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皆さん、こんにちは。大阪電気通信大学の木原です。今年は元旦の能登半島地震、2
日の羽田空港 日本航空機炎上事故と連続して大きな災害と事故が発生しました。現
在も災害の救援・救助や事故原因の調査が行われています。災害や事故にあわれた
方が早く安心して生活できるようになることを願っています。日本は災害などのトラブル
が多く発生します。今回のコラムは、トラブルの原因調査や対策について考えます。
私は現在大学の教員をしていますが、その前は通信事業者であるNTTに27年間勤
めました。そのほとんどの期間は、研究所で光ファイバ通信技術の研究開発をしていま
した。途中の4年間は、NTT東日本・技術協力センタで、通信設備の故障に関する原因
調査と対策立案、普及活動の仕事をしました。今回はその時のお話になります。
現在、インターネットの普及で日本全国に光ファイバ通信網が整備されています。ユー
ザは、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器から最初にWi-Fiや5Gなどの無
線でネットワークにつながっていることが多いと思います。ネットワーク内部では、無線
通信から有線である光ファイバ通信へとデータが移され、様々な企業のデータセンター
や学校や公共機関などのサーバにつながっています。毎日、それらの通信設備を通し
て、大量のデータが送受信されています。その通信設備において、発生頻度は非常に
低いですが、ユーザがデータを送受信できない等のトラブルが発生することがありま
す。非常に多くのユーザがサービスを利用できないような大きな通信障害が発生し
場合は、ニュースや新聞で取り扱われます。それ以外に、数は多くありませんが、少人数
のユーザだけがデータを送受信できないなどのトラブルが発生することがあります。
そのようなトラブルが発生した時は、対象の通信設備をすぐに調査・検査し、異常な部
分(装置など)を見つけ出し、正常な装置と交換し、早くデータの送受信ができる元の
状態に復旧します。これが初期対応になります。そして復旧後に、どうして異常が発生し
たのか、またその異常が発生した時に品質がどのように変化し、どの程度の影響がで
るのか、などのトラブルの原因調査を行います。調査解明された原因はさまざまです
が、装置の不具合などのモノに起因するものと設定・施工などの作業に起因するもの
トラブルの原因調査と対策
に大別されます。 トラブルの原因やその影響を解明できたら、そのトラブルを今後繰り
返し発生させないための対策が考えられます。さらに、そのトラブルの原因および対策
を資料にまとめ、それを関係者に周知・普及して情報共有を行います。トラブル発生時
のまずは復旧、その後の原因調査と対策、さらに周知・普及というこの流れは非常に
重要です。これがその後の類似のトラブルを減らすことにつながります。このような取
り組みは、通信事業だけでなく、他業種である電力、鉄道、道路事業や自動車や家電
メーカなどの製造業を含め、多くの企業や組織で行われていると思います。
元旦に発生した地震は、自然災害ですので、その予知や災害を完全に防ぐことは難
しいと思います。ただし、その被害状況や原因を調査し、有効な対策をとることで類似
の被害を減らすことにつながります。一方、2日の羽田空港の事故は人為的災害の可
能性が高いので、事故原因をしっかり調査し、効果的な対策をとれば、類似の事故を
防ぐことができます。今後の事故調査結果と対策の報告を待ちたいと思います。
今回は、お正月に発生した地震や事故に関連して、私自身の業務経験を基に、トラブ
ル発生後の原因調査と対策が重要であることをお話ししました。ジュニア会員の皆さ
んは、今の学生時代もそうですが、これから社会人になってから、自然災害や事故を含
め想定しなかったトラブルに遭遇し、苦しい思いをすることがあるかもしれません。その
時は、自分一人で抱えこまずに、周りの人にも相談して、そのトラブルを乗り越えてもら
いたいです。そして、トラブルの原因調査と対策も重要であることを思い出してもら
ればうれしいです。
(大阪電気通信大学 木原 満)
参考文献
[1] NTT東日本 技術協力センタ編、通信設備のトラブルQ&A 第3版、電気通信協会、東京、
2016.
[2] マシュー・サイド著、有枝春訳、失敗の科学、ディスカバー・トゥエンティワン、東京、2016.