街plus探訪
晴れの国「岡山」の魅力

晴れの国「岡山」の魅力

岡山大学 冨里 繁 Shigeru Tomisato

はじめに

岡山は兵庫県と広島県の間に位置する瀬戸内海に面した県です.筆者は岡山市に移り住んで19 年になりますが,実際に暮らして知った岡山の街の魅力について,歴史や食の観点から紹介します.

基本情報

岡山県の位置は図1 の地図に示すように,大阪府や兵庫県の西側,広島県の東側に位置しており,新幹線を使えば大阪からは45 分,広島からは35 分程度で来ることができます.また,香川県とは瀬戸大橋でつながっていて,中四国地方の交通の要衝となっています.

岡山県の県庁所在地である岡山市は全国18 番目の政令指定都市で,人口は約72 万人です.岡山市は雨が少なく,都道府県庁所在地の「降水量1mm 未満の年間日数」について,過去30 年間の平均値が全国で最も多いそうです(1).このことから,岡山県は「晴れの国おかやま」と呼ばれています.実際に住んでみても雨が少なく温暖な気候です.「晴れの国」で雨が少ないところですが,一級河川の旭川と吉井川が流れていることから水は豊かで,古くから農作物がよく育つ地域として知られています.

図1 岡山の位置関係(国土地理院地図 電子国土web を加工して作成)

図1 岡山の位置関係
(国土地理院地図 電子国土web を加工して作成)

伝説と歴史

3. 1 古代

古代,この地方には吉備国があり,その勢力は現在の岡山県全域と広島県東部,及び兵庫県西部まで及んでいたようです.当時は畿内や出雲国と並ぶ勢力を持っていたと言われており,岡山市とその周辺には巨大な古墳が残されています.吉備国はその後,備前国,備中国,備後国,美作国に分割されて,このうちの備前,備中,美作が現在の岡山県のエリアになっています.

吉備と呼ばれた岡山には鬼退治の伝説が残されています.古代の吉備には「温羅」という鬼がいて,大和の王の命を受けた吉備津彦命がこの温羅を退治すると………

図2 岡山駅前の桃太郎像

図2 岡山駅前の桃太郎像