研究賞2011年被表彰者
委員による厳正な審査の結果、2011年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2012年1月19日)。なお、規程に基づき、優秀研究賞は共著者を含む全員、学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります。
優秀研究賞 (Best Paper Award)
- 受賞者
- 高橋哲朗(富士通研) Tetsuro Takahashi (Fujitsu Laboratories LTD.)
- 野田雄也(ニフティ) Yuya Noda (NIFTY Corporation)
- タイトル
- 実世界のセンサーとしてのTwitterの可能性 (Can Twitter be an alternative of Real-World Sensors?)
- 2011年1月 第2回 集合知シンポジウムにおける発表
- 概要
- Twitterには,ユーザの行動や思考,意見,感覚などが投稿されているため,大量の tweetを集約することで実世界で起きている現象をとらえるセンサーとして用いることができる可能性がある.これを検証するために,我々は,Twitterに投稿された「花粉症」に関するtweetを集め,それらを都道府県別にマッピングし可視化するシステムを作成した.そして,ここで得られた情報と,実際の花粉の飛散量との関係を分析し,Twitterのセンサーとしての利用の可能性について議論する.
- 選奨理由
- Twitterをセンサーとして使うための障害となる(1)地域情報の推定(2)「感度」についての対処、実サービスを通じた分析までを一貫した研究であり、とても刺激になる。
学生研究賞 (Best Student Paper Award)
- 受賞者
- 牧田健作(筑波大) Kensaku Makita (University of Tsukuba)
- タイトル
Wikipediaを多言語知識源とするブログ集合の話題分析 (Analyzing Topics of Blogs based on Wikipedia as a Multilingual Knowledge Source)
- 2011年7月 第1回 テキストマイニング・シンポジウムにおける発表
- 概要
- 本論文では,特定トピックに関して詳細な記述を含むブログ記事集合に対して,Wikipediaエントリを知識源として,特定トピックにおける観点ごとにブログ記事を分類する枠組みを提案する.この枠組みにおいては,Wikipedia中において特定トピックのキーワードが出現するエントリを収集し,特定トピックにおける観点の候補とする.さらに,Wikipediaエントリ中の関連語の情報を利用して,ブログ記事を各観点に分類する.提案手法の適用例として,「地球温暖化」を話題として,日本語ブログ集合,および,韓国語ブログ集合を収集・分類し,観点の分布を比較した結果を分析する.また,「東日本大震災」(そのうち,特に,「原子力発電所」,および,「放射能」)を話題として,日本語Wikipedia中の観点を収集し,さらに,それらの観点を用いて英語ブログ集合を収集・分類した結果の分析を行う.以上の分析を通して,提案手法により,特定の検索クエリについて収集されたブログ記事における観点の分布を,素早く俯瞰することが容易になることを示す.
- 選奨理由
- ブログの多言語マイニングという新しい問題に取り組み、新しい知識発見の方向性が示されていて、今後が期待される。
表彰について
表彰式は、2012年2月2日、第3回 集合知シンポジウムの場で行います。
最終更新時間:2012年01月19日 22時56分09秒