10月に入りそろそろ来年や来年度のことに目を向け始める時期がやってきまし
た.ジュニア会員の最高学年は大学3年生や高専専攻科1年生です.この学年のみ
なさんはそろそろ就職や進学のことを考えている頃かと思います.まだ考えていない
人はまず一歩,この記事を読んで進路のことについて考えてみてください.ジュニア
会員のみなさんは理工系の大学や高専に所属している人が多いと思います.理工
系は他分野に比べて進学率が高いのでなんとなく進学を考えている人も多いので
はないでしょうか? 私個人の意見としてはその「なんとなく」ぐらいの感覚で進学す
るのも大歓迎です.今回はその進学先の選択肢として,大学院大学について紹介し
ます.
大学院大学は通常の大学と違って学部がありません.また,数も一般的な大学と
違ってかなり少なく,国公立だと10校も日本にありません.かくいうこの記事を書い
ている私は,大学院大学の一つの奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)を修了
しています.私が大学院大学に進学した経緯をここで長々と語る気はないのです
が,私が修了した高専専攻科(学部3,4年生に相当)は専攻科以降の過程がない
ので,専攻科生にとっては自然に大学院大学が進学の選択肢に入ってきます.その
ためか,NAISTにも高専出身の人がかなり多くいます.それでも,半数以上は大学
の卒業生で,国公私立を問わずに様々な大学から学生が入学してきていました.
大学生が内部進学をせずに大学院大学を選択するメリットには何があるでしょう
か? 一つは環境のリセットがあると思います.これまで4年間過ごしてきた大学から
心機一転,新たな研究環境に身を移すというのも立派な選択理由になると思いま
す.中には自身が所属する大学の大学院進学率が低く,より多くの学生と切磋琢磨
したいという理由で選択する人もいるかもしれません.他にも,大学時代に所属して
いた研究室とは違う分野の研究がやりたくなり,大学院大学を受験するというのも
大学院大学という選択肢
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実際によく聞いた例です.金銭面を考えると,私立大学で内部進学をするよりは国
立の大学院大学に進学した方が授業料が安くなるというメリットもあります.最初に
話した,学部がないという点は,メリットでもありデメリットでもあります.入学時点
で研究室に後輩がいないというのはデメリットにもなりますが,裏を返すと研究室
の教員は大学院生の指導しかする必要がないのでより手厚い指導が受けられま
す.
大学院大学の中には,仕組みがいまひとつ分かりにくい国立の総合研究大学院
大学(総研大)もあります.総研大は,国立情報学研究所などの様々な研究機関と
連携して大学院教育をしているので興味のある人は是非一度調べてみてください.
あまり具体的な研究や学生生活については紹介しませんでしたが大学院大学は
研究に専念するためには非常に良い環境です.少しでも気になった人はWebで検
索したり,オープンキャンパスに参加してみてください.私個人の大学院生活は非常
に充実したものでした.今から(大学3年の秋から)大学院大学への進学を考えて
も決して遅くはありません.「なんとなく」内部進学するのも良いですし,「なんとな
く」大学院大学に進学して環境を変えてみるのもオススメです.
(東京都市大学 藤原賢二)