自動車電話
現在皆さんが持っている携帯電話は、当初は
自動車電話としてスタートしました。自動車電話としては、1946年にアメリカのセントルイス市でサービス開始されたのが世界初です。当時は現在の電話とは大きく異なり手動接続方式で、
交換手の助けが必要でした。しかも、電話を使う人が送話ボタンを押していると間のみ電波が発せられる方式だったのです。
ボタンを押している間だけ話せるってことだよね。なんか電話というよりも、今でいうとトランシーバーみたいな感じだなぁ。
1946年というと私たちが生まれるずいぶん前のことなのね。もっと最近できたものかと思っていたわ。世界初が1946年とすると、日本ではいつ頃始まったのかしら?
日本では、アメリカでのサービス開始に遅れること8年、1954年に
電電公社電気通信研究所が
自動車電話システムの研究を始めました。そして、1961年に400MHzの
周波数帯を用いる手動交換接続による自動車電話システムが完成し、1967年、400MHz帯のシステムを自動交換接続した改良システムが完成しました。
400MHz帯っていうのは、使っている電波の種類のことね。携帯電話のカタログでこんな数字をみたことがあるから。
なんか、日本はずいぶん遅れて始まった感じがするけど、手動接続じゃなくて自動接続だったんだ。遅れた分、頑張ったんだね。
しかし残念なことに、このシステムは
周波数割り当ての問題から、一般の
自動車電話として実用化されませんでした。このシステムは1970年に、都市災害対策用の持ち運び無線システムとして、東京23区に導入されました。一般の人たちが使えるようになるのは、まだ後のことです。