開発物語
MRIにおける胆管膵管撮像法(MRCP)の開発

開発物語

MRIにおける胆管膵管撮像法(MRCP)の開発

キヤノンメディカルシステムズ 
葛西由守 Yoshimori Kassai

キヤノンメディカルシステムズ 
岡本和也 Kazuya Okamoto

1.MRIとは—MRIって何ができる?

医用画像診断装置でMRI(Magnetic Resonance Imaging)と言えば知っている方も多いだろう.これを読んでいる読者の中にも「病院で撮ってもらったことがある」という方もいるに違いない.MRI装置本体は磁気及び電磁波シールドされた撮影室に設置され,装置の制御ユニットや電源が置かれる機械室や操作卓(コンソール)のある操作室が周りに配置される(図1).MRIでは人体の水素原子核に対して3種類の磁界を使って(核)磁気共鳴現象を起こしてその信号を観測する.円筒状の磁石の内側に傾斜磁界を発生する傾斜磁界コイル,高周波磁界を発生する高周波コイルが配置される.これらのユニットは,操作卓からの入力に従い,制御装置により制御される駆動装置により動作する.受信用の高周波コイルで受信された信号は,データ処理装置に送られ画像が生成される(図2).一つ目の磁界は静磁界といって時間的に変化しない磁界で,永久磁石や超伝導磁石が用いられる.二つ目は傾斜磁界と言い空間的に線形な磁界を発生するもので,撮影時には静磁界中でこれをオンオフする.MRIで大きな騒音を発生するのはこのためである.三つ目が高周波の磁界で,磁界の強度に比例した数MHzから100 MHz以上のパルス状の高周波(電波)が用いられ,水素原子からの磁気共鳴信号を発生させる.水素原子を含む水と脂肪が主な観察対象である.

人体の約60%は水でできているが,水はいろいろな状態で人体に存在している.水道水のようにサラサラとした状態のものから,少しドロッとした状………

図1 MRI装置の外観写真(左)及び据付けられたMRI装置の周辺図(右)

図1 MRI装置の外観写真(左)及び据付けられたMRI装置の周辺図(右)

図2 MRI装置の構成例

図2 MRI装置の構成例
MRI装置,キヤノングローバル(global.canon)から