講演抄録/キーワード |
講演名 |
2020-01-26 10:30
対話行為を表す機能語の獲得 ~ 自動的な処理と意識的な処理を統合したモデルの構築 ~ ○松島 茜・岡 夏樹・深田 智(京都工繊大)・吉村優子(金沢大)・川原功司(名古屋外国語大) HCS2019-70 |
抄録 |
(和) |
相手の発話の対話行為(質問,依頼,申し出,陳述のような発語内行為のレベルでの発話意図)を推測できることは,意図共有の第一歩として重要であるが,このレベルの発話意図の識別には機能語が有用である(O’Shea, Bandar, & Crockett, 2012).我々は,人の情報処理の特徴を自動的な処理と意識的な処理から成ることであると考え,両者を統合したモデルを構築することにより発話意図を表す機能語の獲得のメカニズムを構成的に理解することを目指している.Matsushima, Oka, Fukada, & Tanaka (2019)は,自動的な処理(強化学習)と意識的な処理(ベイズ推論)を組み合わせたモデルを構築した.しかしこのモデルはある程度発達した後の状態を研究者が設計して実装したものであり,終助詞の獲得段階の子どものモデルにはなっていない.本論文では終助詞の獲得段階の子どもの発達のモデル化に向けて,ミラーニューロンシステム(MNS)や心の理論(ToM)についての認知科学・脳科学分野での知見を参照しつつ,ToMを構成する概念(自己・他者それぞれの知覚・欲求等とその内容)の獲得とそれへの記号接地過程のモデル化を試みる構想を記す.より具体的には,次のような記号接地を構想している.「リンゴ」や「おいしい」を自己の知覚表象に接地し,MNSの働きにより他者の知覚表象にも接地する.「ね」は(より原初的な欲求の接地に基づき)『自他の知覚表象が一致していることを確認したいという欲求』に接地する.さらに,ToMを構成する概念への記号接地の進行に応じて複雑化する意識的な処理のモデル化を検討する. |
(英) |
(Not available yet) |
キーワード |
(和) |
言語獲得 / 対話行為 / 強化学習 / ベイズ推論 / 終助詞 / 心の理論 / ミラーニューロンシステム / |
(英) |
Dialogue act / Sentence-final particles / Reinforcement learning / Explicit/implicit theory of mind / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 119, no. 394, HCS2019-70, pp. 93-98, 2020年1月. |
資料番号 |
HCS2019-70 |
発行日 |
2020-01-18 (HCS) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
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HCS2019-70 |