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研究賞2016年被表彰者の変更点

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委員による厳正な審査の結果,2016年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2017年1月24日公表).なお,[[規程|優秀研究賞・学生研究賞 選奨規程]]に基づき,優秀研究賞は共著者を含む全員,学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります.
委員による厳正な審査の結果,2016年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2017年1月23日決定,2017年1月24日公表).なお,[[規程|優秀研究賞・学生研究賞 選奨規程]]に基づき,優秀研究賞は共著者を含む全員,学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります.

!!! 優秀研究賞 (Best Paper Award)

::受賞者
鈴木祥子(日本IBM)・高塚裕道(日本IBM)  

::タイトル
[特許請求項からの新規性に関わるキーワード抽出|http://www.ieice.org/ken/paper/201609096bLC/]
* 2016年9月9日 第9回テキストマイニング・シンポジウム@AP渋谷道玄坂における発表

::概要
近年、自然言語処理のアプローチを用いた特許分析のニーズが増加し、特許明細書から様々な情報が抽出され、分析されるようになってきた。しかし、特許文書の主眼である発明の新規性や進歩性に関する情報の抽出に対しては、これまでアプローチがあまり存在しなかった。これらの新規性や進歩性に関わる情報は、専門家以外によるアノテーションも困難である。本研究では、発明の新規性や進歩性に関するキーワードを、特許請求項から請求項の構造解析を利用して自動で抽出する手法を提案する。また、この手法を評価するためのフレームワークも新たに提案する。実験により、多くの技術分野において本手法が既存のキーワード抽出手法を大幅に上回る性能を持つことが示された。

::選奨理由
特許において重要な新規性および進歩性に着目し,それらに関連するキーワード抽出という難しい課題に対して,文書構造を利用した新たな手法を提案しています.さらに,その有用性の検証のために,拒絶された特許文書の差分を用いるという評価フレームワークを提案しており,他の研究の促進も期待できます.研究として先進性と有用性があり,優秀研究賞に値すると考えられます.

!!! 学生研究賞 (Best Student Paper Award)

::受賞者
竹野峻輔(長岡技科大)

::タイトル
[単語対応を利用した欠落語の投射による機械翻訳向きオラクル入力文の生成|http://www.ieice.org/ken/paper/20161222mboC/]
* 2016年12月22日 第3回自然言語処理シンポジウム@NTT武蔵野研究開発センタにおける発表
* 著者:竹野峻輔(長岡技科大)・永田昌明(NTT)・山本和英(長岡技科大)

::概要
ある言語対の翻訳を考えたとき目的言語側で単語対応がつかない語というものが存在する.露英翻訳のおける英語の冠詞や日英翻訳における欠落主語の問題など,このような語は機械翻訳を取り扱う上で問題となる.これらの語は,明示的な手がかり無しに予測を行う必要がある.本論において,我々はこのような欠落語の同定手法および目的言語の文から原言語に投射を行う手法について提案を行う.手法は言語対に依存せずコーパスから動的に決定される.この手法により,これまで先行研究で行われてきた空範疇や冠詞生成のデータセットが作成可能になる.またこのデータセットの作成により,これら欠落語の翻訳における影響度を予め推測することができる.本論では,IWSLT2005の日英翻訳タスクにおいて提案手法を適応したところ欠落語の予測による改善の見込みが非常に大きいことが判明した.欠落語が投射されたオラクル原言語文を入力に用いることで,BLEUにおいてフレーズベース統計的機械翻訳システムで30.9から37.3,ニューラル機械翻訳システムにおいては18.0から28.3の改善が見られた.

::選奨理由
欠落語に対する処理を提案し,統計的翻訳モデルとニューラル翻訳モデルとの両方で精度を高めたことを示しています.また,考察が詳細に述べられており,今後の研究に繋がることも高く評価できます.研究として有用性と将来性があり,学生研究賞に値すると考えられます.

!! リンク
* [[研究賞2015年被表彰者]]
* [[研究賞2014年被表彰者]]
* [[研究賞2013年被表彰者]]
* [[研究賞2012年被表彰者]]
* [[研究賞2011年被表彰者]]
* [[優秀研究賞・学生研究賞 選奨規程]]