講演抄録/キーワード |
講演名 |
2004-11-26 13:50
[特別講演]TECで見た電離圏の平均的振舞と嵐 ○丸山 隆(NICT) |
抄録 |
(和) |
電離圏は地上から60‐1000kmの領域で、大気の一部が電離し、自由電子の密度が高いことから電波の伝搬に強い影響を与える。電子密度で決まるプラズマ周波数は最大電子密度高度で数MHzから10数MHzになり、短波帯の電波は全反射される。そのため、HF通信にとって最大電子密度の変動は回線の運用に重要な要素である。HF通信が主要な遠距離通信手段から退くとともに、電離圏の研究は地球科学的な興味だけに移行していった感がある。ところが、近年になってGPSの応用分野が拡大すると、電離圏を透過する電波の遅延が無視できない状況になってきた。端的な例はGPSによる航空管制補助(SBAS: Satellite Based Augmentation System)や仮想基準点方式の測量(VRS: Virtual Reference Station)などである。このような高度なGPS応用では、L帯の電波が電離圏を透過する際に受ける数ナノ秒から数10ナノ秒の遅延が誤差要因となる。そこで、電離圏変動を把握し、誤差要因を取り除く努力がなされている。本稿では、電離圏が如何に変動するか、電波伝搬遅延量と直接関係する電離圏全電子数(TEC: Total Electron Content)について、規則的に繰り返されるパターン(climate)と、突発的な擾乱(storm)について述べる。最初に、このような変動を理解するうえで大事な電離圏の基礎について簡単に述べ、続いて国土地理院のGPS衛星受信機網(GEONET)のデータから求めたTECマップを用いて変動の具体例を挙げる。 |
(英) |
Ionospheric climate and storms derived by a dense GPS receiver network are described. |
キーワード |
(和) |
TEC / GPS / 電離圏嵐 / / / / / |
(英) |
TEC / GPS / ionospheric storm / / / / / |
文献情報 |
信学技報, vol. 104, no. 469, SANE2004-60, pp. 19-24, 2004年11月. |
資料番号 |
SANE2004-60 |
発行日 |
2004-11-19 (SANE) |
ISSN |
Print edition: ISSN 0913-5685 |
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