電子情報通信学会誌 Vol.84 No.6 pp.375-378 2001年6月 |
藤井孝藏 文部科学省宇宙科学研究所
E-mail fujii@flab.eng.isas.ac.jp Paradigm Change by Computer Simulation:Computer Simulation Replaces physical Simulation? By Kozo FUJII, Nonmember (The Institute of Space and Astronautical Science, Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, Sagamihara-shi, 229-8510 Japan). |
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■1.は じ め に |
■2. スーパコンピュータの性能向上と数値流体力学 少し古い資料になるがスーパコンピュータの性能向上を図1(文献(1)の三好によるデータを再プロット)に示す.スカラ,ベクトル(図中○),分散メモリベクトル並列(図中●),最近では超並列(図中▲)とコンピュータアーキテクチャは変化しているものの,グラフが示すように計算機性能の向上は変らずおよそ10年で1,000倍となっている.実際にはこれに数値計算法効率化の効果が上乗せされる.HPCと呼ばれるこれら先端的計算機に対して,パソコンなどの性能向上はもっと顕著である.1970年代終りに登場した最初の汎用スーパコンピュータCRAY-1の性能は流体シミュレーションの実コードで実効およそ60-70MFLOPSだったが,現在重さ2キロ以下のモバイルパソコンがちょうどこの程度の性能である.つまり,私達はデスクトップスーパコンピュータどころかモバイルスーパコンピュータを手に入れたことになる.最近のPCクラスタ技術によれば8〜16台のPCを利用して1世代前のスーパコンピュータと同じ性能が出ることも報告されている. |
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