SRW研究専門委員会について

» 設立の背景

近年、積極的に導入されつつあるワイヤレスLAN(WLAN)の性能拡大、およびワイヤレスPAN(WPAN)の研究が国際的に盛んになりつつある。 前者は100m程度、後者は10 m程度をサービスエリアとして通常10 dBm程度の小電力で、前者は300 Mbps、後者は数Gbpsの高速・超高速伝送を当面のゴールとしている。 これらの分野では日本がPHY、MACいずれの分野でも世界をリードしているとは現状では言い難く、ビジネスとしても米国・台湾系のメーカーがマーケットをリードしている。 さらに最近の傾向としては、米国のアナログTVのデジタル化による空きバンド(TV White space)にもこれらWLAN技術を積極的に使用していく傾向が強くみられる。 一方、米国発案のスマートグリッドは電波免許不要帯で小電力(一般には最大10 dBm程度)の安価な無線通信方式が求められている。 これらの特徴をまとめると以下のようになる。

これらから分かるように、上記WLAN、WPANを中心とする短距離無線通信は「端末- 端末間の直接通信が存在しない基地局-端末間通信の携帯電話通信」とは主として、 免許不要バンド、通信環境(屋内中心)、電波伝搬(LOSを含む)、小送信電力(一般に最大10 dBm)、通信モード(端末-端末間の直接通信)等の点で異なる。 特にこれらネットワーク制御するMACは携帯電話網のそれとは全く異なり、日本にはその技術は無いといっても過言ではない。 一方、世界的にはIEEEでの標準化(IEEE 802.11、15、19、22)を中心に無線通信の研究中心が大きくWLAN、WPANに動いており、前述の様にTV White Spaceにもこれら技術の適用が検討されている。 日本は携帯電話技術の領域では世界をリードしているが、これら短距離無線通信の領域では研究開発・ビジネス、 いずれの領域でも世界をリードしているとは言い難く、日本無線通信の将来のためにもこれの分野への国をあげての取り組みが必要である。

» SRW研の目的

これらの外部状況から、本研究会は、このWLAN, WPANを中心とした短距離無線通信の分野で活躍中・これから活躍が期待される幅広い分野の研究者が集い、基礎的研究から、製品開発・応用までを見据えた日本における短距離無線通信研究開発・ビジネス活性化の底上げを目的とする。 また、日本若手研究者の弱点とされているシステムが分かる技術者が育つ環境を構築し、”自身が専門とする狭い領域”だけでは無く、当研究委員会に出席することにより短距離無線通信全体が分かるような一貫した研究分野設定とする。 さらに、今後の日本がグローバルにコンペテチブであるためには次代を担う若手研究・開発者が自由闊達に議論できる場が必要であることから、当委員会は電子情報通信学会の会員に広く開かれ、論理的な議論が出来る環境を構築し、海外研究機関とのジョイントワークショップ等も開催し、研究者のグローバル化に資することも目的とする。 これらの研究活動結果の、短距離無線通信分野での国際標準化への貢献も合わせて検討できる委員会とする。

主な研究分野

主として下記の研究分野での活動を推進し、WLAN、WPANを中心とした短距離無線通信技術・研究者の向上及び関連ビジネスのより活性化に貢献する。

主な技術領域

»  短距離無線通信用伝搬・アンテナ

屋内伝搬特性,屋外伝搬特性,車内伝搬特性,ポータブル(無)指向性アンテナ,ビームフォーミング,チャネルモデル,MIMO,スマートグリッド等

»  短距離無線通信用物理層・RF

変復調,誤り訂正,同期,復調,等化器,OFDM,MIMO,干渉補償,レーダ等

»  短距離無線通信用MAC

CSMA/CA,超高速伝送用MAC,広域センサーネットワーク用MAC,医療無線システム用MAC,干渉回避,ピコネット,アドホック,ダイナミックスペクトラムアクセス等

»  ネットワーク・セキュリテイ

M2M通信,TVWS,スマートグリッド、リレーネット、近接場通信(Near Field Communication :NFC),無線センサネットワーク,無線PAN,測位等

»  短距離無線通信用実装技術

ASIC化技術,ミリ波RFCMOS,化合物半導体RF,低雑音RF受信機,低消費電力化HW実現技術,低消費電力化SW実現技術,小型・軽量実装技術等



Copyright © 2010-2022 電子情報通信学会 短距離無線通信研究専門委員会 All Rights Reserved. Web designed by Keiichi Mizutani.