倫理事例集の公開(β版)

倫理事例集の公開について


 倫理委員会では、本会の倫理綱領の改訂および電子情報通信技術者の行動指針の作成に続き、技術倫理・技術
者倫理を学ぶ学生および実務に携わる技術者等が、実際の事例に即して倫理問題への対応および自身の行動のあ
り方を学び涵養するための事例集の作成を進めて参りました。

 この事例集作成において注意した点は、電子情報通信学会が担っている分野は技術の進歩が非常に早いことか
ら、新たな技術倫理問題として規範の成熟が必要なものや、想定外の状況に対して技術者の行動指針を熟慮する
必要のある事例を極力取り入れたことです。所謂「規範や指針の空白」の存在を意識して、未経験な倫理問題に
対して社会的な側面と個人的な側面の両面から考察するのに相応しい論点を含む事例を取り上げています。その
ため、この事例集を教材として利用される場合、何らかの対立する価値観/考え方/視点を認識されるはずで
す。なお、作成した事例は、執筆者自身が倫理的悩みや葛藤を持ちつつ創作が基本で事例によっては広く公開情
報に基づく考察を含みます。

 事例の表現法、あるいは活用の仕方等については、改善の余地がありますが、本会の関係者が増加している倫
理問題への対応力を高めるための材料として早く御活用いただけるようにすることが重要と考え、本会のホーム
ページで公開する事に致しました。

 本事例集をご覧になって御意見・御要望がありましたら、所属、氏名、連絡先を付して、メーリングリスト
jireisixyuu(アット)ieice.org(アットを@に置き換えて下さい)へメールをお送り下さい。頂いたご意見・ご要望は今
後の倫理委員会および技術と社会・倫理研究専門委員会の活動の参考にさせて頂きます。皆様の忌憚のない御意
見をお待ちしております。

 本事例集の著作権は本会に属しますが、教育目的としてはどなたでも自由にご使用いただけます。営利目的で
の利用については本会事務局にお問合せ下さい。

 事例集の利用法については、倫理事例集利用規約を御参照ください。



目次


【事例】

(1)
技術者の倫理的行動

事例A-1
東日本大震災時の災害支援システム開発
事例A-2
BART開発問題とIEEE
事例A-3
携帯電話のユニバーサルデザイン
事例A-4
無線LANの脆弱性

(2)
秩序と自由

事例B-1
遠隔教育における他者の著作物利用
事例B-2
ソフトウエア開発におけるオープンソースの利用
事例B-3
ドローンの活用と規制

(3)
想定内と想定外

事例C-1
3Dプリンタ拳銃事件
事例C-2
パソコン遠隔操作事件
事例C-3
映画「マイノリティ・レポート」に見る統計的判断の不完全性

(4)
便利さとリスク

事例D-1
SNSの潜在的リスク
事例D-2
Cookiesによる監視のメリットとデメリット
事例D-3
クラウド型ホーム・ボイス・アシスタントの便利さとリスク
事例D-4
ソフトウエアの「使用許諾条件」内容への同意
事例D-5
大学内ネットワークにおける運用管理とプライバシー

    表1 事例と電子情報通信学会倫理綱領との対照表

    事例集小委員会メンバー表

    倫理事例集利用規約

    クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
    この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際ライセンスの下に提供されています。