IEICE先端セミナー
IEICE先端セミナー
目まぐるしい技術革新が進む現代において、非専門分野のキーテクノロジーを自学自習するのは一般的に容易ではありません。当学会では、電子情報通信分野の第一人者より入門者の方々へ向けて、グローバルに話題となっている最新技術を分かり易く講義したWebinarを制作しました。本セミナーの受講を通じて最新技術の要所を理解し、様々な社会課題を解決する人材が生まれることを期待しています。また、1コースすべての講義を受講し、設問をクリアできた受講生に対してはデジタルバッチを付与致します。


6Gに向けた3GPPの無線アクセスの標準化動向(2024年10月開講)
ITU-Rにおける6Gに関わる規格策定の枠組みに加え、WRC-27に向けた5G/6G等で用いる周波数選定の動向を紹介した上で、3GPPにおけるRAN(Radio Access Network)の標準仕様について、Release 18を中心に、最新の技術内容及び動向を解説する。
- 第1回
Beyond 5G/6G時代に向けたITU-R動向
今田 諭志KDDI株式会社
ネットワーク開発本部 ネットワークスライス開発部
(先端研究開発本部 標準化戦略部 兼務)エキスパート1997年:国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社) 入社
2000年:ITU-R SG8 WP8D(現SG4 WP4C)に参画、移動衛星関連の勧告作成に携わる
2015年:ITU-R SG5 WP5D、WP5A、TG5/1等に参画、携帯電話用周波数追加特定に携わる
2024年:ITU-R SG5副議長就任- 到達目標
- ITU-Rにおける6Gに関わる規格策定の枠組みに加え、WRC-23の結果を踏まえた、WRC-27に向けた5G/6G等で用いる周波数選定の取り組みについて理解すること。
- キーワード
- ITU-R、IMT-2030、次世代携帯電話規格、WRC-23、WRC-27、候補周波数、非地上系ネットワーク(NTN)、高高度プラットフォーム(HAPS)
- 前提知識
- モバイル通信及び標準化活動の基礎的な知識を有すること。
- 第2回
3GPP Release 18のRAN標準化動向
武田 一樹クアルコムジャパン合同会社
標準化本部 シニアスタッフエンジニア2011年より3GPP RANの標準化活動に従事。
- 到達目標
- 2023年12月に3GPPで策定されたRelease 18のRAN(Radio Access Network)標準コア仕様ついて、物理レイヤに関連するアイテムを中心に概要および動向を理解すること。
- キーワード
- 3GPP、RAN (Radio Access Network)、標準機能、Duplex evolution
- 前提知識
- モバイル通信及び標準化活動の基礎的な知識を有すること。
- 第3回
3GPPにおける無線インタフェースへのAI/ML標準化
山本 哲矢パナソニックホールディングス株式会社
テクノロジー本部 デジタル・AI技術センター
ワイヤレスネットワークリューション部
リードエンジニア2012年9月東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。2012年10月日本学術振興会特別研究員(PD)。2013年4月パナソニック株式会社入社(現所属はパナソニックホールディングス株式会社)。以来、LTE-AdvancedやNR標準化の研究開発に従事。2009年IEICE無線通信システム研究会活動奨励賞受賞。2012年第14回エリクソン・ベスト・スチューデントアワード受賞。2022年第17回IEICE通ソ論文賞(チュートリアル論文賞)受賞。
- 到達目標
- Release 18から検討が開始された無線インタフェースに関連する AI/ML(Artificial Intelligence / Machine Learning)技術の適用について理解すること。
- キーワード
- 3GPP、RAN、無線インタフェース、AI/ML、フレームワーク、端末からの電波環境の報告、ビーム管理、位置情報推定
- 前提知識
- モバイル通信及び標準化活動の基礎的な知識を有すること。
- 第4回
3GPPにおけるNRサイドリンク標準化
鈴木 翔一シャープ株式会社 研究開発本部
通信・映像標準技術研究所 第一研究室経歴:2007年 早稲田大学、理工学部 卒業。同年 シャープに入社し、3GPP RAN標準化技術の研究員となる。
特許出願285ファミリの発明者。
趣味:筋力トレーニング- 到達目標
- 3GPPにおけるNR(New Radio)Sidelinkの車両間通信(V2X)機能の標準化について、Release 16/17/18の概要を理解すること。
- キーワード
- 3GPP、RAN、NR Sidelink、車両間通信、V2X
- 前提知識
- モバイル通信及び標準化活動の基礎的な知識を有すること。
受講料
会員(正員) | 13,200円(税込) |
---|---|
非会員(一般) | 26,400円(税込) |
会員(学生員) | 3,300円(税込) |
非会員(学生) | 4,950円(税込) |


次世代半導体の技術動向(2024年10月開講)
最近の急速な発達をはじめとして現在のIT産業を支えているのは半導体である。日本もTSMCやマイクロンの工場誘致、最先端半導体を開発するRapidusの立ち上げなど半導体に関する大きなニュースが世情を賑わしている。本講義は、半導体とは何か、どのように開発するのか、アナログ、ロジック、メモリ、パワー半導体はどのように違うのか、日本の強みと弱みはどこか、からはじめて、最新デバイス技術、最新AIチップに加え、新しいファブ技術であるマイクロファブまでを紹介する。
- 第1回
先端半導体の最前線
池田 誠東京大学大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター(d.lab)センター長・教授
東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻・工学部電子情報工学科 教授(兼務)
東京大学『Agile-X〜革新的半導体技術の民主化拠点』プロジェクト拠点長1996年、東京大学大学院 工学系研究科 電子工学専攻 博士課程 修了(博士(工学))
同年、東京大学 助手、以降、講師、助教授、准教授を経て2013年より現職(その間、大規模集積システム設計教育研究センター(VDEC)を担うと同時に、工学系研究科電子工学専攻・電気系工学専攻/工学部電気工学科・電気工学科・電子情報工学科を兼務・兼担)
ISSCC 2021 International Program Committee Chair, Symposium on VLSI Circuits 2017 Program Chair, 2019 Symposium Chair, A-SSCC 2015 Technical Program Chair他、多くの国際会議のChair, Committee Memberを務める。現在電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ集積回路研究専門委員会委員長、IEEE Solid-State Circuits Society, Vice President on Membershipを務める。- 到達目標
- 最近の生成AIを含め、IT産業が半導体によって支えられている点とその重要性について知る。
半導体チップが材料からパッケージまで製造される工程と、システム設計からマスクパターンまでの設計工程について理解する。ロジック、メモリ、アナログ、パワーなど各種半導体の違いについて知り、ロジック半導体の最新プロセス、2.5次元、3次元チップ実装手法について知る。
- キーワード
- 半導体チップ、CAD、プロセス、マルチチップモジュール、プロセスサイズ、ロジック半導体、DRAM、フラッシュメモリ、アナログ半導体、パワー半導体
- 前提知識
- デジタル回路、アナログ回路、トランジスタ、半導体についての基本的な知識を持っていることが望ましい。
- 第2回
半導体製造プロセスの最前線
浜口 智志大阪大学工学研究科 教授
略歴
1982年 東京大学理学部物理学科卒業
1987年 同大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了
1988年 ニューヨーク大学大学院数学科博士課程修了
1988年〜1990年 テキサス大学物理学科核融合研究所・研究員
1990年〜1998年 IBM ワトソン研究所・主任研究員
1998年〜2004年 京都大学エネルギー科学研究科・助教授
2004年〜現在 大阪大学工学研究科・教授、理学博士(物理学:東京大学)・Ph.D. (数学:ニューヨーク大学)- 到達目標
- 半導体製造プロセスの概要を理解し、現在、最も挑戦的であると考えられているプロセスについて知ること。
- キーワード
- プラズマプロセス、反応性イオンエッチング、CVDプロセス、原子層堆積(ALD)、原子層エッチング(ALE)
- 前提知識
- 半導体プロセスの概要を知っていることが望ましい。
- 第3回
ミニマルファブ最前線
原 史朗国立研究開発法人産業技術総合研究所
デバイス技術研究部門 首席研究員早稲田大学理工学部助手、理化学研究所基礎科学特別研究員を経て、1993年、電子技術総合研究所入所。現在、国立研究開発法人産業技術総合研究所デバイス技術研究部門・首席研究員。H24年度より3年間、ミニマルファブ開発を国家プロジェクト化し、プロジェクトリーダーを務めた。現在、一般社団法人ミニマルファブ推進機構を設立し、その傘下のファブシステム研究会の代表として、ミニマルファブの産業化を推進している。2022年に、ミニマルファブをビジネスとして推進する(株)Hundred Semiconductorsが設立され、取締役CTO。
- 到達目標
- まず第一に、産業全体と半導体産業の抱える本質的課題、それがほとんど巨大投資に依存していること、そしてその課題はミニマルファブが成立することによって克服されることを理解すること。また、ミニマルファブの1/1,000の規模がなぜ適切なのか、また、どうやって呪術の課題を克服するのかを理解すること。そして、ミニマルファブがもたらす未来について理解すること。
- キーワード
- ミニマルファブ、メガファブ、巨大投資、クリーン化、多品種少量、SDG、カーボンフットプリント、集積回路、半導体デバイス
- 前提知識
- 大卒レベルの知識を有すること。
- 第4回
AIチップ開発の最先端
本村 真人科学技術創成研究院
AIコンピューティング研究ユニット 教授1989年 NEC研究所、2011年 北海道大学、2019年 東京工業大学。リコンフィギュラブルハードウェア、AIアクセラレータ等の研究に従事。
趣味:DIY、ガーデニング- 到達目標
- 技術進展と社会浸透が目覚ましいAI分野の最先端の動向を学び、同分野に関する集積回路の今後の動向について考える材料を得ること。
- キーワード
- ニューラルネットワーク、リコンフィギュラブル、アルゴリズム、アーキテクチャ、プロセッサ
- 前提知識
- 集積回路分野とAI分野についての基礎知識を有すること。
受講料
会員(正員) | 13,200円(税込) |
---|---|
非会員(一般) | 26,400円(税込) |
会員(学生員) | 3,300円(税込) |
非会員(学生) | 4,950円(税込) |


AI社会実装の最先端と技術動向
社会や産業でのAIを活用したサービスやシステムの社会実装が進み、人々の生活、働き方を大きく変えつつある。
AIのハードウェア・インフラから信頼できるAIに向けた解釈・説明技術、AI倫理と社会、大規模言語モデルの最新技術動向までAIの社会実装を支える技術の現状と課題、今後の展望を解説する。
- 第1回
AIハードウェア・インフラの技術動向
中原 啓貴(東京工業大学)
- 到達目標
- エッジ環境のAIプロセッサやAIクラウドインフラにおける課題や要素技術、応用事例を理解すること。
- 第2回
信頼できるAIに向けた機械学習モデルの解釈・説明技術
原 聡(大阪大学)
- 到達目標
- AIの解釈・説明技術をとりまく社会情勢から、各種手法やライブラリ、説明の信頼性や評価などの課題を理解すること。
- 第3回
AI倫理と社会
中川 裕志(理化学研究所)
- 到達目標
- AIの倫理、公平性、説明責任、透明性、トラスト、著作権など様々な課題や国内外の動向について理解すること。
- 第4回
大規模言語モデルの最新技術動向
岡崎 直観(東京工業大学)
- 到達目標
- 大規模言語モデルの最新動向・動作原理・注意点を理解すること。
受講料
会員(正員) | 13,200円(税込) |
---|---|
非会員(一般) | 26,400円(税込) |
会員(学生員) | 3,300円(税込) |
非会員(学生) | 4,950円(税込) |


量子コンピュータと量子情報通信入門
従来のコンピュータと比べて桁違いの計算能力を持ち、AI応用、新材料発見、エネルギーや物流の最適化、暗号セキュリティ等へ応用が期待されている量子コンピュータ・量子情報通信の基本的な仕組みを解説します。
- 第1回
量子コンピュータの基礎知識
藤井 啓祐(大阪大学)
- 到達目標
- 古典コンピュータと量子コンピュータの違いを理解すること。
- 第2回
量子コンピュータのプログラミング
藤井 啓祐(大阪大学)
- 到達目標
- 量子コンピュータを動かすプログラミングの仕組みを理解すること。
- 第3回
量子コンピュータのハードウェア
阿部 英介(理化学研究所)
- 到達目標
- 量子コンピュータを動かすハードウエアの種類と仕組みを理解すること。
- 第4回
量子情報通信
東 浩司(NTT物性科学基礎研究所)
- 到達目標
- 量子を使った情報通信の仕組みを理解すること。
受講料
会員(正員) | 13,200円(税込) |
---|---|
非会員(一般) | 26,400円(税込) |
会員(学生員) | 3,300円(税込) |
非会員(学生) | 4,950円(税込) |

生成AIの応用(2025年5月以降開講予定)
近年、大規模言語モデルを始めとした生成AIが急速に普及している。本セミナーでは、生成AIの応用に焦点を当て、生成AIの応用に必要な知識やツールを解説するとともに、応用例として、自動運転、ロボティクス、医療を取り上げ、それぞれの分野における最先端の応用事例を解説する。
- 第1回
大規模言語モデルの開発と
活用における課題今城 健太郎株式会社 Preferred Networks
2013年京都大学情報学研究科修士課程修了。在学中にAtCoder社を創業し、卒業後にグーグル株式会社に入社。2018年よりPreferred Networksにてエンジニア。現在は金融関連の研究開発や大規模言語モデルの研究開発に携わっている。
- 到達目標
- 大規模言語モデルのふるまいを理解し、ツールとしての活用を可能にする。
- キーワード
- 大規模言語モデル、社会応用
- 第2回
人と協調する自動運転
武田 一哉名古屋大学未来社会創造機構 教授
1985年名古屋大学修士了。ATR、KDD研究所を経て、1995年名古屋大学助教授、2003年より同大教授(現在に至る)。この間、同大副総長、(株)ティアフォー(大学発・自動運転ベンチャー)代表取締役などを兼務。
- 到達目標
- 複数の情報を統合するAI技術の産業応用事例を知る。
- キーワード
- マルチモーダル、自動運転、シーン記述
- 第3回
生成AIのロボティクス応用
河原塚 健人東京大学 講師
2017年東京大学工学部機械情報工学科卒業。2022年東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻博士課程修了(情報理工学博士)。2022年東京大学大学院情報理工学系研究科特任助教。2025年より、東京大学情報理工学系研究科AIセンター講師。筋骨格ヒューマノイドの身体設計と制御, 深層学習に基づく知能ロボットシステムの研究に従事
- 到達目標
- ロボティクス分野に用いられる生成AIの種類、ロボットの認識・計画・制御における生成AIの活用方法、近年の生成AIを用いたロボティクス応用例について理解すること。
- キーワード
- 基盤モデル、ロボティクス、大規模言語モデル、大規模視覚-言語モデル、動作計画、認識行動制御
- 前提知識
- 情報学分野に関する一般的な語句に関する知識を有すること。
- 第4回
医療分野における生成AIの応用
岩澤 諄一郎株式会社 Preferred Networks
2021年 東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 博士課程修了。2021年より株式会社 Preferred Networks リサーチャー。ヘルスケア領域における深層学習・LLM応用の研究開発に従事。
- 到達目標
- 医療分野における大規模言語モデル応用の可能性および課題について理解すること。
- キーワード
- 大規模言語モデル (LLM)、医療向け finetuning、LoRA
- 前提知識
- 大規模言語モデルに関する基本的な知識を持っていることが望ましい。

暗号技術の進化と未来(2025年5月以降開講予定)
インターネットを通じて、個人データ、金融取引、ビジネスの機密情報などが常にやり取りされている。これらの情報を保護するための鍵となるのが暗号技術である。暗号技術は、データの機密性、完全性を保証するだけでなく、プライバシー保護や安全な通信、信頼できるデジタル社会の基盤を支えている。コンピュータの性能向上、新たなアルゴリズムの開発、サイバー攻撃の脅威により、暗号技術の革新は加速度的に進んでいる。さらに、量子コンピュータの登場により、セキュリティ意識の変革が求められている。本セミナーでは、暗号技術の基礎をしっかりと学びつつ、最新の技術革新や今後の暗号技術の未来に至るまで、広範な知識を提供する。暗号技術の根本的な原理から、現代のセキュリティの要となるプロトコル、さらには次世代の技術に至るまで、暗号技術の進化の全体像を体系的に理解する。
- 第1回
暗号の基礎と現代の暗号技術
伊豆 哲也富士通株式会社 データ&セキュリティ研究所 プリンシパルリサーチディレクター
1997年に富士通株式会社に入社. 暗号や情報セキュリティ分野における理論・実装・応用に関する研究開発に従事。平成19年度文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。平成19年度 情報処理学会 喜安記念業績賞受賞、2013年度 情報処理学会 喜安記念業績賞受賞、著書(共著)に「トコトンやさしい暗号の本(B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)」など。
- 到達目標
- 暗号技術の主な機能である暗号化、認証などの要素技術を理解するとともに、具体的な実現方式およびその安全性について理解する。
- キーワード
- 暗号化、デジタル署名、公開鍵暗号、鍵共有、安全性、安全性評価、量子計算機による脅威
- 前提知識
- ITに関する基礎的な知識を有すること。
- 第2回
TLSの仕組みと実践
須賀 祐治株式会社インターネットイニシアティブ
シニアエンジニア1997年3月九州大学 数理学研究科 修了、2016年3月筑波大大学院システム情報工学研究科博了。博士(工学)。2008年7月より現職。CRYPTREC 暗号技術活用委員会 委員。BGIN(Blockchain Governance Initiative Network) co-initial Contributor。ISO/TC 307 エキスパート。
- 到達目標
- SSL/TLSの歴史、TLSを構成するプロトコル、アルゴリズムを理解するとともに安全に使用するための設定を理解する。
- キーワード
- SSL/TLS、PKI・サーバ証明書、危殆化、HeartBleed攻撃、オープンソース、CRYPTREC
- 前提知識
- 暗号理論(公開鍵暗号、共通鍵暗号、MAC、AEAD)、情報セキュリティに関する基礎的な知識を有すること。
- 第3回
高機能暗号:データの保護と高度利活用を両立する技術
花岡 悟一郎国立研究開発法人産業技術総合研究所 首席研究員
2002年東京大学大学院 工学系研究科 電子情報工学専攻博士課程修了、2002年 日本学術振興会特別研究員(PD)、2005年 産業技術総合研究所入所。現在、産業技術総合研究所サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 首席研究員。平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究)、第15回ドコモ・モバイル・サイエンス賞(先端技術部門)、2016年等。
- 到達目標
- 個人のプライバシー情報などの機密データを保護しながらその利活用を可能とする高機能暗号について理解するとともに、その社会応用を理解する。
- キーワード
- 高機能暗号、データ保護技術、プライバシー保護、秘密計算、準同型暗号、検索可能暗号、属性ベース暗号/署名
- 前提知識
- 暗号理論、情報セキュリティに関する基礎的な知識を有すること。
- 第4回
量子コンピュータと耐量子計算機暗号
高木 剛東京大学大学院
情報理工学系研究科数理情報学専攻 教授1995年〜2001年:NTT、
2001年〜2005年:ダルムシュタット工科大学、
2005年〜2008年:公立はこだて未来大学、
2010年〜2017年:九州大学大学、
2017年〜:東京大学大学院情報理工学系研究科 教授。
2009年第8回船井情報科学振興賞、2013年第12回ドコモ・モバイル・サイエン ス賞受賞、2014年電子情報通信学会 業績賞受賞、2015年第11回日本学術振興会賞受賞。2019年度〜 CRYPTREC 暗号技術評価委員会委員長。- 到達目標
- 普及しているRSA暗号が量子コンピュータにより危殆化することを理解するとともに、NISTが標準規格化を進めている耐量子計算機暗号について理解する。
- キーワード
- 量子コンピュータ、暗号危殆化、耐量子計算機暗号、格子暗号、多変数多項式暗号、PQC標準規格化
- 前提知識
- 暗号理論、情報セキュリティに関する基礎的な知識を有すること。

ニューロモルフィック・リザバーコンピューティングの基礎と応用技術(2025年5月以降開講予定)
ニューロモルフィック・リザバーコンピューティングの基礎と最新の応用技術について解説する。前半では、スパイキングニューラルネットワークやリザバーコンピューティングの基礎について述べる。後半では、光やナノ材料を用いた実装方法や最先端技術について解説する。
- 第1回
スパイキングニューラルネットワークの基礎
小林 亮太東京大学 准教授
2009年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了。立命館大学、国立情報学研究所を経て、2020年より現職。専門は複雑系科学、計算論的神経科学、計算社会科学。著書「AI新世 人工知能と人類の行方」 (文春新書 2022年)、訳書「ニューロモルフィックコンピューティング:省エネルギーな機械学習のハードウェア実装に向けて」(エヌ・ティー・エス2022年)。
- 到達目標
- 機械学習の省エネルギー化を目指すニューロモルフィックコンピューティングの基盤技術であるスパイキングニューラルネットワークの概要を理解すること。
- キーワード
- スパイキングニューラルネットワーク、神経細胞モデル、シナプス、学習、シナプス可塑性
- 前提知識
- 高校、大学初年時程度の微分積分、電気回路についての基礎的な知識。
- 第2回
リザバーコンピューティングの基礎
田中 剛平名古屋工業大学 教授
2005年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 博士課程修了。東京大学助手・助教・特任准教授などを経て2023年より現職。専門は複雑系科学や数理工学。IPA未踏ターゲット事業(リザバー計算分野)プロジェクトマネージャー。共著書「リザバーコンピューティング」(森北出版、2021年)
- 到達目標
- リザバーコンピューティングの基本的な考え方を理解すること。
- キーワード
- ニューラルネットワーク、時系列データ、学習アルゴリズム、非線形ダイナミクス
- 前提知識
- データ分析やニューラルネットワークの基礎。
- 第3回
光リザバーコンピューティング
砂田 哲金沢大学理工研究域 教授
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、NTT コミュニケーション科学基礎研究所を経て、2011年に金沢大学に着任。助教、准教授を経て2021年より現職。2019年から2023年までJSTさきがけ研究員、2023年 FEMTO-ST研究所招聘教授兼務。
- 到達目標
- 次世代のコンピューティング技術として注目される光コンピューティングの基礎と最新の動向を理解し、その一環である光リザバーコンピューティングの原理や応用の可能性、最新の研究動向を把握すること。
- キーワード
- リザバーコンピューティング、光リザバーコンピューティング、物理コンピューティング、光コンピューティング、光ニューラルネットワーク
- 前提知識
- 光学や機械学習に関する基礎的な知識があると理解が深まる。
- 第4回
ナノ材料のランダムネットワークを用いた
物理リザバーコンピューティングと
ロボット応用田中 啓文九州工業大学大学院生命体工学研究科 教授
同ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター センター長1999 学位取得 博士(工学)大阪大学
1999 理化学研究所基礎科学特別研究員
2002 ペンシルバニア州立大博士研究員
2003 分子科学研究所助手→助教
2008 大阪大学理学研究科助教
2014 現職- 到達目標
- 物理リザバーやマテリアル演算とは何か、その仕組みを最近の取り組みを通して理解すること。
- キーワード
- ランダムネス、リカレントニューラルネットワーク、低消費電力、非線型伝導、インセンサコンピューティング
- 前提知識
- 人工ニューラルネットワーク、機械学習、積和演算。