2016年高信頼制御通信研究会チュートリアルイベント
IoT時代の制御通信塾 −物理と情報をつなぐ新技術−
- 企画概要:
- 近年の通信技術およびクラウド技術の進歩により,多くのセンサをネットワークに接続し,大量のデータを時々刻々受け取るIoT(Internet of Things: モノのインターネット)のシステムが実用化されてきています.IoTでは,我々をとりまく環境の物理変数が,ネットワークを介して,デジタルデータとしてコンピュータに取り込まれ,指令として再び物理世界に戻されます.
このとき,連続的(アナログ的)な環境世界と離散的(デジタル的)なコンピュータ世界とを結びつける技術が極めて重要となり,制御理論や情報理論,機械学習・人工知能などと融合した新たな取り組みが活発に進められています.本企画では,特に「制御通信」の観点から,物理と情報をつなぐ技術について,量子化制御とスパースモデリングを題材に,その初歩から最先端の話題まで,その有効性や効果を含めて分かりやすく説明します.
- キーワード:
- IoT,量子化,フィードバック制御,スパースモデリング,最適化
- 主催:
- 電子情報通信学会 高信頼制御通信研究専門委員会(RCC)
- 協賛:
- 計測自動制御学会 制御部門「ネットワーク上の制御と信号処理」調査研究会
- 開催日時:
- 2016年11月21日(月) 10:00-17:30
- 会場:
- メルパルク京都 4F 研修室3 (〒600-8216
京都府京都市下京区東洞院通七条下ル東塩小路町676番13)
- 参加費:
- 一般3,000円,学生(非会員) 2,000円, 学生(会員または仮会員) 無料
本チュートリアルで配布しました講演資料は3,000円(税込)にて販売しております.ご希望される場合には,本研究専門委員会幹事団<
>までご連絡くださるようお願いいたします.(数に限りがございますので早目にお申し込みください.)
プログラム
時間 | 講演題目 | 講師 |
10:00-10:10 | 高信頼制御通信研究専門委員会委員長挨拶 | 原 晋介 委員長 |
10:10-11:40 | 量子化制御(前半) | 東 俊一 氏 |
11:40-12:40 | 休憩(昼食) |
12:40-14:10 | 量子化制御(後半) | 東 俊一 氏 |
14:10-14:25 | 休憩 |
14:25-15:55 | スパースモデリング(前半) | 永原 正章 氏 |
15:55-16:10 | 休憩 |
16:10-17:40 | スパースモデリング(後半) | 永原 正章 氏 |
講演概要
- 量子化制御(京都大学 准教授 東 俊一 氏)
IoTやCPSへの関心の高まりを背景に,「物理系と情報系をつなぐ技術」が重要になっています.たとえば,制御対象と制御器をディジタル通信路で結び遠隔制御系を実現するためには,制御に適した通信方法を明らかにする必要があります.また,人工知能を制御に活用するためには,グラフやオートマトンのような論理的に振る舞う要素を適切に制御系に組込む必要が生じますが,そこでも物理系と情報系の相互作用に注意を払う必要が生じます.本講義では,そのような技術を実現するための鍵である量子化制御について,その基礎と応用について紹介します.
- スパースモデリング(北九州市立大学 教授 永原 正章 氏)
近年,スパースモデリングと呼ばれる情報技術が注目を集めています.これは,大量の高次元データからデータフィッティングと説明変数の選択を自動的に行う方法で,IoTやビッグデータなどの大規模データであっても本質的には少数の説明変数しか存在しないというスパース性に着目しています.本講演では,このスパースモデリングの基礎概念を分かりやすく説明します.また,スパースモデリングを制御系設計に応用した「動的スパースモデリング」について,講演者の最近の研究成果を紹介します.