講演抄録/キーワード |
講演名 |
2009-03-03 14:00
エージェント技術に基づく駅構内の群歩行シミュレーション ○佐藤和希・高橋 徹・山田隆志・寺野隆雄(東工大) |
抄録 |
(和) |
都市部などの人が密集する場所で地震やテロなどによる災害が発生したり,特定の場所に人が殺到したりすると甚大な被害が発生する. 人が集まる場所の中では,公共性が高いイベント会場やショッッピングモール,駅などで大きな被害が想定される.緊急時に備えるために,緊急時の建物内での人がどのように避難するかを予測しておく必要がある.
緊急時の避難の様子を予測する方法としてコストがかからず,様々な条件下で避難の分析ができるコンピュータによるシミュレーションがある.本研究では,エージェント・ベース・シミュレーションを用いて避難の様子を表現する.そして建物の破損や火災,煙の影響を考慮し,地下駅での緊急時の人の避難の様子を分析する.そして,避難の際の問題点と改善策について検討することを目的とする.
歩行者は避難時の性格を「緊急避難型」,「逆戻り型」,「追従型」の3つに分類した.避難する空間は実在する駅とした.シミュレーションのシナリオは「出口の破損や火災の発生が無い:基本シナリオ」,「出口の破損がある:出口破損シナリオ」,「火災の発生が有る:火災シナリオ」,「誘導員が存在する:誘導シナリオ」の4つに大別した.基本シナリオや出口破損シナリオでシミュレーションした結果,歩行者の大半が主に避難してくる通路から最も近い出口に避難することが,必ずしも最適な避難行動ではないことが分かった.それは出口が近いことにより,次々と歩行者が到着し滞留が発生するからである.一番近い出口が破損したシナリオや,2番目に近い出口へと誘導するシナリオの結果は,一番近い出口へと避難するより避難時間が短縮された.また,様々な誘導方法を導入した結果,改札や出口付近などの人の流れが制限されるような場所の群集密度をコントロールし,滞留を発生させないようにすることが避難時間の短縮に繋がることが分かった.
これらより,避難時の問題点は歩行者が一箇所集中することによる滞留の発生である.改善策は,近い出口へと誘導するだけではなく,時間や人数ごとに出口を変更するなどの分散避難を促すことである. |
(英) |
This study examines a state of the refuge of the walker of the station yard in the emergency by agent-based simulation. When an earthquake or terrorism occur, in the place where a lot of people such as a station or the shopping mall gather, the serious damage may occur. It must predict a state of the refuge of the person to reduce the damage. As a method to predict a state of the refuge, simulation with the computer is useful. The author makes a walk model and a refuge model to simulate it and performs the simulation that an exit is damaged, and a fire occurs.By this study, the conclusions are following. 1)It is not always the most suitable action to shelter at the nearest exit. 2)It is shortened in refuge time when the walker escape to a to some extent far-off exit. 3)It is important to prevent stay in the neighborhood of wicket and exit. |
キーワード |
(和) |
エージェント・ベース・モデリング / 歩行流 / 緊急時処理 / / / / / |
(英) |
Agent-Based Modeling / Pdestrian flow / Emergency management / / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 108, pp. 81-86, 2009年3月. |
資料番号 |
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発行日 |
2009-02-23 (AI) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 Online edition: ISSN 2432-6380 |
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