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第2回 開催案内: 福祉情報工学研究会

開催概要
議題 福祉情報工学一般
日程
  • 2000年3月9日 (木曜日) 9:00~17:20
  • 2000年3月10日(金曜日) 9:00~17:20
会場

工学院大学新宿校舎8階 (3月9日 0811号教室, 3月10日 0815号教室)

  • 住所:郵便番号 163-8677 東京都新宿区西新宿 1-24-2
  • アクセス:新宿駅下車、西口から徒歩で約5分
  • 電話番号:03-3342-1211 (内線番号2018)
  • URLhttp://www.kogakuin.ac.jp/
実行委員 福祉情報工学研究会
  • 委員長 :市川 熹
  • 副委員長:野城 真理
  • 幹事:
    • 安藤 彰男
    • 畑岡 信夫
  • 幹事補佐:
    • 佐藤 秀一
    • 伊藤 英一
第3種研究会手話情報学研究会
  • 委員長 :神田 和幸(中京大)
  • 副委員長:加藤 勇士(元筑波技短)
  • 幹事:
    • 市川 熹(千葉大)
    • 長嶋 裕二(工学院大)
    • 寺内 美奈(職訓総大)
備考 3月10日の聴覚障害関連の発表には、国リハのご好意により手話通訳がつきます。

プログラム:2000年3月9日(木曜日)

発表概要 9:00~10:00

(1) 携帯可能な指点字出力機器の開発

  • 発表者:青木 将紀
  • 著者名:青木 将紀, 堂坂 武史, 深澤 春生, 長嶋 祐二(工学院大学工学研究科情報学専攻)
  • 概要 :盲聾者のコミュニケーション手段の一つに、触覚を用いた指点字がある。本研究では、遠距離間での指点字コミュニケーションのための基礎として、携帯可能な出力機器の開発を行った。本装置は、時間やイントネーション情報を含むMIDIデータを入力データとし、振動モータを用いた手袋型のデバイスにより刺激呈示が行えるものである。

(2) 指点字におけるプロソディの特徴抽出の検討

  • 発表者:堂坂 武史
  • 著者名:堂坂 武史, 青木 将紀, 深澤 春生, 長嶋 祐二(工学院大学大学院工学研究科情報学専攻)
  • 概要 :指点字では実時間に近い速度での情報伝達が可能である.これは,打点時に「かな情報」に加えて打点の圧力・速度・間隔などによるプロソディ伝達が行われているためと思われる.我々の研究グループでは,指点字通訳システムの実現を目的とし,MIDIを用いて指点字の入力における打点情報の計測および分析を行っている.今回は,音声と文書における指点字通訳時のプロソディ伝達と,その特徴を反映し生成した文章と実測値の比較結果について報告する.

(3) 行列スキャン入力方式に組み込む予測文字の配置の検討

  • 発表者:佐々木 大真
  • 著者名:佐々木 大真, 小山 智史(弘前大学教育学部)
  • 概要 :重度肢体不自由者の文字入力方式として行列スキャン方式があるが、入力効率は非常に悪い。統計情報に基づき直前に入力した数文字から次の文字を予測し、文字盤に配置することで、入力効率が改善される。ここでは、文字盤に置く予測文字の数やスキャン方法が入力効率におよぼす影響を、シミュレーションにより調べた。
  • URL  :http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/usr/koyama/paper/wit00b/wit00b.htm

(4) 仮想音響による3次元空間認識支援システム

  • 発表者:河井 良浩
  • 著者名:河井 良浩(注1), 小林 真(注2), 皆川 洋喜(注2), 宮川 正弘(注2), 富田 文明(注1)
  • 概要 :は、行動支援システムとして3次元環境を計測、認識し、3次元音響で提示するシステムの研究開発を行っている。視覚障害者向けの視覚代行システムのうち行動補助に関しては、GPS、ガイドロボットなどを利用した歩行補助システムの研究がなされているが、ユーザの周りのリアルタイムに状況が変化する局所的な視覚情報の提供に関しては、インフラ整備などでも解決できない課題が多い。小型のステレオカメラから得られた画像を解析して3次元環境を計測し、ユーザが設定したタスクに応じた対象物の認識を行い、位置情報などの結果を3次元音響で出力してユーザに伝えるシステムである。このような3D竏窒RD変換のシステムは他にはない。本論文では構築したシステムの構成、処理手順を説明し、3次元音響表示に関して行った被験者実験から、音像定位は能動的な動作が有効であること、前後関係の誤認識が多く生じることなどが判明した。
  • URL  :http://www.etl.go.jp/etl/shikaku/people/kawai/paper/wit200003/wit.html

(注1)電子技術総合研究所 (注2)筑波技術短期大学

(5) 音声指令による電動車椅子の走行[その4屋内・屋外におけるマニュアル走行について]

  • 発表者:小宮 加容子
  • 著者名:小宮 加容子(注1), 守田 圭(注1), 景川 耕宇(注2), 黒須 顕二(注2)
  • 概要 :車椅子は身体が不自由な人や病人が移動を行なうのに重要な乗り物である。その車椅子に音声指令という人間にとって負担が少なく効率の良い情報伝達手段を用いることが考えられる。本研究では、周囲の状況に対応した安全で乗り心地の良い電動車椅子の搭乗者による音声指令走行の実現を目指している。今回の報告では、予備実験として走行環境の違いによる車椅子の走行を検討する為に、マイクロロボットを用いた屋内走行実験とパソコンによるシミュレータを用いた屋外走行実験を行なった。

(6) 高齢者による音声符号化信号の明瞭度評価

  • 発表者:三崎 正之
  • 著者名:三崎 正之(松下電器産業(株)マルチメディア開発センター)

発表概要 午後前半 13:00~15:00

(7) 音声応答による視覚障害者の生活支援システムの試作

  • 発表者:松浦 健一
  • 著者名:松浦 健一,湯瀬 裕昭(静岡県立大学経営情報学部)
  • 概要 :視覚障害者の生活支援を目的に,辞書引き,時刻・日付,天気予報などについての音声による問い合わせに対して音声で応答するシステムを試作した。天気予報などの情報はインターネットから入手する。また,音声のやりとりに無線を利用し,システムの使用範囲を広げた。

(8) 視覚障害者のためのモニターレス・キーボード練習環境

  • 発表者:高城 敏弘
  • 著者名:高城 敏弘(注1), 西本 卓也(注1), 園 順一(注2), 浅野 令子(注2), 高木 治夫(注3)
  • 概要 :視覚障害者がキーボード操作を独力で習得するための環境を音声インタフェースで実現した。プラットフォームとしてLinuxを使用しており、GUIを前提としない。本システムによってパソコンの初心者である視覚障害者が、介助者なしで練習を行えることを、実際のパソコン教室で運用して確認した。

(注1)京都工芸繊維大学, (注2)日本サスティナブル・コミュニティ・センター, (注3)株式会社ネットイン京都

(9) 超音波による状況推定を導入した白杖の提案

  • 発表者:立石 敏隆
  • 著者名:立石 敏隆, 黒田 知宏, 眞鍋 佳嗣, 千原 國宏(奈良先端科学技術大学院大学情報処理研究科)
  • 概要 :現在、視覚障害者が歩行する際は、一般的に白杖を用いて周囲状況の推測を行っているが、白杖だけでは下向き段差や看板などの空中に突き出た障害物の存在を知ることは困難である。そこで、これまでにセンサを導入した複数の歩行補助具が提案されているが、センサが計測したアナログ量を振動の強さなどを用いて直接的に伝達したり、計測値が閾値を越えた際に単純に警報を発するものがほとんどであり、視覚障害者は訓練と経験を通じてこれらの手がかりから周辺の状況を推定する必要があり、実際の使用は困難であった。そこで本研究ではシステム自体が計測値から状況を推定するという手法を取り上げることにした。これによって、無用な情報を利用者に流すことなく、かつ正確で適当な指示を行うことが可能となり、さらにより高度なナビゲーションを構築することが可能となる。本発表では視覚障害者の移動支援システムへの状況推定という概念の実装手法と、それによるシミュレーション結果について発表する。

(10) Voiced Scripting Host[スクリプトを用いた視覚障害向けWindows活用システムの開発]

  • 発表者:本多 博彦
  • 著者名:本多 博彦(注1), 釜江 常好(注2), 渡辺 隆行(注3), 小出 富夫(注4), 宇野 伸一郎(注5), 栗原 亨(注6)
  • 概要 :このシステムは、Windows98から標準になっているWindowsScriptingHostを活用し、視覚障害者が様々なアプリケーションを駆使できるようなプログラム開発を支援する音声化システムである。実際にデモを行ないながらこのシステムの特徴及び開発状況を発表する。

(注1)宇宙科学研究所,(注2)東京大学大学院理学系研究科,(注3)湘南工科大学情報工学科,(注4)クリエートシステム開発(株),(注5)日本福祉大学情報社会学部, (注6)筑波技術短期大学視覚部

発表概要 午後後半 15:20~17:20

(11) 差分履歴情報を用いたWEBページの音声読み上げ方法

  • 発表者:海老 名毅
  • 著者名:海老 名毅, 猪木 誠二 (郵政省通信総合研究所ユニバーサル端末研究室)
  • 概要 :差分履歴情報を用いてWEBページの更新情報を抽出し,音声で効率的に読み上げる方法を検討する。

(12) 障害者の利用を考慮したWeb教材の開発例

  • 発表者:小山 智史
  • 著者名:小山 智史(弘前大学教育学部)
  • 概要 :広く用いられているWebブラウザで利用できる障害者向けのWeb教材の開発例として、オプタコン講習用教材やタイプ練習用ソフト(視覚障害者向け)、スキャン式のアルバム教材やクイズ教材(重度肢体不自由者向け)、ドラッグアンドドロップ教材(精神遅滞児向け)などを紹介する。また、これらのWebページの作成を支援するために開発したライブラリソフトについて述べる。
  • URL  :http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/usr/koyama/paper/wit00a/wit00a.htm

(13) Bilingual Emacspeak Project [Windows及びLinux上で日英2ヶ国語を処理できるEmacspeakの開発]

  • 発表者:渡辺 隆行, 井上 浩一
  • 著者名:渡辺 隆行(注1), 井上 浩一(注2), 鳥原 信一(注3), 飛岡 正人(注4), 釜江 常好(注5)
  • 概要 :Raman博士が開発したEmacspeakは、UNIX上の高機能エディターであるEmacsにAuditoryUserInterfaceを追加した音声化システムである。Emacspeakのおかげで、米国のUNIXを使う視覚障害者は、シェル、ファイラー、Webブラウザーなどのネットワークユーティリティー、プログラム開発支援、などのEmacsの多彩な機能を音声利用できるようになった。このEmacspeakを、英語と日本語を扱えるように拡張し、マイクロソフトWindows及びLinuxの上で実装しようというのが、BilingualEmacspeakProject(BEP)である。Windows用のEmacspeakは、第1回福祉情報工学研究会で報告したVoiceWindows計画のVoiceMeadowと同一である。BEPでは、Emacspeakに関心を持つ人間が個人の資格で集まり、EmacspeakのBilingual化、Windows用及びLinux用のBilingual音声化サーバーの開発にオープンに取り組んでいる。プロジェクトの概要と開発の現状について報告する。
  • URL  :http://www.shonan-it.ac.jp/each_science/info/nabeken/data/2ndWIT.html

(注1)湘南工科大学情報工学科, (注2)(株)リコーソフトウェア研究所, (注3)日本IBM(株)東京基礎研究所、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科, (注1)慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科, (注1)東京大学大学院理学系研究科

(14) 高齢化によるハンディキャップに対応したユニバーサル通信サービス

  • 発表者:海老根 進
  • 著者名:海老根 進(注1), 渡邉 尚洋(注1), 畠山 順子(注1), 松井 葉子(注1), 竹本 光雄(注1), 松村 研(注2)

(注1)沖電気,(注2)沖データ

プログラム:2000年3月10日(金曜日)

発表概要 時間9:20~12:00

(1) 局所的ICAによる運動関連脳電位の解析

  • 発表者:安倍 崇史
  • 著者名:安倍 崇史, 長嶋 祐二, 西谷 善樹, 田中 久弥, 井出 英人(工学院大学大学院情報学専攻)
  • 概要 :我々の研究グループでは、随意運動に伴って発生する運動関連脳電位を解析し、マンマシンインタフェースに応用する方法を検討してきた。しかし運動関連脳電位は、背景脳波に埋もれてしまい通常観測することができない。そこで我々は、測定した脳波に局所的にICAを用いて信号を分離する解析方法を検討した。

(2) 連続DPマッチングを用いた心電図認識手法の検討

  • 発表者:郭威
  • 著者名:郭威(注1),堀内 靖雄(注2),市川 熹(注1)
  • 概要 :現代社会の発展に伴い、生活レベルが上がり、医療保健の改善によって、人類の寿命は延びている。災難などにもかかわらず、地球上の総人口は増加している。最新の人口予想によれば、今後数十年の間に、100億に上ると思われている。大多数の国家では、総人口が増加したばかりでなく、年齢別人口構成も変化している。少子化となりつつあり、中高年(45歳以上)の割合が総人口に対して、著しく増加している。社会生活スタイルが変わった一方、競争が激しくなりつつある。現代病の影響により、中高年は、身体の各々の機能が衰退している。とくに、心臓などの機能が弱くなっている。日本における主要な死因の中で、心疾患は第二位を占めている。それゆえ、心電を常時監視し、異常状況を検出する携帯式の心電監視方式の実現が必要となってくる。本研究では、システムの基盤としての心電図常時監視アルゴリズムの開発を目的とする。

(注1)千葉大学大学院自然科学研究科,(注2)千葉大学工学部

(3) 画像センサを用いた眼球運動による意思伝達システム

  • 発表者:伊藤 和幸
  • 著者名:伊藤 和幸(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)

(4) リアルタイム動画像伝送による在宅要介護者の遠隔モニタリング

(注1)国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所,(注2)立命館大学理工学部

(5) 聴覚障害者のための情報保障装置ステノプコン

(注1)国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所,(注2)立命館大学理工学部

(6) 手話パターンの符号化と手話間距離について

  • 発表者:宮谷由美
  • 著者名:宮谷由美, S.Herath, 杉山雅英 (会津大学コンピュータ理工学研究科)
  • 概要 :手話の調動は手指信号と非手指信号から構成されている。本論文では、手指で与えられる手指信号の手話パターンの差異を定量化するための方法を提案する。動画で与えられる手話パターンの違いを計量化することは容易ではない。我々は手話パターンの符号化法を提案してきた。符号表現された手話パターンに対して距離を定義する。これを用いて手話の類似性を定量化することが可能となる。以下では符号化手法、距離の定義、距離に基づくクラスタリングおよび距離の最適化について述べる。

発表概要 午後前半 時間13:00~15:00

(7) 特別講演「手話と情報技術(仮題)」

  • 発表者:神田 和幸
  • 著者名:神田 和幸(中京大学)

(8) 手話単語動作データベース作成と手話文編集ツール

  • 発表者:渡辺 錬士
  • 著者名:渡辺 錬士(注1,注2), 呂山(注2), 真野 和彦(注2), 猪木 誠二(注2)
  • 概要 :日常必要な1000語の手話モーションキャプチャデータの作成と、表情、口形、ジェスチャなどの非言語情報を付加した手話のアニメーション作成ツールについて報告する。

(注1)通信・放送機構,(注2)郵政省通信総合研究所

(9) 日本手話における時間構造の分析

  • 発表者:平山 望武
  • 著者名:平山 望武(注1), 堀内 靖雄(注2), 市川 熹(注1)
  • 概要 :日本手話における時間構造を分析し、そのリズムの存在を検討する。各々の言語特有のリズムがあり、それが理解をする上で重要な機能を果たしている。手話においても、特有の時間構造があるはずであるが、その実体は解明されていない。本研究ではその手掛かりを求める。

(注1)千葉大学大学院自然科学研究科,(注2)千葉大学工学部

発表概要 午後後半 時間15:20~17:20

(10) 手話のsIGNDEX記述のための支援ツールの開発

  • 発表者:渡邉 勇夫
  • 著者名:渡邉 勇夫(注1), 堀内 靖雄(注1), 市川 熹(注2)
  • 概要 :手話分析において、手話の動画(ビデオ等)を用いて実際に解析するのは大変な手間と労力がかかる。そこで本研究ではその解析の負担を軽減する目的で開発中の手話分析支援ツールを報告する。

(注1)千葉大学工学部,(注2)千葉大学大学院自然科学研究科

(11) 手話アニメーションへの修飾表現の導入に関する研究

  • 発表者:村上 満佳子
  • 著者名:村上 満佳子, 黒田 知宏, 眞鍋 佳嗣, 千原 國宏(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
  • 概要 :聴覚障害者の母語である手話と,日本語の相互翻訳システムの研究が行なわれている.しかし先行システムは逐語訳を基本にしているため,本来単語に抑揚をつけることによって表現される形容詞の強さなどを適切に表現できず,自然な手話文を生成できないという問題点がある.そこで本研究では,このような抑揚表現(修飾表現)を手話アニメーションに導入する手法を提案する.本稿ではまず,形容詞に注目して,その単語が文章に現われた場合手話の表現がどのように強調されるか分析を行なったので,その分類について述べる.また,その分類をもとに抽出した代表的な語について,身振り計測データからの修飾表現の抽出を行ない手話アニメーションの生成を試みたので,その結果について報告する.

(12) 口形付き手話アニメーションの生成に関する検討

  • 発表者:福田 佳史
  • 著者名:福田 佳史, 小島 隆史, 木谷 寿一, 長嶋 祐二(工学院大学工学研究科情報学専攻)
  • 概要 :手話における非手指動作には,表情,口形,姿勢などが含まれる.表情や口形には主に感情の伝達,意味の限定の作用があるといわれている.ろう者の視線は,手指動作のみでなく表情や,口形を重要な要素として認知するため,顔へ集中している.そこで我々は口形に注目し,非手指動作としての口形や,読話練習用にも使えるアニメーションについて検討した.

(13) 手話認識技術とその応用システムの開発

  • 発表者:佐川 浩彦
  • 著者名:佐川 浩彦, 安藤 ハル, 小泉 敦子, 岩村 一昭, 竹内 勝(新情報処理開発機構マルチモーダル機能日立研究室)
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