巻頭言
近年,AI(Artificial Intelligence)やSNS(Social Networking Service)は,その技術や内容が,様々なところで話題となっています.
AIについては,大規模言語モデルを利用することで,まるで人間のように対話可能なアプリケーションが登場し,大きな話題となりました.また,深層生成モデルにより,本物と見間違うような映像が生成可能になり,人々を驚かせました.これら以外にも,AIは多岐にわたり利用され,我々の興味をかき立てます.
SNSについては,サービスを利用することで,誰でも世界各国の様々な人々と文字や映像を通した交流が可能になりました.これまでマスメディアからの情報を受信するだけだった人が,SNSによって,誰でも情報の発信者へと変われるようになりました.また,これまで双方向あるいは特定の範囲に閉じた情報の伝達が,SNS上では,情報の発信者が予想できない範囲まで広がるようになりました.SNSが我々のコミュニケーションへ与えた影響は大きく,SNSの登場以前と比べて,コミュニケーションの形態そのものが新しくなったとさえ感じます.
AIとSNSは,我々の生活を大きく変えただけでなく,今後の生活を新しいものにしていくことが予想されます.
これらのアプリケーションやサービスは,気軽に利用可能なものが多い一方で,用いられている技術は奥深く,全てを理解することは困難です.そして,日夜研究開発が進められ,新しい技術が次々に登場しています.そのため,初学者が深く理解したいと考えても,様々な文献や資料を読み解く必要があり,学習の大きな負担となっていました.AIとSNSは,それぞれ非常に注目を集めています.そのため,良い点だけでなく,AIを利用したアプリケーションが普及するに当たって生じた問題や,SNS上でインターネットリテラシーの低い利用者が起こす問題など,様々な点が現在も議論されています.AIとSNSはすばらしい点が多くある一方で,その技術や利用について,理解の難しい点があります.そこで,我々の生活に大きな影響を与えるAIとSNSについて,分かりやすく網羅的な解説があれば初学者の方にも大いに参考になるだろうと考えています.
このような背景から,本小特集と次回の小特集では,2号続けて「AI/SNS」の技術と利用について扱っていきます.本小特集では,AIとSNSの技術的な観点で,各分野の専門家に解説して頂きました.いずれも各分野の造詣が深い方々の解説ですので,初学者だけでなく,それ以外の方も新しい知見を得られると考えています.本小特集が,御覧の皆様のAIやSNSへの関心を高めるきっかけになりましたら幸いです.
最後に,本小特集の発行に当たり,御執筆頂いた皆様,査読や校閲に御協力頂いた皆様,編集作業に御協力頂いた皆様へ感謝申し上げます.
小特集編集チーム
中村光貴,伊藤敬義,小南大智,竹村暢康,中野雄介,松本和人