くの工程を経て、デバイスができます。アイデアが生まれてその原理を確認する初期段
階では、少ない人数で進めることもありますが、加工を専門とする人・会社にお願いし
て作ってもらうこともあります。新しい構造の加工を行う場合には、いままでの装置で
は対応できないことも多くあります。そういう場合は加工装置を製造する会社から必要
な装置を導入するような仕事もでてきます。装置がない場合は、それができそうな技術
のある会社に相談して特別に作ってもらうこともあります。
出来上がったデバイスを評価して、期待通りに動作するかを検証する仕事もありま
す。デバイスが性能を満たすかを確認する大事なところですが、長い時間使い続けて
も壊れないか、品質を確認することも含まれます。研究開発の初めのころでは、期待通
りに動作しないこともよくあることですが、たくさんの評価をしてデータを集めます。そ
してその事実につじつまがあう原因を推理し、仮説を立てます。事件を解決する探偵の
ような気持ちになることもあります。こうした仮説をもとに、立ち戻ってデザインを変え
て、作り直します。これを繰り返して「必要な性能」を達成していきます。こうした問題点
を特定して改善する流れは、ソフトウエアの仕事でも、ハードウエアの仕事でも、同じと
思いますが、半導体で特徴的なのは非常に小さく、材料のわずかな変化で性能が大
きく変わってしまうことでしょう。これは研究開発する際には大きな悩みとなる場合もあ
りますが、少ないエネルギーで大きな変化を起こせる半導体の良いところと裏表の関
係があります。このような微小なところで何が起こっているのかを知るために、光や電
波、電子のビームなどをあててその変化を見るなど、たくさんの方法が開発されてい
て、それを操る専門家の人たちが支えています。
こうして見ていくと、半導体にかかわる仕事には多くの専門家がいてそれぞれの役割
を担当し、チームで仕事をしていく必要があることがわかると思います。早くデバイスを
完成させるためにはそのつながりが重要であり、互いのことをよく知っているとスムー
ズです。たくさんの専門家が知恵を出し合い、今までになかったものを作り上げて、社
会を良く変えるのが私たちの夢です。ジュニア会員の皆さんがこの仕事に興味を持っ
て、将来専門家の一人として参加してくれたら大変うれしいです。
(NTT先端集積デバイス研究所 中島史人)