講演抄録/キーワード |
講演名 |
2005-03-18 16:45
バイオメトリクスにおける生体検知と登録失敗 ~ 静脈認証に関する速報 ~ ○松本 勉・鉢蝋拓二・田辺壮宏・森下朋樹・佐藤健二(横浜国大) |
抄録 |
(和) |
静脈認証システムにおける生体検知に関する実験の概要について報告する.手の甲や手のひらや指の「静脈」を照合することによる個人認証方式がある.これを実装したシステムを本稿では「静脈認証システム」と呼ぶことにする.静脈認証システムでは対象とする生体部分(手の甲,手のひら,指)を光により計測している.従って,光で見て生体部分と同じように見える対象物であれば,静脈認証システムに受入れられる可能性があるが,対象物が生体であるかどうかを検知する何らかのメカニズム(生体検知機能)がうまく組み込まれ,うまく働いているならば,そのような対象物は登録も照合もできないことになる.このような点を調べることを目的とすると,実験には次の2段階が考えられる:
第1段階
静脈認証システムに生体でない対象物を提示し,
(A)登録できるかどうか,
(B)登録できた場合,再度提示して照合できるかどうか
について調べる.
第2段階
静脈認証システムに
(C)生体部分を登録し,生体でない対象物で
照合できるかどうか,
(D)生体でない対象物を登録し,生体部分で照合できるかどうか
について調べる.
ここに示した第1段階は,いわば対象物の素材に関する検討であり,第2段階は,第1段階の実験(A)(B)に成功した素材を用いて生体部分を模擬した対象物を作成し,実施することが妥当だと考えられる.
本稿では,第1段階の実験を,誰でも購入できる静脈認証システムについて実施し、ある静脈認証システムに登録・照合ができる生体ではない対象物が存在することを示した(第1段階の実験).今後は,このような結果が得られる原因を解明すること,生体部分を模した対象物の作成可能性について検討すること(第2段階の実験),および,指静脈認証システムに限らず手のひらや手の甲の静脈認証技術について広く検討していくことが,必要となるであろう. |
(英) |
This note makes a quick report on an experiment with respect to the liveness detection for vein pattern based biometric authentication systems. |
キーワード |
(和) |
バイオメトリクス / 生体認証 / 本人確認 / 静脈 / 生体検知 / 情報セキュリティ / 脆弱性 / |
(英) |
Biometrics / Liveness Detection / Failure to Enroll / Vein Pattern / Information Security / Vulnerability / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 104, no. 732, ISEC2004-141, pp. 81-82, 2005年3月. |
資料番号 |
ISEC2004-141 |
発行日 |
2005-03-10 (IT, ISEC, WBS) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 |
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