子どもに教えたい通信のしくみ 
生成AIのこれまでの変遷と展望

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生成AIのこれまでの変遷と展望

山梨大学 西崎博光
Hiromitsu Nishizaki

1. 生成AIとは?

最近,生成AIという言葉をよく耳にするようになりました.生成AIとは,コンピュータが新しいデータ(画像や音楽,テキスト等)を自動的に作り出す技術のことを言います.AIは人工知能(Artificial Intelli­gence)の頭文字を取ったもので,人間の知能を模倣するコンピュータのことです.人間のように,見たり聞いたりして学習したり問題を解決したりする能力をコンピュータに持たせるための技術(これを「機械学習」と呼びます.)が,今,活発に研究開発されています.このAIの中核を担っている技術が「ディープラーニング」と呼ばれている新しい学習方法です.今のほとんどの生成AIではディープラーニングが活用されています.

ディープラーニングは「ニューラルネットワーク」と呼ばれる人間の脳の仕組みからヒントを得た計算グラフを多層に重ねたモデル*を使って,大量のデータから入力データの特徴やパターンを学習する技術です(図1).特徴やパターンを捉えることができるということは,データの認識や分類はもちろんのこと(図1(a)),その逆である特徴を持ったデータを生成することもできるようになります(図1(b)).これが「生成AI」です.具体的な例として,特定の画像の特徴を入力すれば,それに関連する新しい画像を生成する,といったことができます.

図1 認識と生成のためのニューラルネットワーク

図1 認識と生成のためのニューラルネットワーク

*モデル:機械学習においてデータから特徴やパターンを学習するための数学的な枠組みやアルゴリズムのことを言います.ニューラルネットワークには,幾つかの種類がありますが,シンプルなネットワークはノードとそれをつなぐエッジから構成されており,エッジは重み係数を持っています.ノードには数値が保存されていて,重み係数を乗じながら値が出力側に伝搬していきます.