開発物語
エコキュート開発物語

開発物語

エコキュート開発物語

電力中央研究所 
齋川路之 Michiyuki Saikawa

1.エコキュートとは?

家庭用自然冷媒(CO2 )ヒートポンプ給湯機,愛称“エコキュート”が2001年5月に商品化されて早20年以上が経過した.図1にエコキュートの年間出荷台数の経緯を示す (1).発売以降,省エネ・環境問題への意識やオール電化住宅への関心の高まり,メーカの市場参入などにより,順調に出荷台数を伸ばし,2010年度には約57万台出荷された.2011年の東日本大震災以降,出荷台数が減少・低迷したが,ここ数年は,地球温暖化防止,太陽光発電など再生可能エネルギー活用などの観点から再び注目され,出荷台数は増加し,2022年度には約70万台出荷された.累積で見ると,2022年度末までで877万台となっており,2024年度末には累積で1,000万台を突破する勢いである.

肝心のエコキュートの原理を説明しておこう.図2にエコキュートの仕組みを示す.ヒートポンプの原理を使って空気から熱を集めて温度を上げ,水を加熱してタンクにためておき,必要なときに利用する.ヒートポンプの中を流れ,熱を移動させる物質を「冷媒」と呼んでおり,エコキュートの場合はCO2 が使われている.原理は,私たちが家庭で使っているエアコンと同じである.ただし,エアコンではフロンの一種であるHFC(ハイドロフルオロカーボン)32が主に使われている.

さて,電力中央研究所(電中研)では,エコキュートを開発する以前に,給湯ヒートポンプの研………

図1 エコキュートの年間出荷台数

図1 エコキュートの年間出荷台数