講演名 2016-07-23
語彙判断における2種類の頻度効果の検討
神長 伸幸(早大), 藤倉 将平(早大),
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抄録(和) 文字単語認知過程は,親密度,具象性,文字や音韻の長さなどの影響を受けることが指摘されている.本研究は,単語の出現頻度に関する2種類の指標(単語の頻度(tf)と逆文書頻度(idf))が語彙判断過程に及ぼす影響を検討した.単語の頻度は,特定の文書に出現する回数,逆文書頻度は,検索範囲全体における単語出現頻度である.これを組み合わせたtf-idfという指標は,特定の文書での出現頻度が高いほど,また,他の文書における出現頻度が低いほど,高い値が得られるように定義されている.よって,ある単語が特定の話題で用いられる際の重要性を示す指標と考えられる.このような2種類の頻度の指標は,どちらも単語の認知過程に影響する可能性があるため,大学生11名を対象とする語彙判断課題を実施した.刺激単語は,日本版ウィキペディアから選ばれた.文字および音韻の長さ,単語親密度を統制した上で,単語の頻度(電車,旅行,料理,音楽,スポーツの5つの項目における頻度から計算)の高低と逆文書頻度(ウィキペディア全体における頻度から計算)の高低を組み合わせた4条件を作成した.語彙判断に要する時間を2要因分散分析で解析した結果,逆文書頻度の効果が有意であり,逆文書頻度が低い項目は高い項目と比較して反応時間が短かった.一方,単語の頻度や2つの要因の交互作用は有意でなかった.つまり,ウィキペディア全体での出現頻度が高い項目は,語彙判断が容易だが,特定の話題における出現頻度は,語彙判断の効率に影響しないと考えられる.ただし,選定した話題に関する読書経験には個人差があると考えられるので,趣味等の個人差の影響を合わせた再検討の必要性が考えられる.
抄録(英)
キーワード(和) 単語認知 / 頻度効果 / tf-idf
キーワード(英)
資料番号 TL2016-21
発行日 2016-07-16 (TL)

研究会情報
研究会 TL
開催期間 2016/7/23(から2日開催)
開催地(和) 早稲田大学西早稲田キャンパス
開催地(英) Waseda Univ. (Nishi-Waseda Campus)
テーマ(和) 人間の言語処理と学習
テーマ(英) Human Language Processing and Learning
委員長氏名(和) 鈴木 雅実(KDDI研)
委員長氏名(英) Masami Suzuki(KDDI R&D Labs.)
副委員長氏名(和) 久保村 千明(山野美容芸術短大)
副委員長氏名(英) Chiaki Kubomura(Yamano College of Aesthetics)
幹事氏名(和) 富田 英司(愛媛大) / 森下 美和(神戸学院大)
幹事氏名(英) Eiji Tomida(Ehime Univ.) / Miwa Morishita(Kobe Gakuin Univ.)
幹事補佐氏名(和) 坪田 康(京大) / 神長 伸幸(早大)
幹事補佐氏名(英) Yasushi Tsubota(Kyoto Univ.) / Nobuyuki Jincho(Waseda Univ.)

講演論文情報詳細
申込み研究会 Technical Committee on Thought and Language
本文の言語 JPN
タイトル(和) 語彙判断における2種類の頻度効果の検討
サブタイトル(和)
タイトル(英) Importance of word frequencies in visual word recognition
サブタイトル(和)
キーワード(1)(和/英) 単語認知
キーワード(2)(和/英) 頻度効果
キーワード(3)(和/英) tf-idf
第 1 著者 氏名(和/英) 神長 伸幸 / Nobuyuki Jincho
第 1 著者 所属(和/英) 早稲田大学(略称:早大)
Waseda University(略称:Waseda Univ.)
第 2 著者 氏名(和/英) 藤倉 将平 / Shohei Fujikura
第 2 著者 所属(和/英) 早稲田大学(略称:早大)
Waseda University(略称:Waseda Univ.)
発表年月日 2016-07-23
資料番号 TL2016-21
巻番号(vol) vol.116
号番号(no) TL-159
ページ範囲 pp.49-52(TL),
ページ数 4
発行日 2016-07-16 (TL)