巻頭言

小特集 Special Issue

小特集発行にあたって

小特集 Special Issue

編集チームリーダ 内田大輔Daisuke Uchida

便利な世の中を支える知られざる標準化の裏側

標準化と聞くとやや堅苦しいイメージを思い浮かべるかもしれません.あるいは,余りなじみがないワードかもしれません.普段余り意識していないのですが,標準化は,実は私たちの生活に関わりの深いものです.例えば多くの方がスマートフォンを使用していると思います.スマートフォンはいつでもどこでも使えて便利です.このスマートフォンは近くの基地局とつながることによって使えます.仮に,その通信が標準化されていなかったら,あなたが持っているスマートフォンは家の近くでは使えますが,勤務先や通学先では使えません,なんてことになってしまうかもしれません.このように,標準化の結果,いろいろなものがスムーズにつながり,サービスが普及し,私たちの世界は便利になっているのです.私たちはこの結果を享受しているわけですが,その裏側には秘められたストーリーがあります.どのように決めたのか,どのような苦悩があったのか,なぜそのような決まりになったのか,そんなドラマを知りたくないでしょうか.技術者の方も,仕様書で決定事項を把握することはあっても,その経緯まで知っている方は少ないのではないでしょうか.

本小特集では,こうした背景の下,各専門家の方々に標準化の裏側について解説頂きました.初めに,標準化に余りなじみのない方々でも理解しやすいよう,「そもそも標準化とは何か」や標準化が行われているミーティングに関して分かりやすく解説頂きます.その後,携帯電話(セルラシステム)や無線LAN,Bluetooth®といった具体的な標準化を例に,その裏側について解説頂きます.そして,無線給電に関して,標準化と関連付けて実用に向けた法制化の裏側を解説頂きます.なお,本小特集は「子どもに教えたい通信のしくみ」,「技術と制度のおはなし」と連動企画になっており,双方を読むことで,より理解が深まると思います.編集チームとしては,読者の方々が記事を読んで興味を抱き,場合によっては自らが標準化活動に参加するような,「つなぎ」になっていければと考えております.各執筆者の方々には,今後標準化に携わる方へ向けたメッセージも記載頂いています.

最後に,本小特集の発行に当たり,御執筆の皆様,編集委員の皆様,査読,校閲に御協力頂いた皆様に感謝申し上げます.

Special Issue

小特集編集チーム
内田大輔,磯﨑裕臣,伊藤暢彦,小南大智,
沢田健介, 関 裕太,松本和人,山ヶ城尚志,山本 嶺