IEICE ICT PIONEERS WEBINARシリーズ~第61弾~
無料
主催:(一社)電子情報通信学会サービス委員会
非会員で聴講をご希望の皆様へ
IEICE Pioneer Webinarの御聴講ですが、本講演より会員およびアソシエートメンバーの特典として提供されることとなりました。非会員の方で聴講をご希望される場合は、まずアソシエートメンバーにご登録下さい(無料)。非会員のままでの聴講はご遠慮いただいておりますので、予めご了承ください。ご協力のほど、お願い申し上げます。
講演内容
移動通信は1980年代の1Gから始まり、ほぼ10年ごとの次世代システム導入により大きく発展してきた。特に3GPPやITU-Rでの国際標準化により、グローバルなエコシステムが構築された。様々なデバイスが普及し、ユーザーは世界中で同じ端末を利用できるようになり、コンシューマー向けだけでなくビジネス用途にも広く普及し、もはやライフラインの一部となっている。移動通信は今後も様々な業界の基盤として活用されることが期待され、多様なユースケース提案に対応するための技術仕様作成が進められている。これに伴い、国際的な技術開発競争が激しさを増し、きわめて多くの参加者による膨大な提案を扱う状況となり、結果的に極めて多くの機能やオプションが標準仕様に盛り込まれるに至っている。その一方で、標準仕様に盛り込まれた多くの機能やオプションが結果的にどの程度実用化され社会実装されているかについては、そこにはギャップがあり、それが広がっているのではないかという懸念も生じている。ただ、社会実装されるのかについては技術的な観点だけでなく、ビジネス性や政治的な観点も関わり、標準化作業時点で予測するのは難しいというのも事実である。
本講演では、この標準化と実用化のギャップに焦点を当て、現在の状況や今後の展望を述べるとともに、標準化活動やその後の対応としてどうすべきかを考察する。その上で、今年より本格的に開始される6G標準化の方向性や対応について述べる。
浅井 孝浩 企画理事からの紹介文
中村武宏氏は1997年から国内外での移動通信システムの標準化活動に取り組み、1999年より3GPP (The 3rd Generation Partnership Project)標準化に参加すると共に、2005-2013年の期間においては3GPP TSG (Technical Specification Group)- RAN (Radio Access Network)副議長および議長、2014-2024年においては5Gモバイル推進フォーラム企画委員会委員長代理およびミリ波普及推進アドホック主査、2019-2024年においてはBeyond 5G推進コンソーシアム白書分科会主査を歴任されています。
また、現在はITS情報通信システム推進会議 セルラーシステムTG主査、XGモバイル推進フォーラムの5Gおよび6G関連プロジェクトリーダー、5G-ACIA (5G Alliance for Connected Industries and Automation)のBoard memberとして、標準化活動および業界間連携強化を取り組まれています。
今回のICT Pioneers Seriesでは、移動通信システムにおける国際標準化の黎明期から現在に至る一連の状況について講演いただくと共に、標準化と実用化の間に伴うギャップについて御講演いただきますので、ぜひ御参加下さい。
講師略歴

中村 武宏
1990年 横浜国立大学 修士卒。1990年 NTT入社。1992年より、NTT DOCOMOにてW-CDMA,
HSPA, LTE/LTE-Advanced, 5G, 5G Evolution & 6Gの研究開発および標準化に従事。
㈱NTTドコモ執行役員を経て現在、㈱NTTドコモ CSO (Chief Standardization Officer)