よく仕事を進めることができるのかに重きが置かれていました。例えば、紙の書類での
やりとりというのはほとんどありませんでした。いろんな申請や処理をする際にはすべ
て電子的にオンラインで完結するようになっています。また、そのオンラインシステムに
ついても常に改善が進められていて、あらゆるものが使いやすかったです。ただし、私
の滞在中に家賃の支払いシステムがアップデートされたことがありましたが、その際に
以前のシステムはバッサリと停止されていました。つまり、移行期間のようなものはあ
りません。使う側(ユーザ)がそれに合わせるのが基本でした。このようなシステム構
築・アップデートはとても大変なもので、トラブルがつきものですが、ユーザのことばか
りを気にしすぎるときりがありません。そういう意味では、いろんな人たちのことを考え
た上で最適な方法なのかもしれないなと思いました。お客様第一の日本では難しいか
もしれませんね。
次に、スウェーデンでの人間関係についてです。スウェーデンでは、年齢・性別に関
係なく、お互いにファーストネームで呼び合うとてもフラットな文化が根付いています。
これは大学においても同様で、教授や学生でも関係ありません。そのため、学生らはと
ても自立しており、自分の研究を主体的に進めていました。もちろん、先生たちから「教
えてもらう」ことも大事ですが、自分自身で主体的に学ぶ姿勢は日本の私たちが学ぶ
べきことかもしれません。「自立」を表す別のエピソードを紹介したいと思います。今回
の滞在中にランチパーティに参加する機会がありました。日本だと主役の人が挨拶を
することがありますが、そのような場面はなく、しかも開始と終了にみんなが揃うことも
ありませんでした。自分が来たい(来られる)時間に来て、帰りたい(帰らないといけな
い)時間に帰る、そして主役を含むみんなで会話を楽しめたらそれでOK、というとても
リラックスした「緩い」雰囲気でした。日本では周りに合わせてしまうことが多く、「もて
なし」に対する考え方もやはり違いますね。
ほかにもスウェーデンでは驚いたことや勉強になったことが多くありましたが、スペー
スの関係でここまでにさせていただきます。海外での長期滞在には、言語も含めて慣
れないこともありますが、日本との違いを楽しみそして学ぶことができます。皆さんも海
外留学のチャンスがあればぜひトライしてみてください。ちなみに、私は高校生のとき
から「海外留学してみたい」と思っていましたが、なかなか実現しませんでした。それで
も、(英語を含む)勉強や研究に一生懸命取り組み続けることで、約10年後に今回の
滞在が実現し、そして充実した時間を過ごすことができました。皆さんもぜひ目の前の
勉強に一生懸命取り組み、少し先の未来につなげてもらえればと思います。
(京都大学 井上昂治)