DEWS2006 デモ発表のアブストラクト

セッション 1D 【デモンストレーション】: 3/2 8:30-10:00, コアタイム10:00-10:40
1D-d1: Webコミュニティを意識したP2P型コンテンツ配送システムの試作
高橋 昭裕, 小林 亜樹, 山岡 克式, 酒井 善則(東京工業大学), 曽根原 登(NII)
P2Pシステムでは検索効率の向上を図るため,同傾向の嗜好をもつピア同士が 近くに配置されるようにしている.この際,ピアの嗜好はユーザの嗜好傾向を 反映しており,ユーザの嗜好傾向は複雑なため,最適なトポロジを構成するの は難しい.そこで,ピア自体の嗜好を単純化することを目的に,ピアとユーザ を切り離すことで,適切なトポロジ構築を容易にし,この時にユーザの嗜好を 指定するために,ピアとWebサイトを関連付ける手法を提案する.具体的には ピアとWebサイトを一体化する.その上で,同種のピア同士を接続する方法と して,Webリンク情報を用いて同種のピアを発見し,接続する方式を提案する. 本方式で検索効率を検証し,また,試作システムを作成し,複数の検索方式を 試行できるプラットフォームとして機能することを目指す.実験用に多数のピ ア情報を一括管理できるモニタも用意した.
キーワード: P2P, Webとインターネット, 情報検索
1D-d2: XMLコンテンツ統合を支援するXQueryプロセッサ
油井 誠, 宮崎 純, 植村 俊亮 (奈良先端科学技術大学院大学)
XMLを用いた情報統合が注目されている. 我々は,XMLコンテンツの統合にXML問合せ言語を用いるのは相応であると考え, XMLコンテンツ統合を支援するXQueryプロセッサを開発している. XMLコンテンツ統合を支援するとは, (1)異種データソース群に対するXMLビューを構築するXML出版機能, (2)XMLビューの上にXMLビューを構築する機能をサポートし,ユーザ問合せからの再帰的問合せ統合を行う機能 を提供することを指す. 問合せ統合では,ユーザ問合せとビュー問合せを結合し,最適化する. この問合せ最適化により,不要な中間結果の生成を抑制し,下位のデータソースへの効率的なアクセスを実現する. 本稿で提案する手法では,ユーザ問合せとビュー定義は共にXQuery表現式で与える. ユーザ問合せとビュー問合せのセマンティクスが完全に一致する為,容易かつ自然なクエリ統合が可能となる. 提案機能の組合せは,大きな開発コストがかかるとされる情報統合のコストを 低減する手段を提供する.
キーワード: XML, 情報統合, 問合せ処理, XQuery ビュー処理 XML出版
1D-d3: 個人健康管理を目的とした自動健康データマイニングシステム
竹内裕之, 児玉直樹(高崎健康福祉大学 健康福祉学部)
橋口猛志, 林 同文(東京大学大学院 医学系研究科)
個人の日常の健康管理・増進を目的とした携帯電話とWebテクノロジーを活用 した個人健康管理システムに自動健康データマイニング機能を新たに付加した。 このシステムでユーザは携帯電話から日常の生活習慣データと健康データを入 力しインターネット経由でデータをサーバに蓄積する。そして、データ数があ る閾値をこえると定期的にシステムが自動解析(健康データマイニング)を開 始し、生活習慣と健康データ項目間の相関ルールを抽出してユーザの携帯電話 に通知する。ユーザは、抽出された相関ルールを自己の健康管理や生活習慣の 改善に役立てることができる。健康データマイニングでは、生活習慣データを 入力変数、健康データを出力変数として位置づけ、相関ルールは[生活習慣デー タY=y かつ生活習慣データZ=zなら健康データX=xの傾向がある]といったもの になる。抽出され、通知される相関ルールの精度はシステムの複数のパラメー タを設定してチューニングすることができる。
キーワード: Webとインターネット, データマイニング, パーソナライゼーション, 健康管理DB
Session 2D (International Session)[Demonstration]: 3/2 10:40-12:10, Core Time 12:10-12:50
2D-d1: Ontology Management and Maintenance System over the Network
lan WANG (Toshiba R&D Center)
Ontologies are more and more widely applied in different areas as various forms. Based on the applied domains, there are generally two well-known types of ontology. One is document-oriented linguistic ontology, which may be used as a common vocabulary. Another is the structured-data-oriented ontology, which are mainly designed to manage catalogs of objects(called as metadata) and technical data(called as instances) integrations. Industry ontologies are constructed to manage product metadata and instances. The product metadata includes the hierarchical classifications of products and their properties thus the metadata decides instances’ syntax, format etc. This article is going to introduce a system which aims to manage and maintain the industry ontology metadata over the network. In the system, there are generally four main function modules: ontology view modules, ontology modification modules, proposal evaluation and vote modules, ontology update and release modules. Presently, the system is basically applied to industry ontologies, it’s to provide services for any other structured-data-oriented ontology in the next step.
keywords: metadata management, web service, e-commerce, ontology
2D-d2: Development of Federated Database System in Astronomy (Virtual Observatory) - Demonstration of Science Use Cases -
Satoshi HONDA, Yuji SHIRASAKI, Masahiro TANAKA, Satoshi KAWANOMOTO, Masatoshi OHISHI, Yoshihiko MIZUMOTO, Masafumi OE (National Astronomical Observatory), Naoki YASUDA (University of Tokyo), Yoshifumi MASUNAGA (Ochanomizu University), Yasuhide ISHIHARA, Jumpei TSUTSUMI (Fujitsu Ltd.), Hiroyuki NAKAMOTO, Yusuke KOBAYASHI, and Michito SAKAMOTO (System Engineering Consultants Co. Ltd.)
The virtual observatory (VO) is designed to provide astronomers with seamless access to astronomical DBs distributed all over the world. It is considered to be an indispensable system for the modern astronomy that produces huge amount of data day by day, therefore development of and collaboration on VOs have been advanced in leading countries of the world. We are developing Japanese VO (JVO), and we have already succeeded to interconnect with some other VOs since 2004. In the last year, we improved its performance of the JVO system, and upgraded the system toward future open use. Especially, we have implemented a workflow system to invoke data retrieval and analysis services. The workflow description language is described based on the BPEL4WS. In this conference, we will demonstrate the JVO portal system, and will perform some astronomical science use cases by executing the workflows and accessing to the astronomical DBs in the world. The basic concept and the structure of the VO system may be applied to other fields of science.
keywords: scientific DB, parallel/distributed DB, workflow
2D-d3: u-Cam: A User-driven Control Mechanism for Ubiquitous Cameras and Its Content Management
Shumian He(Kyoto Univ.), Yukiko Kawai, Yutaka Kidawara, Koji Zettsu(NICT), Katsumi Tanaka(Kyoto Univ/NICT)
We developed a mechanism for photographing people and annotating their behavior along with nearby elements using multiple embedded cameras. In addition, we developed a method of dynamically integrating and presenting the recorded content. As a conventional camera is used to photograph objects selected by a photographer, taking pictures that include him while holding the camera is difficult. Security camera systems take pictures that include people and nearby elements, but such systems cannot take the user aspect of intentions and interest of the people. After detecting the intentions and behaviors of subjects using radio frequency identification (RFID) tags, our system selects the best camera from cameras located in an area, and then the camera photographs the subject and the surrounding area. In addition, these photos can be annotated with meta datainformation about the context and interest of the subject.
keywords: profile, ubiquitous computing, content processing
セッション 3D 【デモンストレーション】: 3/2 15:05-17:30, コアタイム17:30-18:10
3D-d1: PubMedと連携した文献情報管理システムの紹介
池野英利, 西岡拓人, 大澤五住, 臼井支朗 (兵庫県立大学)
医学・生理学,生物学分野における文献データベースとしては,NLM(米国国立 医学図書館)で構築されたMEDLINEが広く利用されており,ここに登録されてい る情報はPubMedサイトからインターネットを介して無料で利用することができ る.本研究では,PHPをベースとしたCMS:XOOPSを基本ツールとして利用し, PubMedと連携する形で書誌情報の集約,共有ができる機能を提供するモジュー ル:PubMedPDFを開発した.このモジュールを用いることによって, PMID(PubMedにおける文献番号)が付加された文献については,自動的にその詳 細情報を取得し,著者,発行年,掲載雑誌別のインデックスを作成することが できる.本発表では実際の利用状況をデモンストレーションにより紹介する.
キーワード: バイオインフォマティクス, 科学DB, Webとインターネット, CMS ニューロインフォマティクス XOOPS
3D-d2: CMSに基づく汎用データベースシステムとその活用
西岡拓人, 鉢田卓也, 池野英利 (兵庫県立大学)
様々な研究分野において日々蓄積されている膨大な研究リソースを共有化し, 統合的に管理・利用できる環境は, 過去の研究成果の活用や新たな研究テーマ の創出の上で極めて有効なことである. このことから, 研究室から国家レベル にいたる様々な規模での研究リソースの共有が進んでいる. 一方,XOOPSをは じめとするCMSは,WWWポータルサイトの効率の良い構築,運用技術として広く 利用されてきている.本研究では, XOOPSを基本システムとして,研究室にお ける実験データをはじめとする各種リソースの管理・共有環境を実現するため の汎用データベースモジュールを開発した. 本発表では,開発したシステムの 利用方法と活用事例をデモンストレーションにより紹介する.
キーワード: バイオインフォマティクス, ユーザインタフェース, 情報統合, CMS ニューロインフォマティクス XOOPS
3D-d3: 分散協調作業のための木構造データの並行制御方式
中島一郎, 大本英徹(京都産業大学)
ネットワークを介した協調作業において,多くの場合,その共有単位はファイ ルであるが,ファイル単位の情報共有では,同一の編集対象に対して個々の利 用者がその編集作業を同時並行的に進めることは極めて難しい.本研究では, ネットワーク上での協調作業環境の基盤を整備すべく、XML文書に代表される ツリー構造データを共有し、そのツリー構造に対し複数のユーザが同時に編集 を行える枠組みの構築を目指している。部分木に対し「部分木専有ロック」 「状態共有ロック」「存在確保ロック」の3種類の階層に分かれたロック方式 を提案し、その中から「状態共有ロック」「存在確保ロック」の二つを実装し た複数でのXMLデータ共同編集機能をもつサーバの開発を行い,加えて.これ によるネットワーク分散協調編集機能を実証するためのサンプルとして,XML 形式の文書構造をもつ図形データを生成・編集する簡単な作図アプリケーショ ンの開発を行った。
キーワード: 並行制御とリカバリ, XML, ワークフロー, 分散協調作業
3D-d4: マルチファセットブログ記事検索システム「BlogRanger」
戸田浩之, 井上孝史, 廣嶋伸章, 杉崎正之, 栗島聡哉, 藤村考,片岡良治 (NTTサイバーソリューション研究所)
ブログにより配信される情報には,最新の話題や特定の人だけが興味を持つニッ チな情報,商品・サービスの評判等の「個人の生の声」等,他のメディアでは 得られない情報が多く含まれ,ブログから所望の情報を取得したいというニー ズは高まっている. ブログ記事を対象とした検索システムも多く存在するが, その多くは,キーワード検索の結果を投稿日時順等で単純にランキングしたも のであり,多様な情報が頻繁に更新されるブログを対象とした場合,ユーザが 所望の情報を容易に取得するには十分ではない. そこで,今回のデモでは, キーワード検索による検索結果をリストとして表示するだけでなく,検索結果 をダイナミックに分析し,検索結果中の特徴を検索結果とともにユーザにフィー ドバックするブログ記事検索システム「BlogRanger」を提案する.本システム では検索結果とともに,検索結果中の主要な話題や,注目のブロガー等を提示 し,ユーザの検索を支援する.
キーワード: 情報検索, Webとインターネット, テキストDB, ブログ
セッション 4D 【デモンストレーション】: 3/3 8:30-10:00, コアタイム10:00-10:40
4D-d1: 携帯電話上のJavaアプリケーションによる出席管理システム
鈴木優, 大本英徹 (京都産業大学)
携帯電話におけるQRコード処理機能を活用した講義出席管理システムを作成し た.本システムでは,各講義と教室座席位置,それぞれを識別する2つのQRコー ドを各受講生の携帯電話端末に配布するJavaアプリケーションで読み取り,そ の情報をhttp通信することで,煩雑になりがちな受講生出席管理の労力を大幅 に削減することを目標としている.携帯端末からのデータ送信に際しては,QR コード情報に加えて,固体識別番号も送信されるため,他者による代返行為を 相当に防ぐことができる.また,担当教員が容易に出席情報の確認できるよう, システムには管理用Webインターフェイスが備えられており,各受講生の出席 履歴のみならず各講義のリアルタイム出席状況まで視覚的かつ直観的に把握出 来るようにしている.本システムの特色は,携帯電話を情報端末として活用す ることにより,システム配備に関わるコストを大幅に削減出来る点にある.
キーワード:モバイルDB, ユビキタスコンピューティング, Webとインターネット, 携帯電話 Java QRコード
4D-d2: WWWのリンク切れで困っていませんか?- The WISH Project -
飯田 敏成, 澤 菜津美, 森嶋 厚行, 杉本 重雄, 北川 博之 (筑波大学)
近年,メディアとしてのWebの重要性が高くなるにつれ,Webアーキテクチャや コンテンツに対する信頼性が問われるようになってきている.我々は,そのよ うな観点から重要な問題の一つである,Webのリンク切れの問題に取り組んで いる.具体的には,Webページの移動に伴って発生したリンク切れを発見する と,そのリンクの修正候補を自動的に探し出すシステムの研究開発を行ってい る.現在,開発したプロトタイプシステムを用いて公開実験を実施している. この公開実験では,一般の利用者にWebページを登録してもらい,そのページ に含まれるリンクをシステムによって監視する.リンク切れの際にはリンクの 修正候補を利用者に提示し,この結果に対するフィードバックを利用者に提供 してもらう.フィードバックによって得られたデータは,システム性能の向上 に利用する.本発表では,公開実験システムのデモンストレーションを行い, これまでに得られた実験結果についても説明する.
キーワード:Webとインターネット, 情報検索, メタデータの管理, WWW, リンク切れ
4D-d3: パーソナライズ機能を有した個人端末における情報検索システムの提案
川前徳章, 武井英明 (NTT)
本システムでは情報検索において個人の端末とその内部にあるファイル 及びデータが検索の中心になることに着目し、そこでの検索がユーザにとって 使いやすいものにすることを目的とする。そのためにパーソナライズ機能を持た せたシステムを提案する。更にそれをシステムとして実装することで有効性を 検証する。我々は現在の端末における検索システムの問題点として、検索の 対象を同一構造をもつファイルやデータを前提にしていること、また検索機能は 重要でありながらアプリケーション依存であることと考えた。そこで我々はファイル やデータの共通構造として、作者、タイトル、日付、内容、メタタグ、本文、履歴を 用い、検索機能のパーソナライズの実現を行った。この機能はユーザのデータ から自動的に学習し生成するものである。デモにおいては提案するシステムが 異種のデータに対してこれらの検索機能の効果を実際に触れてもらうことで 確かめてもらう予定である。
キーワード:情報検索, 知識処理, ユーザインタフェース, パーソナライズ, 個人情報, フィルタリング, ランキング