニュートンの運動方程式を使って,dv/dt = F - mv(v:速度,m:抵抗)と表すともっともらしく見える.実際の樟脳船はこれらの式におおよそ従っているが,私の興味は樟脳を使ってバクテリアのような運動を再現するところにある.」
●「計算知能をベースにした動脈硬化診断支援システムの開発」
内野英治 教授(山口大学大学院理工学研究科,財団法人ファジィシステム研究所)
講演者による内容説明:「心臓の筋肉に酸素や栄養を送る大きな血管を冠動脈と言います.この冠動脈の内面にプラークと呼ばれる異常な組織ができ,血管の弾力性がなくなることを動脈硬化と言います.そのプラークの破綻により血管が詰まり,心筋の一部が死んでしまい心筋梗塞を起こします.現在ではカテーテルと呼ばれるものを血管内に挿入し動脈硬化の診断をしています.カテーテルの先端には,超音波探触子の付いたプローブがあり,そこから超音波が発射されます.この信号に我々の研究室で開発した情報科学的な知能情報解析・処理を施すことにより,プラークの組織を自動解析し,それを 2D や 3D で視覚的に見ることができます.これにより診断の精度向上が期待されます.」
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