講演抄録/キーワード |
講演名 |
2021-03-01 16:15
[招待講演]ブリルアン散乱に基づく分布型光ファイバセンサの高性能化 ○水野洋輔(横浜国大)・野田康平(東工大/横浜国大)・李 ひよん(芝浦工大)・中村健太郎(東工大) PN2020-47 |
抄録 |
(和) |
光ファイバに沿った任意の位置で歪や温度を測定できるセンサを「分布型光ファイバセンサ」と呼ぶ。ビルの内壁やトンネル、ダム、橋梁、飛行機の翼や風車の羽根など、種々の構造物に埋め込むことで、それらの地震による損傷や経年劣化などを監視することができると期待されており、世界中で精力的に研究がなされている。歪・温度計測の原理としては、光ファイバ中のブリルアン散乱に伴う周波数シフトが歪や温度に依存する性質を利用することが多い。歪や温度の位置情報は、光パルスを入射して反射光が届く時間差から位置を分解する時間領域法が一般的である。一方、我々はこれまでに、連続光の相関を制御することで位置分解を行う相関領域法「ブリルアン光相関領域反射計」(BOCDR)を提案した。この手法は、片端光入射での動作、高空間分解能、ランダムアクセス可能、低コスト、などの利点を併せ持つ。提案当初、BOCDRのサンプリングレートの最高値は19 Hzであり、リアルタイムでの分布測定は困難であった。この問題を解決すべく、我々は散乱スペクトルの形状解析に基づく高速システム「位相検波BOCDR」と「傾斜利用BOCDR」をそれぞれ提案し、最高で100 kHzという世界最高のサンプリングレートを達成した。本稿では、これらの高速BOCDRの概要のほか、これらの欠点(歪ダイナミックレンジが制限される)を克服した最新の成果についても紹介する。 |
(英) |
We review fiber-optic distributed Brillouin sensing technology, focusing on Brillouin optical correlation-domain reflectometry (BOCDR). After describing the principles of standard BOCDR, we present two configurations for its high-speed operation, referred to as phase-detected BOCDR and slope-assisted BOCDR. We also present a recently developed technique for mitigating their drawbacks (i.e., limited strain dynamic range). |
キーワード |
(和) |
光ファイバセンシング / ブリルアン光相関領域反射計(BOCDR) / 分布計測 / 高速測定 / 歪センサ / 温度センサ / スマートストラクチャ / 非線形光学 |
(英) |
optical fiber sensing / Brillouin optical correlation-domain reflectometry (BOCDR) / distributed sensing / high-speed measurement / strain sensors / temperature sensors / smart structures / nonlinear optics |
文献情報 |
信学技報, vol. 120, no. 388, PN2020-47, pp. 30-37, 2021年3月. |
資料番号 |
PN2020-47 |
発行日 |
2021-02-22 (PN) |
ISSN |
Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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PN2020-47 |