講演抄録/キーワード |
講演名 |
2008-11-06 15:45
受動性に基づく確率ポート・ハミルトン系の安定化 ○佐藤訓志・藤本健治(名大) NLP2008-67 |
抄録 |
(和) |
筆者らは,確定システムの分野で提案されているポート・ハミルトン系を,確率ポート・
ハミルトン系として伊藤型確率微分方程式で記述される確率システムへ拡張し,さらにこの系が持
ついくつかの性質を明らかにした.
本論文では,これまでに得られている結果をまとめる.具体的には,
第一に確率ポート・ハミルトン系の構造を保存する座標変換の必要十分条件を示
し,第二に確率ポート・ハミルトン系が確率受動性を有するための必要十分
条件を示す.
第三に,ポート・ハミルトン系の性質を保存する座標変換とフィードバック変換の組である一般化
正準変換を確率システムへ拡張した確率一般化正準変換について述べ,これらの
変換の組が満たすべき条件を与える.
さらに,変換後のシステムが確率ポート・ハミルトン系の構造を保存するだけでなく,確率受動性
を持つための必要十分条件を示す.本論文で述べるこれらの性質は,確定システムにおける結果
を特別な場合として含んでいる.最後に,確率受動性に基づく確率安定化手法を与える.この方法は
制御対象に確率一般化正準変換を施し,確率受動性を持つ新たな確率ポート・ハミルトン系に変換
した後,出力フィードバックにより確率安定化を達成するものである.
非線形確率システムの安定化は一般に困難であるが,提案手法を利用すれば出力フィードバックと
いう非常に簡単な制御器で確率安定化が達成できる. |
(英) |
This paper introduces stochastic port-Hamiltonian systems and clarifies
some of their properties.
Stochastic port-Hamiltonian systems are extension of
port-Hamiltonian systems which are used to express various deterministic
passive systems.
Some properties such as passivity of port-Hamiltonian systems do not
generally hold for the stochastic port-Hamiltonian systems.
Firstly, we show the necessary and sufficient condition to preserve the
stochastic Hamiltonian structure of the original system under
coordinate transformations. Secondly, we derive the condition to
maintain stochastic passivity of the system. Finally, we introduce
stochastic generalized canonical transformations and propose a stabilization
method based on stochastic passivity. |
キーワード |
(和) |
確率ハミルトン系 / 受動性 / 確率安定性 / 非線形確率システム制御 / / / / |
(英) |
Stochastic Hamiltonian systems / Passivity / Stochastic stability / Nonlinear stochastic control / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 108, no. 276, NLP2008-67, pp. 53-57, 2008年11月. |
資料番号 |
NLP2008-67 |
発行日 |
2008-10-30 (NLP) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 Online edition: ISSN 2432-6380 |
著作権に ついて |
技術研究報告に掲載された論文の著作権は電子情報通信学会に帰属します.(許諾番号:10GA0019/12GB0052/13GB0056/17GB0034/18GB0034) |
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