| 講演抄録／キーワード |
| 講演名 |
2018-11-26 12:10
エンタングルメントを起源とするprethermalization
○上西慧理子（慶大）・森 貴司（理研）・池田達彦（東大）・上田正仁（東大/理研） |
| 抄録 |
（和） |
冷却原子系において非平衡状態から熱平衡状態への緩和現象が実験で観測され、理論・実験の両方から緩和過程の理解が進んでいる。可積分に近い系では、熱平衡状態への緩和より短い時間スケールで準定常状態へ緩和する前期熱平衡化現象が知られている。我々は、一次元ボース気体の緩和過程についての最近の実験を、Lieb-Liniger模型の量子クエンチの問題として理論的に定式化した。量子クエンチ後の時間発展をベーテ仮説法によって厳密に計算した結果、従来の準定常状態への緩和とは異なる新しいタイプの緩和現象を発見した。さらに、この緩和現象がエンタングルメント保存によって引き起こされるという新たな機構を明らかにした。従来の前期熱平衡化現象は「局所的な保存量」の存在によって引き起こされると考えられていたが、我々が発見した前期熱平衡化現象はエンタングルメントという非局所性が現れるという点で新しい。その証拠として、この現象が部分系間のエンタングルメントを表す密度行列の非対角要素から生じることを計算によって示した。 |
| （英） |
A well-isolated system often shows relaxation to a quasi-stationary state before reaching thermal equilibrium.
Such a prethermalization has a attracted considerable interest recently in association with closely related fundamental problems of relaxation and thermalization of isolated quantum systems.
Motivated by the recent experiment in ultracold atoms, we study the dynamics of a one-dimensional Bose gas which is split into two subsystems, and find that individual subsystems relax to Gibbs states, yet the entire system does not due to quantum entanglement.
In view of recent experimental realization on a small well-defined number of ultracold atoms, our prediction based on exact few-body calculations is amenable to experimental test. |
| キーワード |
（和） |
エンタングルメント / 熱平衡化 / 孤立量子系 / 可積分系 / / / / |
| （英） |
entanglement / thermalization / isolated quantum systems / integrable systems / / / / |
| 文献情報 |
信学技報 |
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