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【続編】Raspberry Pi とSCRATCH でロボットを動かそう(2) ロボット組立編

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【続編】Raspberry Pi とSCRATCH でロボットを動かそう(2) ロボット組立編

慶應義塾大学 眞田幸俊 Yukitoshi Sanada

1. はじめに

本記事ではRaspberry Pi という小形コンピュータとScratch というプログラミング環境を使ってロボットに搭載されたモータを制御し,自由に動かす方法を学ぶ.(1)セットアップ編(前号に掲載)ではRaspberry PiにOS をインストールする方法を学んだ.今回はロボットの組立とモータ駆動回路について学ぶ.図1 は今回製作するロボットの完成形である.組立に際し用意した部品は以下のとおりである.

・Raspberry Pi(1 個):

Zero 2W モデルに専用ピンヘッダ(GPIO 端子に取り付ける金属ピンのこと)をはんだ付けするか,ピンヘッダが付いているZero WH モデルのどちらか

・ロボット(1 個):

No.232 チェーンプログラムロボット工作セット(TAMIYA)

・USB ケーブル(30 ㎝くらい,2.4 A,2 本):

USB microB-USB Type A ケーブル(100 円ショップ)

・USB microB-DIP 5 ピン変換基板(1 枚):

電源用マイクロUSB コネクタDIP 化キット(秋月電子通商)

・USB 変換コネクタ(1 個):

Type-C オス-Type-A メス変換コネクタ(100 円ショップ)

・モバイルバッテリー(USB Type-A 出力,USBType-C 出力,出力2.5 A 程度,200 g 以下,1 個):

DE-C37-5000WH(エレコム)

・モータドライバIC(2 セット):

東芝 TB67H450FNG 搭載ピッチ変換基板(スイッチサイエンス)

・オスピンヘッダ(1 本):

オスヘッダ直角 単列 40 ピン(uxcell)

・ブレッドボード(1 枚):

SAD-101(サンハヤト)

・抵抗(計6 本):

10 k Ω× 2,3.3 k Ω× 2,0.47 Ω× 2(uxcell)

・短いジャンプワイヤ(1 セット):

ジャンプワイヤキット SKS-100(サンハヤト)

・長いジャンプワイヤ(1 セット):

多色ワイヤELEGOO 120 pcs(デュポン)

・ハウジングピンコネクタターミナル(100 ピン):

2.54 mm デュポンジャンパ線ケーブルハウジングピンコネクタターミナル オス(KKHMF)

・輪ゴム(3 本):

オーバンド #270(オーバンド)

2. ロボットの組立

(1)ロボットについて

組み立てるロボットは「No.232 チェーンプログラムロボット工作セット」である.全部を組み立てるのではなく,図1 のようにモータとギア及び実験に必要な最低限のきょう体を組み立てる.………

図1 組み立てるロボットとその完成形

図1 組み立てるロボットとその完成形