大会名称 |
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2004年 情報科学技術フォーラム(FIT) |
大会コ-ド |
F |
開催年 |
2004 |
発行日 |
2004/8/20 |
セッション番号 |
16 |
セッション名 |
FIT賢人会議:情報学のセントラルドグマ |
講演日 |
2004/9/8 |
講演場所(会議室等) |
第3サブメイン会場 |
講演番号 |
P-2 |
タイトル |
コンピュータ科学における芥川賞と直木賞 |
著者名 |
萩谷 昌巳, |
キーワード |
抄録 |
実際の学問の現場においては,分析的学問と構成的学問が明確に区別されているわけではなく,両者は重層して現れる.ここでは,前者を小説を通して人間性の本質を究めようとする芥川賞的純文学と対応させ,後者を物語性を重視する直木賞的大衆文学と対応させながら,コンピュータ科学における分析的学問と構成的学問について議論する.コンピュータ科学における両者の特徴は,分析的学問が構成的学問の基盤として先行することは稀であり,構成的学問の成果に対する分析的態度として現れることの方がはるかに多い点にある.この点において,構成的学問の方がコンピュータ科学の王道と言うことができる.しかし,研究者は得てして芥川賞を目指す.芥川賞の方が評価が明確であり後世に残り易いからである.もちろん,構成的学問の基盤となる重要な研究は評価されてしかるべきであるが,直木賞的研究を的確に評価し支援する仕組みを整えることがより重要であると考えられる. |