講演抄録/キーワード |
講演名 |
2016-12-20 15:10
[ポスター講演]基本周波数パターンと音韻特徴量系列の同時生成モデルによる韻律指令列推定 ○佐藤遼太郎(東大)・亀岡弘和・柏野邦夫(NTT) SP2016-56 |
抄録 |
(和) |
基本周波数($F_0$)パターンの物理的な生成過程を記述した藤崎モデルのパラメータであるフレーズ・アクセント指令は音声の韻律的特徴と対応しており,実測の$F_0$パターンからこれらを高速かつ高精度に推定することができれば非言語情報の解析・合成を行う上で有用である。以前我々は,藤崎モデルをベースとし,フレーズ・アクセント指令列の生成プロセスを隠れマルコフモデル(HMM)により表現した$F_0$パターンの確率モデルを提案している。このモデルのポイントは,フレーズ・アクセント指令列の推定をExpectation-Maximization (EM)アルゴリズムを用いたHMMの状態系列推定問題にエレガントに帰着させた点にあるが,推定精度と計算効率の両面で改善の余地が残されていた。藤崎モデルのアクセント指令は音節またはモーラの境界で生起する傾向にあるため,音節やモーラの境界では通常スペクトル特徴量の急激な変化を伴うことから,スペクトル特徴量の変化量を手がかりにすることでアクセント指令の開始時刻と終了時刻の推定を高精度化できる可能性がある。そこで本稿では,スペクトル特徴量系列とフレーズ・アクセント指令列を同時生成するHMMを考えることで,スペクトル特徴量を補助情報として用いながらフレーズ・アクセント指令列推定を行うことができるアルゴリズムを提案する.また,当該アルゴリズムにおいて,状態事後確率計算を最適状態系列推定に置き換えることでフレーズ・アクセント指令列の推定精度を悪化させることなくアルゴリズムを効率化できることを示す.実験の結果,提案法は従来法に比べ推定速度は約16倍,精度は3%程度改善することが確かめられた. |
(英) |
On the basis of the Fujisaki model, we propose a fast algorithm for estimating the model parameters, namely, the timings and magnitudes of the phrase and accent commands. We propose a hard expectation-maximization (EM) algorithm for parameter inference where the E step of the conventional method is replaced with a point estimation procedure to accelerate the estimation process. We also add a generative process of a spectral feature sequence to the generative model to improve the parameter estimation accuracy by using phonological information as an additional clue. The experiments confirmed that the present algorithm was 16 times faster and estimated parameters about 3% more acculately than the conventional algorithm. |
キーワード |
(和) |
音声基本周波数軌跡推定 / 藤崎モデル / 韻律情報処理 / EMアルゴリズム / / / / |
(英) |
voice fundamental frequency contour estimation / Fujisaki model / prosodic information processing / EM algorithm / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 116, no. 378, SP2016-56, pp. 43-48, 2016年12月. |
資料番号 |
SP2016-56 |
発行日 |
2016-12-13 (SP) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
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査読に ついて |
本技術報告は査読を経ていない技術報告であり,推敲を加えられていずれかの場に発表されることがあります. |
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SP2016-56 |