Webinarチュートリアルシリーズ

 話題のテーマを取り上げ、チュートリアルシリーズでは基礎から応用までわかりやすく、当該分野を代表する先生方に熱く語っていただきます。
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2022年度
1 2022年4月

サイバーセキュリティの現状と対策

【講演内容】
あらゆる業務がデジタル化するに従い、情報システムの安定的運用は、企業、組織また社会の運営にとって極めて重要になってきた。その一方でそのようなインフラを攻撃することで金銭的利益を得たり、諜報活動により情報の窃取を狙う個人や組織が暗躍しており、各組織を防衛するサイバーセキュリティは喫緊の課題である。本セミナーでは、サイバーセキュリティ事故の概観を整理すると共に、主に企業等の組織に求められる対策のあり方についてその技術動向を解説する。

上原哲太郎(立命館大学)
上原哲太郎(立命館大学)
チュートリアルシリーズ
2 2022年5月

フォトニック結晶と応⽤展開~基礎と発光制御~

【講演内容】
光の科学技術(フォトニクス)はあらゆる科学技術と我々の社会の発展に対して,重要な役割を果たしている.フォトニック結晶とは,エレクトロニクスの顕著な発展を支えてきた固体結晶と同様な周期性を有する誘電体の微細構造であり,光の自在の操作を可能にすると期待されている.本Wabinarでは,フォトニック結晶の基礎および,発光現象の制御とその応用に関して,チュートリアルを行う.

冨士田誠之(大阪大学)
チュートリアルシリーズ
3 2022年5月

フォトニック結晶と応用展開~テラヘルツへの展開~

【講演内容】
光と様々な分野で我々の生活を豊かにしてきた電波はともに電磁波であるが,波長もしくは周波数が異なる.これら光と電波の境界領域であるおよそ0.1 THzから10 THzの周波数を有する電磁波は「テラヘルツ波」と呼ばれ,デバイス科学における極限領域である.本Wabinarでは,テラヘルツ波の自在な操作に向けて,フォトニック結晶のアイディアをテラヘルツ帯へと展開する取り組みに関して,チュートリアルを行う.

冨士田誠之(大阪大学)
チュートリアルシリーズ
4 2022年6月

Sパラメータと伝送線路の考え方

【講演内容】
インピーダンス測定が難しい高周波では,代わりにSパラメータを測定する.Sパラメータによる記述はインピーダンスによる記述とかなり趣が異なる.Sパラメータは伝送線路と密接な関係があり,両者とも本当に理解するのは意外に難しい.本講演では,基本的な考え方と測定や回路設計上の盲点についてわかりやすく解説する.

天川 修平(広島大学)
天川 修平(広島大学)
チュートリアルシリーズ
5 2022年8月

ハードウェアサプライチェーンにおける脅威と対策

【講演内容】
近年ハードウェアの設計・製造工程は多様化しており,それに伴い「ハードウェアトロイ」をはじめとするセキュリティ観点でのリスクが指摘されている.このような背景から,ハードウェアサプライチェーンにおけるセキュリティ技術の研究が進められている.本チュートリアルではハードウェアサプライチェーンにおける脅威を解説するとともに,ハードウェアトロイ検知等の対策技術や今後の展望を紹介する.

長谷川 健人(KDDI総合研究所)
長谷川 健人(KDDI総合研究所)
チュートリアルシリーズ
6 2022年8月

深層学習の原理を明らかにする理論の試み

【講演内容】
深層学習の理論研究を紹介する。深層学習は高い性能を発揮する技術だが、その仕組みや性能の原理は既存の統計・学習理論では説明しきれない部分が多く、理論の拡張・更新が必要とされている。本講演は、(i)ニューラルネットワークの関数表現力、(ii)大規模統計モデルの汎化能力、(iii)非凸損失に対する最適化アルゴリズムの解析、の3点に関する研究成果及び今後の展望を議論する。

今泉 允聡(東京大学)
今泉 允聡(東京大学)
チュートリアルシリーズ
7 2022年9月

組合せ最適化による問題解決の実践的なアプローチ

【講演内容】
数理最適化は意思決定を実現する手段として幅広い分野で注目を集めるようになりました.しかし,組合せ最適化の専門的な知識があれば現実問題が即座に解決できるわけではなく,最適化問題のモデリングからシステムの導入まで,専門知識だけでは解決できない課題が数多く存在します.本講演では,実務における応用事例を交えながら,数理最適化を用いて現実問題の解決に取り組む際に生じる課題とその対策について解説します.

梅谷 俊治(大阪大学)
梅谷 俊治(大阪大学)
チュートリアルシリーズ
8 2022年12月

高出力・高ビーム品質フォトニック結晶レーザー(PCSEL)の進展

【講演内容】
半導体レーザーは、小型・高効率・高制御性ゆえに、通信・情報・光記憶の分野で欠くことの出来ないキーデバイスとなっているが、既存の 半導体レーザーの欠点は、高ビーム品質・高出力動作が困難である点にある。高出力化のために面積を大きくすると、面内方向の光の状態を制御す る機構が存在しないため、多くの不要モードが出現し、ビーム品質が著しく低下する。このことが、最近、注目を集める超スマート社会 (Society 5.0)を支えるスマートモビリティやスマート製造分野の発展のボトルネックとなっている。例えば、自動運転や、ロボットの自動走行などの目の働きをする LiDAR(Light Detection and Ranging)センシングの光源部には、ビーム品質の悪い既存の半導体レーザーを用いざるを得ないため、複雑な光学系とその制御・調整が必須であり、コ ストの増大、サイズの増大、さらには信頼性の低下等の問題を生じている。一方、スマート製造の核となるレーザー加工においては、現状は、 CO2レーザーやファイバレーザーなどの大型で低効率のレーザーが用いられているが、カーボンニュートラルの観点から小型・低消費電力・低コ スト化に適した半導体レーザーの活用が切望されており、ここでも半導体レーザーの高輝度化は必須と言える。半導体レーザーの高輝度化を実現可能な唯一の半導体レーザーが、フォトニック結晶レーザー(PCSEL)である。本レーザーは,2次元 面内の光の状態を制御可能で、不要モードの存在を許さない光共振器を形成可能なことを特徴とし、1mmΦを超える、半導体レーザーでは極めて 大きな面積でも、高ビーム品質かつ高出力動作が可能になってきている。さらに、フォトニック結晶の有する各種の光制御性ゆえに、任意の形状・ 偏光ビームの発生や、電気的ビーム走査など、様々な機能性までが実現されている。本講演では、このような高出力・高ビーム品質可能なフォト ニック結晶レーザー(PCSEL)の最近の進展について講演する。

野田 進(京都大学)
野田 進(京都大学)
チュートリアルシリーズ
9 2023年1月

5Gセキュリティ

【講演内容】
移動体通信ネットワークにおけるセキュリティ対策の変遷や、過去の攻撃事例などを振り返りながら、5Gにおけるセキュリティ強化ポイントや、安心安全な5Gネットワーク構築に向けた取り組みについて紹介する。

窪⽥ 歩(KDDI総合研究所)
窪⽥ 歩(KDDI総合研究所)
チュートリアルシリーズ
10 2023年3月

注入同期の現在・過去・未来

【講演内容】
注入同期とは, 自励振動系に外部信号を強制注入すると, これが外部信号に同期する現象で, 基本的な物理現象である. これを利用する技術は, 通信システムでは真空菅時代に端を発し, 現在も先端的研究が進んでいる. 本講演は, 注入同期の理論的裏付けと, 応用の広がりを紹介する.

田中 久陽(電気通信大学)
田中 久陽(電気通信大学)
チュートリアルシリーズ
11 2023年3月

オンラインユーザダイナミクスの基礎理論

【講演内容】
SNSの普及により,オンラインでのユーザの活動が活性化し,現実世界の社会活動にも大きな影響を与えるようになっている.このためオンラインユーザダイナミクスの特性を理解することは重要な課題である.実データを用いたオンラインユーザダイナミクスの分析は数多く行われているが,本講演では「局所性」や「因果律」といった純粋に理論的な観点からオンラインユーザダイナミクスの特性を探り,ネットワーク構造との関係を考察する.

会田 雅樹
会田 雅樹(東京都市大学)
チュートリアルシリーズ
2021年度
1 2021年4月

無線通信のための深層学習の基礎

【講演内容】
近年、無線通信技術への機械学習技術、特に深層学習技術の適用を論じる研究が非常に活発化してきている。本講演では、深層学習の基礎的事項を簡潔に紹介した上で、無線通信の代表的な問題に対する深層学習技術の貢献について論じ、最近の深層学習を利用した無線通信系アルゴリズム(MIMO信号検出・誤り訂正符号の復号・等化処理・通信路推定など)に関する研究の動向を紹介する。

和田山 正(名古屋工業大学)
和田山 正(名古屋工業大学)
チュートリアルシリーズ
2 2021年5月

Python で始める非線形力学系の解析

【講演内容】
データサイエンス実践のための言語環境として,Pythonが注目を浴びている.Python 関連ツールの発展はまた,非線形力学系の解析に対するハードルを一気に下げてきている.本Webinarでは,Pythonの既存モジュールを活用し,多言語の実装よりはるかに少ないコードによって,非線形力学系におけるアトラクタの視覚化や周期解の分岐現象の数値計算を実現する方法について講述する.

上田 哲史(徳島大学)
上田 哲史(徳島大学)
チュートリアルシリーズ
3 2021年8月

スパース最適化による画像再構成

【講演内容】
イメージングを用いる様々な学術・産業分野において 、ノイズ・欠損・変換を伴う計測データから所望の画像情報を再構成する解析技術の需要が高まっている。本チュートリアルでは、「スパース性等の事前知識」 と「計測データとの整合性」の両方を考慮した最適化問題を解くことで画像を再構成するアプローチについて、圧縮センシング等の応用例を題材にしながら基礎から解説する。

小野 峻佑(東京工業大学)
小野峻佑(東京工業大学)
チュートリアルシリーズ
4 2021年8月

何が量子情報処理に特有なのか1:量子暗号を例として

【講演内容】
量子情報処理に特有の有益さを生み出す量子力学にあり古典力学にない特徴は、測定を行うと被測定物の状態が変わることと、量子エンタングルメントの2つである講演者は考えている。量子暗号を例にとって、測定を行うと被測定物の状態が変わることを有効に活用できることを例示する。この講演は高校の物理学の範囲の前提知識しか要求しない。

松本隆太郎(東京工業大学)
松本隆太郎(東京工業大学)
チュートリアルシリーズ
5 2021年9月

何が量子情報処理に特有なのか2:高密度符号化を例として

【講演内容】
量子情報処理に特有の有益さを生み出す量子力学にあり古典力学にない特徴は、測定を行うと被測定物の状態が変わることと、量子エンタングルメントの2つである講演者は考えている。高密度符号化を例にとって、量子エンタングルメントを有効に活用できることを例示する。この講演は数学的にかなり高度で、参加に当たってできれば大学1年レベルの線形代数とテンソル積(クロネッカー積)に精通していることが望ましい。

松本隆太郎(東京工業大学)
松本隆太郎(東京工業大学)
チュートリアルシリーズ
6 2021年11月

量子コンピューティング入門編(1)

【講演内容】
近年、量子コンピュータの実現にむけて、大学や国の研究機関に加えて、GoogleやIBMに代表される巨大IT企業や、新興のベンチャー企業、などが量子コンピュータのハードウェア開発を進めている。入門編(1)では、量子ビットの記述や基本量子演算について説明し、現状の量子コンピュータのデバイスや、短期的、中長期的な分野の課題についてご紹介する。
・はじめに
・量子情報の基礎
・量子ビットと基本量子演算
・万能量子計算
・量子コンピュータの現状
・誤り耐性量子コンピュータとNISQデバイス
・まとめ

藤井 啓祐(大阪大学)
藤井 啓祐(大阪大学)
チュートリアルシリーズ
7 2021年11月

量子コンピューティング入門編(2)

【講演内容】
・入門編(2)では、量子コンピュータ上で動作する量子アルゴリズムを用いて具体的にどのような問題どのように高速にとけるかを解説する。また、これら量子アルゴリズムの量子化学計算や機械学習への応用、量子ソフトウェア開発のためのツールや開発環境について紹介する。
・量子アルゴリズム
・位相推定アルゴリズムの基礎
・位相推定アルゴリズムの応用紹介(量子化学計算・機械学習)
・変分量子アルゴリズムの基礎
・変分量子アルゴリズムの応用紹介(量子化学計算・機械学習)
・量子ソフトウェア開発ツール紹介
・まとめ

藤井 啓祐(大阪大学)
藤井 啓祐(大阪大学)
チュートリアルシリーズ
8 2021年12月

Polar符号入門

【講演内容】
Polar符号は,通信路分極を用いることでシャノン限界に漸近する特性を実現できる符号であり,第五世代移動通信で採用されています.本セミナーでは,このPolar符号を理解する上で重要な通信路分極・符号化法・復号法について概説します.更に,表計算ソフトを用いて,通信路分極・符号化・復号処理を実演することで,理解を深めます.

三木 信彦(香川大学)
三木 信彦(香川大学)
チュートリアルシリーズ
9 2022年1月

MIMO技術の基礎とこれから

【講演内容】
携帯電話システムやWi-Fiにおいて,MIMO技術は必要不可欠な要素技術であるといって過言ではない.このチュートリアルではMIMO技術が発展を続けてきた30年を振り返り,情報理論で得られた数式の美しさと,これまでに数多く提案された検出技術について解説する.そして,今後期待される技術についても簡単に紹介する.

大鐘 武雄(北海道大学)
大鐘 武雄(北海道大学)
チュートリアルシリーズ
2020年度
No 開催月 講演内容 講演者(所属) カテゴリ
1 2021年2月

電波伝搬の基礎

【講演内容】
無線通信環境の電波伝搬特性の基礎的事項を概説する。まず、伝搬特性を構成する個々の要素となる、自由空間伝搬・電波の反射・回折・散乱などの基礎的な伝搬現象について説明する。その後で、それらの現象を総合して決定される無線通信の伝搬特性について、実際の通信システムにおいて特に重要となる移動通信環境を具体例として、その特性を述べる。

岩井 誠人(同志社大学)
岩井 誠人(同志社大学)
チュートリアルシリーズ
2 2021年3月

AIとデジタルトランスフォーメーション

【講演内容】
人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が注目されているが、それらが何を意味していてなぜ重要なのかはあまり理解されていない。本質は、最新の情報技術がどのような新規事業創造を可能にするか、にある。本講演では、情報技術によるイノベーションの歴史を振り返り、機械学習という人工知能の最新技術がどのような変革をもたらすかを展望する。

丸山 宏(東京大学)
丸山 宏(東京大学)
チュートリアルシリーズ