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第30回 回路とシステムワークショップ
プログラム

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会場受付時間

2017年5月11日(木)8:30〜
2017年5月12日(金)8:30〜


セッション表

表内のセッション名はそのセッション情報にリンクしています.

2017年5月11日(木) [会場: 北九州国際会議場]

21会議室22会議室33会議室

C1-1  概算演算・低消費電力
9:15-10:30

A1-1  断熱的論理
9:15-10:30


C1-2  招待講演
10:45-11:30

A1-2  アナログ・ディジタル回路
10:45-12:00

D1-1  グラフ・ネットワーク1
11:10-12:00

WIP  ポスターセッション
12:00-13:00 [会場: イベントホール]

AB1-1  アナログフィルタとデジタルフィルタ
13:15-14:45


D1-2  招待講演1
13:30-14:30

A1-3  熱解析
15:00-16:15

B1-1  非線形解析と信号処理
15:00-16:20

D1-3  招待講演2
15:00-16:00

特別招待講演: 「回路とシステムワークショップと歩んだ変遷 〜ワークショップ運営、その支援システムの開発、そして起業〜」 田岡 智志(広島大学)
16:30-17:30 [会場: メインホール]
表彰式・懇親会
18:00-20:00 [会場: リーガロイヤルホテル小倉「エンパイア」]


2017年5月12日(金) [会場: 北九州国際会議場]

21会議室22会議室33会議室

C2-1  配線・レイアウト
9:15-10:30

A2-1  回路と数値解析1
9:15-10:30

D2-1  グラフ・ネットワーク2
9:40-10:30

BC2-1  人工知能の応用と実現技術
10:45-12:05

A2-2  回路と数値解析2
10:45-12:00

D2-2  離散システム理論
10:45-11:35

C2-2  信頼性設計
13:30-14:45

B2-1  画像・音声信号処理
13:30-14:50





論文一覧


(発表者を○,◎印で示し,◎印は本ワークショップ「奨励賞」の対象者を示す.)

2017年5月11日(木)

セッション C1-1 概算演算・低消費電力
日時: 2017年5月11日(木) 9:15-10:30
部屋: 21会議室
座長: 佐藤 真平 (東京工業大学)

C1-1-1 (時間: 9:15 - 9:40)
題名自己動力型スイッチング磁気変圧回路を用いたエネルギーハーベスティングシステム
著者 ◎川合 洋平, 戸川 望, 柳澤 政生, 史 又華 (早稲田大学基幹理工学研究)
Pagepp. 1 - 6
Keyword 圧電素子, エネルギーハーベスティング
Abstract今日のMEMS技術の急速な進歩に伴い,デバイスの小型化や高速化・高機能化などのメリットを獲得してきた.しかしデバイスの小型化は「バッテリー」によって困難になっている. そこで考えられたのが「圧電素子を用いたエネルギーハーベスティング」である.これは身の回りの振動や圧力から電力を生成ため、従来の電池を必要としなく、IoT利用による環境負荷の削減に適している. しかし,既存研究では発電効率が低く,まだ自立電源としての役割に値する電力供給には達していない.一方で提案する回路は既存回路と比較して最大2.15倍も多くの電力を生成し,幅広い負荷抵抗に対応し,ウェアラブル端末の電源として使用できる.

C1-1-2 (時間: 9:40 - 10:05)
題名最大エラー距離に基づくGeAr回路の最適化
著者 ◎早水 謙, 戸川 望, 柳澤 政生, 史 又華 (早稲田大学基幹理工学研究科)
Pagepp. 7 - 12
Keyword Approximate Computing, Adder, Energy Efficient
Abstract近年,回路の微細化に伴い,低消費電力化,高速化,低面積化が求められている.しかし,これらを同時に達成することは,一般的には難しい.この要求に対する解決策の1つとして,Approximate Computing(概算)が挙げられる.Approximate Computingを適用先や適用方法は多岐にわたるが,本稿ではその中でも,加算回路をSub Adderに分割する手法,特にGeAr Adderに対して,既存研究の拡張を行うとともに,最大エラー距離の定式化を行った.評価結果より,提案手法である拡張したGeAr Adderは,RCA及び既存のGeAr Adderよりエネルギーの削減に成功した.また,最大エラー距離に基づいてGeAr Adderの分類を行い,最大エラー距離における最適な加算回路の提案を行った.

C1-1-3 (時間: 10:05 - 10:30)
題名改良型配列型近似乗算器の設計と解析
著者 ◎山元 貴普, 冨山 宏之 (立命館大学 大学院理工学研究科), 谷口 一徹 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 山下 茂 (立命館大学 情報理工学部), 原 祐子 (東京工業大学 大学院理工学研究科)
Pagepp. 13 - 18
Keyword Approximate Computing, 配列型乗算器, 自動合成
Abstract誤差が発生することを許容する代わりに、回路の低消費電力化や性能向上を図るApproximate Computingという技術が注目を集めている。本論文ではApproximate Computingを実現する乗算器の設計法を提案する。提案手法は、我々が以前提案した従来の手法を改良したものとなる。配列型乗算器を基礎として、部分積を計算するANDゲートを順に0か1に固定することで近似乗算器を体系的に設計する。本設計・解析手法を、8ビット及び16ビットの配列型乗算器に適用し、面積、性能、誤差のトレードオフを解析する。従来手法により設計した近似乗算器と比較し、近似乗算器の誤差解析時間、及び誤差に関するトレードオフが改善されたことを明らかにする。


セッション C1-2 招待講演
日時: 2017年5月11日(木) 10:45-11:30
部屋: 21会議室
座長: 峯岸 孝行 (三菱電機)

C1-2-1 (時間: 10:45 - 11:30)
題名(招待) 高位合成の近年の研究動向 〜デバイス技術とアプリケーション多様化〜
著者 ○原 祐子 (東京工業大学)
Pagep. 19
Keyword 高位合成, デバイス技術, 最適化


セッション WIP ポスターセッション
日時: 2017年5月11日(木) 12:00-13:00
部屋: イベントホール
座長: 山中 克久 (岩手大学 理工学部)

WIP-1
題名ボルテラフィルタを利用したカオスストリーム暗号に関する研究
著者 ◎嘉瀬 悠太, 中村 健志, 深貝 圭祐, 佐々木 博弥, 望月 彰太, 岡田 怜史 (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻博士前期課程), 鎌田 弘之 (明治大学理工学部電気電子生命学科)
Pagepp. 20 - 23
Keyword カオス, 暗号
Abstract現在IoTの普及が進み、コンピュータ以外にも家庭用電化製品や医療機器など多くの電子機器がインターネットに接続されている。その中でセキュリティの確保は重要な課題であるが、演算能力が低い機器に従来の暗号システムを実装するのは困難である。そこで、少ない演算量でも複雑な暗号システムが必要であり、カオス暗号は有効な手段である。本研究ではボルテラフィルタのパラメータの設定によるシステムの特性の変化、特にランダム性と復号への影響を中心に検証を行った。現段階ではランダム性と解の一意性を両立するシステムの確立には至っていないが、今後もハードウェア実装を視野に入れ検証を行っていく。

WIP-2
題名運動想起時の運動野の脳波の非線形解析
著者 ◎中村 健志, 嘉瀬 悠太, 深貝 圭祐, 佐々木 博弥, 望月 彰太 (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻), 鎌田 弘之 (明治大学理工学部電気電子生命学科)
Pagepp. 24 - 27
Keyword 運動想起, 非線形解析, EEG, 生体信号, 信号処理
Abstract近年、BCIと呼ばれる、脳波によって機械を操作する技術への関心が高まっている。運動想起時の脳波は、BCIへの利用が期待されている脳波のひとつである。そこで、実用的なBCIには有意性のある強度変化が必要である。そのため、有意な強度変化を得るために、NFTと呼ばれる脳波トレーニングを行うことがある。 現在、脳波解析は周波数解析が主流であり、NFTは周波数のみのフィードバックによるものである。そこで、非線形解析を用いることで、非線形解析特有の指標により、周波数以外の要素をNFTに用いることが期待できる。 本研究では、右手左手の運動想起時の運動野におけるα波帯強度の差を、非線形解析により比較する。

WIP-3
題名Haar-like特徴を利用した画像の平均輝度に依存しない物体検出
著者 ◎岡田 怜史, 上原 あかり (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻博士前期課程), 村中 祐紀, 鎌田 弘之 (明治大学理工学部電気電子生命学科)
Pagepp. 28 - 33
Keyword Haar-Like特徴, 輝度, コントラスト, 検出率向上
Abstractディジタルカメラやスマートフォンでの顔認識で用いられているHaar-Like特徴を用いた物体検出法は、検出率や汎化性能等ではディープラーニングによる手法に劣る反面、低演算リソース環境での物体検出では一定の成果を上げている。 Haar-Like特徴を用いた物体検出は、画像の局所特徴量に基づく物体検出法の一つに位置付けられており、撮影画像全体の特性に依存しにくいとされているが、実際に生成される物体検出プログラムは、屋外、室内等撮影環境に大きな差のある状況で、物体検出能力に差が生じている。 本研究は、撮影画像の平均輝度に依存しないHaar-Like特徴について検討して、様々な輝度特性を有する撮影画像に対する物体検出性能の向上を図る。

WIP-4
題名An Empirical Study on Window Sizes in NLM-based Image Denoising
著者 ◎Xiangbo Kong, Hiroyuki Tomiyama (Ritsumeikan University), Ittetsu Taniguchi (Osaka University)
Pagepp. 34 - 37
Keyword image denoising, NLM filter, window size
AbstractThis paper presents an empirical study on window sizes in the NLM filter. The NLM filter utilizes two types windows, the neighbor window and the search window. Although the sizes of the windows are important parameters in the NLM filter, a few work in the past studied the impacts of the window sizes on the denoising quality and processing time. In this work, we conduct extensive experiments with changing sizes of the neighbor window and the search window, and discuss their optimal sizes.

WIP-5
題名ストカスティック演算に基づくFIRフィルタの振幅特性測定
著者 ◎鎌田 裕成, 越田 俊介 (東北大学大学院工学研究科), 鬼沢 直哉 (東北大学学際科学フロンティア研究所), 阿部 正英 (東北大学大学院工学研究科), 羽生 貴弘 (東北大学電気通信研究所), 川又 政征 (東北大学大学院工学研究科)
Pagepp. 38 - 40
Keyword ストカスティック演算, FIRフィルタ, 周波数振幅特性
Abstract近年,従来の二値重み数系での演算に代わる演算法として,ストカスティック演算が注目されている.ストカスティック演算は,ベルヌーイ列と呼ばれるビット列を用いて演算を行う.桁の概念が存在しないため,ビットフリップによる誤差の影響が少ない点,乗算器の実装コストが二値重み数系と比べて大幅に削減できる点がストカスティック演算を用いる利点として挙げられている.本稿では,ストカスティック演算をディジタルフィルタに応用し,ストカスティック演算に基づくFIRフィルタをMATLABにより実現し,正弦波入力を用いて周波数振幅特性を測定し,結果について考察する.

WIP-6
題名特異値推定に基づくシングルフレーム超解像
著者 ◎相吉澤 孟, 高橋 智博 (東京理科大学), 小西 克巳 (工学院大学), 雨車 和憲, 佐々木 亮平, 古川 利博 (東京理科大学)
Pagepp. 41 - 42
Keyword 超解像

WIP-7
題名非線形な構造を持つ行列完成問題の特異値推定に基づく解法
著者 ◎佐々木 亮平 (東京理科大学), 小西 克巳 (工学院大学), 高橋 智博, 古川 利博 (東京理科大学)
Pagepp. 43 - 44
Keyword 行列完成問題, 低次元多様体, 特異値推定, 多変数多項式
Abstract本稿では低次元多様体上のデータを並べた,低ランク近似し難いデータ行列の行列完成問題について扱う.同問題において一般的な解法は行列の低ランク性の仮定に基づくが,本稿では対象の行列の特異値推定に基づく手法により低ランクではない行列完成手法を提案する.本手法は行列の特異値を降順に並べたときに,ある特異値がそれ以降の特異値よりも十分に大きいとの仮定に基づいた手法である.さらに本稿では低次元多様体から低次元線形空間に写像する関数が多変数多項式で近似できると仮定し,データ行列の各行ベクトルにおける多重指数による冪を要素として結合することで同問題の解法を提案する.数値実験により提案手法の有効性を示す.

WIP-8
題名SSVEP誘発を許容する視覚刺激の提示条件
著者 ◎松井 勇輝 (中部大学大学院工学研究科情報工学専攻), 松井 真秋, 板井 陽俊 (中部大学工学部情報工学科)
Pagepp. 45 - 46
Keyword SSVEP, 誘発範囲, 視覚刺激
Abstract点滅する視覚刺激(点滅刺激) へ注意や視線を向けることで誘発されることから,脳コンピュータインタフェイス(BCI) では利用者の意図を判別するために用いられる.実用上,点滅刺激は利用者の周辺状況把握を阻害しないよう正面を避けて配置されるため,刺激位置とSSVEP誘発量との関連性について検証する必要がある.一般的に視線外の点滅刺激に注意を向けると,SSVEP が強調されることが知られているが,注意までの距離と誘発量の関係はいくつかの報告があるのみである.本研究では,点滅刺激の種類,視線との位置関係,注意との位置関係とSSVEP 誘発量の関係に注目し議論を行う.

WIP-9
題名注意に起因する視覚誘発脳波と周辺状況の変化への応答
著者 ◎松井 真秋, 板井 陽俊 (中部大学工学部情報工学科)
Pagepp. 47 - 48
Keyword SSVEP, 危険予兆, 周辺状況, BCI
Abstract定常状態視覚誘発電位(SSVEP) は,一定間隔で点滅する光(点滅刺激) への注意によって誘発される脳波であり,脳コンピュータインタフェイス(BCI)の入力などに応用されている.BCI 入力時には命令が関連付けられた点滅刺激群のひとつに注意を向け,外部機器に意思伝達を行う.その際,周辺状況への注意が薄れるため,危険予兆発見の遅れ懸念される. 本研究では,色変化への反応時間とSSVEP を計測し,BCI 利用時の安全性評価について議論を行う.

WIP-10
題名半精度浮動小数点数を用いたディープラーニングに関する研究
著者 ◎上原 あかり, 岡田 怜史 (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻博士前期課程), 鎌田 弘之 (明治大学理工学部電気電子生命学科)
Pagepp. 49 - 53
Keyword ディープラーニング, 半精度浮動小数点数, VGG, SGD
Abstract近年、画像分野におけるディープラーニングの研究が盛んに行われている。ディープラーニングは複雑な特徴量を持つ画像に対しての汎化能力が高いが、特徴量を抽出するために膨大なデータを学習させる必要がある。学習モデルも精度の向上に比例して巨大化しているため、精度を損なわずに学習時間の短縮やモデルの軽量化を進める研究が行われている。 本研究は、学習の高速化およびモデルの軽量化を目的として、半精度浮動小数点数におけるモデルの精度分析をCIFAR-10を用いて行った。先行研究では畳み込み層が3層程度の浅いモデルでの検証に限られていたが、本研究では、VGGを参考におよそ 16 層の学習モデルを用いて検証を行った。

WIP-11
題名LSARとAICを用いた足音開始時刻検出法の改善
著者 ◎塩田 陽也, 板井 陽俊 (中部大学工学部情報工学科)
Pagepp. 54 - 56
Keyword 足音検出, 局所定常ARモデル, AIC
Abstract近年, 足音を用いた認証システムとして個人認証,年齢層, 男女の識別が行われている. 足音には個人の特徴があり, 歩行足音の例を図1 に示す. 歩行足音の特徴として歩行間隔の周期性, かかとが床につくインパクト音, 履物が床にこすれる摩擦音, つま先が床に衝突するつま先接地音などがある. これらの特徴を推定するためには正確な足音開始時刻が必要である. 本研究では, 足音が一定間隔に発生しない歩き始めに着目した足音開始時刻の検出法を提案する.

WIP-12
題名変分法を用いた透過マップ推定によるヘイズ除去における環境光推定の一検討
著者 ◎杉山 健太, 今川 隆司, 筒井 弘, 宮永 喜一 (北海道大学)
Pagepp. 57 - 60
Keyword ヘイズ除去, 環境光, 透過マップ, 変分法
Abstractディジタルカメラ等で撮影した画像から霧やもやなどを除去するために様々な 方法が提案されている.この様な手法は一般にヘイズ除去と呼ばれる.ヘイズ 除去では,ヘイズを含む画像から環境光と透過マップを推定し,本来のヘイズ のない画像を求める.現在,Retinex理論に基づく適応的階調補正の一つであ る,変分法に基づいて照明光を推定するアルゴリズムおよびその実装を応用し, ヘイズ除去のリアルタイム実装に取り組んでいる.本稿ではヘイズ除去におい て,変分法によって推定された透過マップの最小値を環境光として推定する方 法について検討する.

WIP-13
題名FPGA向け32コアアーキテクチャの設計
著者 ◎白國 誠也, 武苗 棟之 (立命館大学大学院理工学研究科電子システム専攻), 谷口 一徹 (大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻), 冨山 宏之 (立命館大学大学院理工学研究科電子システム専攻)
Pagepp. 61 - 62
Keyword メニーコア, アーキテクチャ, FPGA, Xilinx, MicroBlaze
AbstractFPGAの高集積化に伴い,多数のCPUコアから構成されるメニーコアアーキテクチャを1つのFPGA上に実装することが可能となった.そこで,本研究ではXilinx社のFPGAおよび設計ツールを使用し,対称型と非対称型の2種類の32コアアーキテクチャを設計し,その性能を評価する. 2種類のアーキテクチャにおいて,OSが動作するのは32コア中の1コアのみであり(ホストコアと呼ぶ),ホストコアが他の31コア(スレーブコアと呼ぶ)を制御する.また,2種類のアーキテクチャの違いはホストコアの位置である. アーキテクチャの評価方法として,Linuxの起動時間とGrayscaleプログラムの実行時間を測定した.これらの結果より,バスの混雑がプログラム実行のボトルネックとなることが分かった.

WIP-14
題名高位合成を使った軽量ブロック暗号の実装性能評価
著者 ○岡部 忠 ((地独)東京都立産業技術研究センター/情報技術グループ)
Pagepp. 63 - 68
Keyword 高位合成, 軽量ブロック暗号, FPGA, Vivado HLS
Abstract近年のFPGAを用いたシステム開発では,C/C++などのソフトウェア言語からRTL記述を合成する高位合成手法が盛んに利用されている.このような動向を受けて都産技研では,高位合成手法を使ったIPの研究開発を行なっている.本発表では,軽量ブロック暗号化方式として提案されている数種の暗号規格に対して高位合成手法を適用し,性能比較を行った事例を報告する.高位合成手法を用いることで,様々なアルゴリズムのハードウェア性能を容易に評価でき,要求仕様に最適な回路アーキテクチャを短時間で決定できる.

WIP-15
題名頂点の持つ可変量均等化を利用した中心性の実験的分析
著者 ◎高澤 栄一, 濱田 賢人, 篠宮 紀彦 (創価大学工学研究科)
Pagepp. 69 - 70
Keyword グラフ理論, ネットワーク分析, 中心性
Abstractこれまで,情報の伝搬特性を考慮した辺の重要度の算出手法を提案してきた.この手法では,各頂点に与えられた可変量を均等化する過程を用いて,情報の伝搬状態を表現し,グラフからある辺が取り除かれた際に伝搬状態の振る舞いがどのように変化するかを観察することによって重要度を算出している.本稿では,提案手法によって算出される重要度の持つ普遍的な性質を明らかにするためにシミュレーションを行った.その結果,提案する重要度とランダムウォーク媒介中心性では,特に頂点間の平均距離が長くなりにくいランダムグラフにおいて異なる性質を示した.

WIP-16
題名メモリアクセスパターンを考慮した遅延評価によるZDD構築の高速化
著者 ◎熊澤 輝顕, 高前田 伸也, 池辺 将之, 浅井 哲也, 本村 真人 (北海道大学)
Pagepp. 71 - 74
Keyword ZDD, フロンティア法
Abstract組み合わせ問題において、条件を満たす解を列挙し、数え上げる際に、ZDD(ゼロサプレス型二分決定グラフ)と呼ばれる場合分け二分木を圧縮したデータ構造を用いることにより、大規模な問題を現実的なデータサイズで表現することができる。しかし、ZDD構築に用いるフロンティア法はメモリアクセスパターンが不規則であるため、計算機の性能を活かすことが難しい。本論文では、その不規則性を解消する遅延評価型フロンティア法を提案する。


セッション AB1-1 アナログフィルタとデジタルフィルタ
日時: 2017年5月11日(木) 13:15-14:45
部屋: 21会議室
座長: 陶山 健仁 (東京電機大),中本 昌由 (広島大学)

AB1-1-1 (時間: 13:15 - 13:35)
題名l1正則化とLagrangeの未定乗数法に基づくスパースFIRフィルタの最適化
著者 ◎船井 慎二, 中本 昌由 (広島大学), 小西 克巳 (工学院大学)
Pagepp. 75 - 80
Keyword フィルタ, FIRフィルタ, Lagrangeの未定乗数法, l1正則化
AbstractFIR(Finite impulse response)フィルタは所望の特性を近似するためには,高次数になるという欠点がある.そこで本研究では,スパース制約(0係数)を課したスパースフィルタの設計法を示す.フィルタ特性の劣化を出来るだけ抑えながら乗算器を減ずる方法を考える.l1正則化によるスパース化とLagrangeの未定乗数法による最適化を組み合わせた手法を提案する.これにより,0係数に適した係数を探索し,その係数が0になるような部分にLagrangeの未定乗数法により制約を課すことで,フィルタ係数を最適にすることが可能となる.

AB1-1-2 (時間: 13:35 - 13:55)
題名正規直交はしご形構造をもつ全域通過非整数遅延ディジタルフィルタの実現
著者 ○越田 俊介, 阿部 正英, 川又 政征 (東北大学大学院工学研究科)
Pagepp. 81 - 86
Keyword ディジタルフィルタ, 全域通過, 非整数遅延, はしご形構造, 正規直交
Abstract著者らはこれまでの研究において,全域通過非整数遅延ディジタルフィルタの伝達関数を連分数に基づいて記述し,そのフィルタ構造をはしご形として構成する手法を提案している.本稿ではその手法を改良し,全域通過非整数遅延ディジタルフィルタにおいて,状態変数が互いに正規直交する性質をもつはしご形構造を提案する.そして,提案する正規直交はしご形構造が有限語長フィルタに関するさまざまな評価関数を同時に最小化し,かつリミットサイクルを発生させない非常に高精度な構造となることを理論的に示す.

AB1-1-3 (時間: 13:55 - 14:15)
題名直線位相最大平たんFIRディジタルn階微分器の一設計法
著者 ◎吉田 嵩, 國井 良介 (東京理科大学基礎工学部), 中本 昌由 (広島大学大学院工学研究院), 相川 直幸 (東京理科大学基礎工学部)
Pagepp. 87 - 92
Keyword FIRフィルタ, 微分, 直線位相, 最大平たん, 閉じた式
Abstract最大平たんFIRディジタルn階微分器は,入力信号の所望周波数帯域成分における高精度なn階微分の推定に有効である. 一方,ノイズの影響を抑制して推定精度を高めるためには,帯域制限つきFIRディジタルn階微分器が有効である. そこで本稿では,直線位相帯域通過最大平たんFIRディジタルn階微分器の一設計法を提案する. 提案法では,まず提案する微分器が満たすべき制約条件を定式化し,それを満たす最小次数の周波数特性を閉形式で表す. 提案法はフィルタ次数の偶奇,微分階数,所望周波数に関わらず設計でき,全域通過を含む直線位相最大平たんFIRディジタルn階微分器の一般形である.

AB1-1-4 (時間: 14:15 - 14:45)
題名(招待) 低係数感度フィルタ構造の解析的合成法
著者 ○八巻 俊輔 (東北大学)
Pagepp. 93 - 98
Keyword ディジタルフィルタ, アナログフィルタ, 平衡実現
Abstractアナログフィルタおよびディジタルフィルタにおける代表的な低係数感度フィルタ構造のひとつとして,平衡実現がよく知られている.本講演では,アナログフィルタおよびディジタルフィルタの平衡実現の解析的合成法および閉じた形の表現について紹介する.アナログおよびディジタルのいずれの場合においても,フィルタの極配置によって平衡実現の合成法および表現が異なる.また,アナログフィルタとディジタルフィルタの関係性を与える双1次変換の観点から,両者の平衡実現の導出法や特徴などの比較について論じる.


セッション A1-3 熱解析
日時: 2017年5月11日(木) 15:00-16:15
部屋: 21会議室
座長: 高橋 康宏 (岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科)

A1-3-1 (時間: 15:00 - 15:50)
題名(招待) 回路シミュレーションによる電力変換回路の熱・電気連成解析を目指して ― 自己発熱を考慮したパワーMOSFETのモデリング ―
著者 ○佐藤 高史, 大石 一輝, 新谷 道広, 廣本 正之 (京都大学)
Pagepp. 99 - 104
Keyword パワーMOSFET, 熱回路
Abstract大電力を扱うパワーMOSFETではその動作に伴う発熱が無視できない。電力変換回路等、パワーMOSFETを活用する回路を精度よくシミュレーションするには、MOSFET 自身の自己発熱を考慮することが重要である。本講演では、簡易な構成によりパッケージの熱回路を同定する手法を紹介し、この測定にもとづいて構成する自己発熱考慮パワーMOSFET モデルについて述べる。また、本MOSFETモデルを電力変換器のシミュレーションに用い、動作時のデバイス温度を推定し実測と比較した結果についても紹介する。

A1-3-2 (時間: 15:50 - 16:15)
題名特性測定に基づくパワーデバイスの自己発熱モデルを利用した電力変換回路の電気・熱連成解析
著者 ◎大石 一輝, 新谷 道広, 廣本 正之, 佐藤 高史 (京都大学)
Pagepp. 105 - 110
Keyword 電気・熱連成解析, 回路シミュレーション, デバイスモデリング, パワーデバイス


セッション A1-1 断熱的論理
日時: 2017年5月11日(木) 9:15-10:30
部屋: 22会議室
座長: 和泉 慎太郎 (神戸大学大学院システム情報学研究科情報科学専攻)

A1-1-1 (時間: 9:15 - 9:40)
題名断熱的論理を用いたS-Box回路の電流,エネルギー変動評価
著者 ◎河原 純平, 高橋 康宏, 関根 敏和 (岐阜大学大学院工学研究科)
Pagepp. 111 - 116
Keyword 断熱的論理, S-box, 暗号回路
AbstractSuica といったスマートカード等は広く普及しているが,内部の動作とクロック電流には相関があるため,動作時の周期ごとの電流変動を読み取る差分電力解析(DPA)により,秘密鍵が暴露するという問題も生じている.そのため,暗号用論理回路には少ない電流変動および消費エネルギー変動が求められる.近年,消費電力削減技術である断熱的論理が,動作電流を抑えられるため,DPA に耐性のある論理回路として使用できるとされているが,周波数ごとの変動による評価は行われていないため,本研究にて,Spice によるシミュレーションから特性指標を求め,評価を行う.

A1-1-2 (時間: 9:40 - 10:05)
題名FinFETによるダイオード接続断熱的論理回路の消費エネルギーの検討
著者 ◎林 勇輝, 高橋 康宏, 関根 敏和 (岐阜大学大学院工学研究科)
Pagepp. 117 - 120
Keyword FinFET, 断熱的論理, ロジック回路
AbstractFinFETとは,今までの平面型(プレーナ型)トランジスタとは異なり,構造を3 次元的な構造にし,プロセス面から高速動作性能と低消費電力性能を向上させたトランジスタである.一方,回路技術による低消費電力性能向上のひとつに,断熱的論理回路技術がある.以前,我々はFinFETクロックド2PC2ALという回路を提案した.クロックド2PC2ALは,2PC2ALの問題点である電源電圧が接する箇所で入力電圧を切り替えていることで起きる出力のフローティングを解消するために提案した回路である.クロックド2PC2ALの問題点は,電源と同期がとれていないクロックを使用しているため応用回路への展開が難しいことである.提案されている2PADCL を参考に,FinFET をダイオード接続したD2PC2AL を提案した.しかし,ダイオードの向きや接続構造により消費エネルギーや出力波形にどのような影響を及ぼすか検証が不十分であったため本研究においてその検証を行う.

A1-1-3 (時間: 10:05 - 10:30)
題名65nmSOTBを用いた断熱的論理回路群によるS-BOX回路の検証
著者 ◎山本 秀朗, 高橋 康宏, 関根 敏和 (岐阜大学大学院工学研究科)
Pagepp. 121 - 126
Keyword 断熱的論理, S-box, 暗号回路
Abstract暗号用論理回路の問題点としてサイドチャネル攻撃による情報漏洩が挙げられる.サイドチャネル攻撃は論理回路の電源から供給される電流のピーク値や消費電力などを解析されることが問題である.我々が以前提案した断熱的論理回路は暗号用の論理回路用途に非常に優れており,低消費電力および低電流変動の特性を示す.本研究では,65nmSOTB プロセスを用いて断熱的論理回路群によるS-boxを設計し,断熱的論理回路群での比較検証を行う.


セッション A1-2 アナログ・ディジタル回路
日時: 2017年5月11日(木) 10:45-12:00
部屋: 22会議室
座長: 山口 基 (ルネサスシステムデザイン)

A1-2-1 (時間: 10:45 - 11:10)
題名FinFET 4T-SRAMのSNMと読込,書込評価
著者 ◎分元 涼太, 高橋 康宏, 関根 敏和 (岐阜大学大学院工学研究科)
Pagepp. 127 - 131
Keyword FinFET, SRAM, SNM
Abstract集積回路の微細化に伴い,用いられるトランジスタは平面構造からFinFETのような3 次元構造のものへとシフトしている.FinFETは平面型のものに比べて漏れ電流が少なく,動作が高速であるために微細化と高密度化を進める上でも適したデバイスといえる.現在,FinFETベースのSRAM では従来の6 トランジスタ(6T) 構造のほか,低電圧時の読込,書込安定性を上げるため,7T構造など,トランジスタ数を増やした構(7T-10T) をとっている.しかし,FinFET 自体が微細プロセスであっても,高密度化の観点からトランジスタ数は少ないほうが良い.そこで,本研究では6T構造よりもトランジスタ数が少ない4T構造について,動作安定性(SNM) と読込,書込時間,消費エネルギーについて報告する.

A1-2-2 (時間: 11:10 - 11:35)
題名リングオシレータ位相によるカウンタ同期手法を用いた低消費電力時間ディジタル変換回路
著者 ◎岡澤 貴之, 秋田 一平 (豊橋技術科学大学)
Pagepp. 132 - 135
Keyword Time-to-Digital Converter (TDC), Ring-Oscillator-Based, Asynchronous, Time-Domain
Abstract時間ドメイン信号処理は微細プロセスにおいて有用なアプローチであるが,電子計測に応用するためには広入力レンジを持つ時間ディジタル変換回路Time-to-Digital Converter (TDC)が必要となる.広入力レンジなTDCとしてはRing TDCアーキテクチャが挙げられるが,構成要素であるリングオシレータおよびカウンタが非同期に動作するため,双方の同期が必要である.本研究ではリングオシレータの位相情報を用いて,カウンタとの同期を小面積,低消費電力に実現する手法を提案する.提案手法を用いたTDCの設計およびシミュレーションを,0.18μm 1P6M CMOSプロセスにおいて行った.シミュレーション結果から,全出力コードにわたって適切に同期が行われていることを確認した.

A1-2-3 (時間: 11:35 - 12:00)
題名Lfs積を用いた集積化マルチフェーズコンバータの小面積設計法
著者 ○佐藤 隆英, 小高 晃, 小川 覚美 (山梨大学)
Pagepp. 136 - 141
Keyword 集積化電源, マルチフェーズコンバータ, DC-DCコンバータ
Abstract完全集積化マルチフェーズコンバータの設計に際して出力電圧リプル、出力電力、電力効率が仕様として与えられた場合に、それらを満足しつつ、チップ面積を最小とするスイッチング周波数と受動素子の素子値の決定方法を明らかにている。求められる品質の電源回路を最小面積で実現した場合のチップ占有面積と相数の関係の理論式を導き、チップ占有面積が最小となる相数Mの決定方法についても述べている。提案する設計手法を用いた設計例を示し、その設計結果が仕様として与えられた電圧リプルを満たすことをシミュレーションにより確認している。提案手法を用いることで、必要な品質の出力電圧を必要な電力効率で供給可能な電源回路を最小のチップ面積で実現することが可能となる。


セッション B1-1 非線形解析と信号処理
日時: 2017年5月11日(木) 15:00-16:20
部屋: 22会議室
座長: 吉田 嵩 (東京理科大学)

B1-1-1 (時間: 15:00 - 15:20)
題名個体再配置領域拡大によるIIRフィルタ設計性能の改善
著者 ◎崎田 拓臣, 會見 春奈, 陶山 健仁 (東京電機大学工学部電気電子工学科)
Pagepp. 142 - 147
Keyword IIRフィルタ, PSO
AbstractPSO(Particle Swarm Optimization)を用いたIIR(Infinite Impulse Response)フィルタの設計法を提案する。本研究では,複数群PSOを用いて,探索停留時に複数の良解で決定される領域に個体を再配置し,局所解停留を回避する。従来法では,再配置領域決定のため,停留群以外の群をランダムに選択していた。一方,本研究では,停留群から遠い群を選択して再配置領域の拡大を狙い,問題空間を広く探索し,良解を探索する。設計例より,設計性能の検証を行う。

B1-1-2 (時間: 15:20 - 15:40)
題名非零桁数制限によるCSD係数FIRフィルタ設計の性能検証
著者 ◎中島 直樹, 笹原 知博, 陶山 健仁 (東京電機大学)
Pagepp. 148 - 153
Keyword FIRフィルタ, CSD
Abstract複数群GA(Genetic Algorithm)により,探索の多様化を促したCSD(Canonic Signed Digit)係数FIR(Finite Impulse Response)フィルタ設計手法について検討する.本設計問題では目的関数や局所解の個数が許容非零桁数に依存する.本研究では,許容非零桁数に対する設計性能の検証を行う.

B1-1-3 (時間: 15:40 - 16:00)
題名潮位データを用いた非線形解析および非線形予測
著者 ◎深貝 圭祐, 中村 健志, 嘉瀬 悠太, 佐々木 博弥, 望月 彰太 (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻), 鎌田 弘之 (明治大学理工学部電気電子生命学科)
Pagepp. 154 - 158
Keyword 非線形解析, 非線形予測
Abstract本研究では, 潮位に焦点をあてる。潮位予測をすることにより、異常潮位となるときに、予測値と実測値を比較することで、外的影響を推測することができる。また、非線形予測において、1ステップ予測を繰り返す方法とpステップ先を直接予測する方法の2つがあるが、どのようなときにどちらが最適かという詳細な決定はなされていない。そのため、潮位データに関して非線形解析および非線形予測を行う。非線形解析では、リアプノフ指数、Wayland testを用いて潮位データのカオス性について検討を行った上で、潮位データの再構成データを用い、どちらが最適な予測方法かということを予測値の正確性に基づき検討する。

B1-1-4 (時間: 16:00 - 16:20)
題名脳波のフラクタル解析を用いた多機能電話の操作性評価
著者 ○中川 匡弘 (長岡技術科学大学)
Pagepp. 159 - 164
Keyword 脳波, フラクタル, 感性, 非常電話
Abstract感性を定量的に算出する手法を用いることで、非常電話の使用感などを評価し改良に役立てることを目的とする。感性とは人間が外部からの影響を心に感じ取る精神活動であり、脳の活動状態と密接に関わっていると考えられる。そして脳波に関して、脳の活動状態は脳波の特徴によって定量化することが可能であるため、人の脳波を解析することにより人の感性を定量化することができると考えられる。そこで、本論文では、脳波のフラクタル性に基づき、タッチパネル式の多言語対応非常電話の操作性を評価し、実際の開発に適用した。その結果、不快感・ストレスを軽減した非常電話の開発に成功した。


セッション D1-1 グラフ・ネットワーク1
日時: 2017年5月11日(木) 11:10-12:00
部屋: 33会議室
座長: 山内 由紀子 (九州大学)

D1-1-1 (時間: 11:10 - 11:35)
題名On the Number of Edge-Constrained Triangulations without the General Position Assumption
著者 ○Katsuhisa Yamanaka, Masatoshi Murakami, Takashi Hirayama, Yasuaki Nishitani (Iwate University)
Pagepp. 165 - 170
Keyword enumeration, triangulation, edge-constrained triangulation
AbstractIn this paper, we experimentally investigate the number of edge-constrained triangulations of a given point set without the general position assumption. A triangulation of a point set is a subdivision of the convex hull of the point set into triangles. An edge-constrained triangulation of an edge set is a triangulation that includes all edges in the set. Katoh and Tanigawa proposed an efficient algorithm that enumerates all edge-constrained triangulations for a given point set in general position and an edge set. First, we showed that their algorithm can enumerate all edge-constrained triangulations without the general position assumption with a minor modification. Next, we implement the modified algorithm, then we experimentally investigate the number of edge-constrained triangulations without the general position assumption.

D1-1-2 (時間: 11:35 - 12:00)
題名Edge Load Factor Balancing 問題のNP困難性の研究
著者 ◎春日 輝, 山田 正史, 篠宮 紀彦 (創価大学工学研究科)
Pagepp. 171 - 176
Keyword ネットワークフロー, 負荷分散, NP困難, グラフ理論
Abstract本稿では,辺の負荷を平滑化するフローの経路を求める問題であるEdge Load factor Balancing (ELB)問題の再定式化と.ELB問題が持つ性質の分析を行った.再定式化では,有向グラフを用いることと,フローの可分性を考慮することにより,一般性を高めた.そして,既知のNP完全問題であるDirected Two-commodity Integral Flow(DTIF)問題との類似性からELB問題とDTIF問題の比較を行った.特に,ELB問題に制限を与えた場合について,DTIF問題からの多項式時間還元可能性の考察を行った.そして,ELB問題の複雑性クラスについて考察し,NP困難であると証明した.


セッション D1-2 招待講演1
日時: 2017年5月11日(木) 13:30-14:30
部屋: 33会議室
座長: 中田 充 (山口大学教育学部)

D1-2-1 (時間: 13:30 - 14:30)
題名(招待) 交通分野における最適化技術の活用
著者 ○外崎 幸徳 ((株)東芝 電力・社会システム技術開発センター)
Pagep. 177
Keyword 最適化, 探索, 最適制御, 省エネ
Abstract日本の鉄道は諸外国の鉄道と比較しても、高い定時性を保っていることが知られている。高い定時性を保つためには、緻密なダイヤの作成、車両の運用の計画、乗務員の運用の計画、点検計画などが必要であり、これら計画に基づいて定時性確保の妨げとなる遅延が発生した時の対策や車両や信号等の故障を未然に防ぐための対策が実施されている。近年はIoT技術との融合により、これら計画に対して更なる改善が進められており、その改善のために様々な最適化技術が活用されている。本講演では鉄道を含めたいくつかの交通分野において活用されている最適化技術について紹介する。


セッション D1-3 招待講演2
日時: 2017年5月11日(木) 15:00-16:00
部屋: 33会議室
座長: 田中 勇樹 (群馬大学)

D1-3-1 (時間: 15:00 - 16:00)
題名(招待) ストリームデータ圧縮とその応用
著者 ○坂本 比呂志 (九州工業大学)
Pagepp. 178 - 179
Keyword 可逆圧縮, 文法圧縮, 簡潔データ構造, オンラインアルゴリズム
Abstract近年,様々な情報処理を圧縮されたデータ上で実現する技術が登場し,小さなメモリには格納できない大量データの高速処理が可能となった。しかし,ストリームデータと呼ばれるネットワークを流れる静的でないデータに対しては,圧縮データ構造の管理が困難なため,これらの技術をそのまま適用することができない。そこで,動的な環境下においても実行可能なストリームデータ圧縮が注目されており,最近の研究とリアルデータへの応用について紹介する。


セッション SP 特別招待講演
日時: 2017年5月11日(木) 16:30-17:30
部屋: メインホール
座長: 越田 俊介 (東北大学)

SP-1 (時間: 16:30 - 17:30)
題名(招待) 回路とシステムワークショップと歩んだ変遷 〜ワークショップ運営、その支援システムの開発、そして起業〜
著者 田岡 智志 (広島大学)
Abstract回路とシステムワークショップは、若い研究者のために研究発表やワークショップ等の運営を経験する場として設立されました。そして今回で30回の開催を迎え、多くの研究者を育成してきました。筆者も、研究発表を行いまし たし、さらに、15年前の第15回の開催の際に幹事に抜擢された以降、運営に関わって来ました。その中で本ワークショップを含む学術的会議の運営支援を行うシステムを開発する機会が与えられ、その後、このシステムに関連するベンチャー企業を起業するまでに至りました。つまり、筆者も本ワークショップに育てられた一人と言ってよいでしょう。本講演では、本ワークショップの歴史を振り返り、筆者が経験したさまざまなエピソードをざっくばらんに紹介します。そして、学術的会議運営支援システムの開発の経緯や、このシステムに基づくベンチャー企業を立ち上げた経験などを紹介します。


2017年5月12日(金)

セッション C2-1 配線・レイアウト
日時: 2017年5月12日(金) 9:15-10:30
部屋: 21会議室
座長: 高島 康裕 (北九州市立大学)

C2-1-1 (時間: 9:15 - 9:40)
題名目標端子対接続の実現を目指す集合対間配線アルゴリズム
著者 ◎赤木 佳乃, 佐藤 真平, 高橋 篤司 (東京工業大学 工学院 情報通信系)
Pagepp. 180 - 185
Keyword 集合対間配線問題, 配線長差削減, 目標端子対集合, 配線領域
Abstract集合対間配線問題に対して,近い端子対の集合を目標端子対集合として設定し,それらを接続する初期解を生成することで,総配線長と配線長差の小さい配線を効率よく生成することを目指す.本稿では,初期解生成において,目標端子対集合に含まれる端子対をできる限り接続する配線を生成するアルゴリズムを提案する.目標端子対集合に含まれる端子対を全て接続する配線の実現を目指し,重なり度を導入し,他の目標端子対の接続を妨げない配線を優先して採用する.実験では,目標端子対集合を手動で決定し,提案アルゴリズムで得られた初期解を既存の最短配線冗長化アルゴリズムで修正することで,配線長差の小さい配線を効率よく得ることを確認した.

C2-1-2 (時間: 9:40 - 10:05)
題名HyPAR: Hybrid Planar Adaptive Routing Algorithm for 3D NoCs
著者 ◎Jindun Dai, Xin Jiang, Hongyi Huang, Lian Zeng, Takahiro Watanabe (Graduate School of Information, Production and Systems, Waseda University)
Pagepp. 186 - 191
Keyword Routing, Network-on-chip, Adaptive systems, Computer architecture, Deadlock free
AbstractIn this paper, a novel deadlock-free Hybrid Planar Adaptive Routing (HyPAR) algorithm without using virtual channels is proposed. In this method, by means of analyzing packet flow in the network, different routing rules are exploited in different layers so that traffic congestion is efficiently alleviated. Moreover, planar adaptive routing strategy is utilized to reduce redundant uneven adaptiveness and balance the network loads.

C2-1-3 (時間: 10:05 - 10:30)
題名側壁ダブルパターニングを前提とした2層配線手法
著者 ◎田村 昇也, 藤吉 邦洋 (東京農工大学 工学部 電気電子工学科)
Pagepp. 192 - 197
Keyword Self-Aligned Double Patterning, Channel Routing, 水平垂直異層配線
Abstract半導体の微細加工は光リソグラフィの露光限界を超えているが、このための製造技術の1つに側壁ダブルパターニング(SADP)がある。SADPを用いれば配線を微細にできるが、多層配線を行う場合、隣接層の配線を結ぶビアを小さく製造する技術は未熟であるため、ビアに接続する部分の配線を大幅に太くしなければならないことが既存手法では考慮されていない。そこで本稿では、SADPを前提とし、ビアに接続する部分の配線を大幅に太くすることを考慮した2層配線手法を提案する。提案手法では、一般的によく用いられている水平垂直異層配線の基で効率よく配線できるチャネル配線手法を拡張し、ビアに接続する部分の配線を大幅に太くすることに対応させている。


セッション BC2-1 人工知能の応用と実現技術
日時: 2017年5月12日(金) 10:45-12:05
部屋: 21会議室
座長: 杉浦 陽介 (埼玉大),市原 英行 (広島市立大)

BC2-1-1 (時間: 10:45 - 11:25)
題名(招待) サービスロボットのためのソフトコンピューティングとhw/sw複合体
著者 ○田向 権 (九州工業大学)
Pagepp. 198 - 201
Keyword サービスロボット, RoboCup@Homeロボット, ソフトコンピューティング, 深層学習, 画像認識
Abstract超高齢化社会の到来による生産年齢人口の急激な減少が予測されており,家庭や病院,オフィス等で活躍するサービスロボットの実現が期待されている.サービスロボットは産業用ロボットとは異なり,人間と自然なインタフェースで意思のやり取りを行いつつ人間と協調して働く能力が求められる.このためには,画像・音声認識をはじめとして多数の知的処理の実装が必要となる.一方で,組込みの観点から見ると,これら知的処理は演算量,消費電力,発熱等の問題から,全てをCPUやGPUを用いたソフトウェア実装することは現実的ではない.そこで知的処理のハードウェア実装が求められるが,単に知的処理回路のみを提供しても,ロボットプログラマが回路を含む複雑なシステムを使いこなすことは困難である.そこで本講演では,まず,RoboCup@Homeリーグ向けに開発を進めているホームロボットとそこに実装されている各種ソフトコンピューティング手法を紹介すると共に,知的処理の回路化,および,ソフトウェアやRobot Operating System(ROS)との融合を目指したhw/sw複合体について解説を行う.

BC2-1-2 (時間: 11:25 - 12:05)
題名(招待) ストカスティック演算に基づく省エネルギー脳型LSI実現の展望
著者 ○鬼沢 直哉, 松宮 一道, 羽生 貴弘 (東北大学)
Pagepp. 202 - 207
Keyword 確率的演算, 視覚情報処理, 信号処理, CMOS デジタル回路, ディープラーニング
Abstract近年,ディープラーニングをはじめとする「脳型コンピュータ」の研究が盛んに行われている一方で,人間の脳と比較して消費電力が膨大になってしまうことが知られている.本発表では,従来のソフトウェア一辺倒によるアプローチとは異なる,ハードウェア・ソフトウェアを一体化したブレインウェア構造に基づく脳型LSIについて述べる.またその実現方法として,ニューロンの確率的動作に起因する演算方式であるストカスティック演算を用い,脳の初期視覚野を模倣したLSIの実現例についていくつか述べるとともに,その省エネルギー性についても議論する.


セッション C2-2 信頼性設計
日時: 2017年5月12日(金) 13:30-14:45
部屋: 21会議室
座長: 古田 潤 (京都工芸繊維大学)

C2-2-1 (時間: 13:30 - 13:55)
題名トランジスタ劣化の永続・回復可能成分を考慮したしきい値電圧変動の時間依存モデル
著者 ◎新 瑞徳, 森田 俊平, 新谷 道広, 廣本 正之, 佐藤 高史 (京都大学)
Pagepp. 208 - 213
Keyword NBTI, デバイスモデリング, 劣化予測

C2-2-2 (時間: 13:55 - 14:20)
題名C-element を用いたソフトエラー耐性をもつSHCラッチの設計
著者 ◎田島 咲季 (早稲田大学 基幹理工学研究科), 戸川 望, 柳澤 政生, 史 又華 (早稲田大学 理工学術院)
Pagepp. 214 - 219
Keyword ソフトエラー, 低電力
Abstract近年の携帯電子端末の普及に伴い,CMOSテクノロジーの研究は日々進化している.同時に携帯性向上のためへの低面積化や,低電力化が強く求められている.微細化に伴い,回路の臨界電荷量が急激に低下し,わずかな電荷量でもソフトエラーが発生するようになってしまった.よって,ソフトエラーは技術の発展を妨げているといえる. 従来,ソフトエラーの発生原因を利用したものや多重化を行うものなど,様々な耐性手法が提案されてきた.C-element を使用した耐性技術としては,TFH ラッチやFERST ラッチ[12],HiPeR[13] ラッチ等が挙げられる.しかし,従来の技術は回復できるノードに制限があるこ とや,多重化による電力オーバーヘッドが大きいこと等の問題が挙げられる.以上より,低電力かつどのノードでエラーが発生しても回復できるラッチの設計技術の開発が急務であるといえる.本稿では,C-element を使用し,低電力化を目指した耐ソフトエラーラッチであるSHC ラッチの提案を行う.SHC ラッチと既存の耐ソフトエラーラッチを実装し,spice シミュレーション・評価を行う.SHC ラッチ はHiPeR ラッチと比較し,最大で80.52% の電力削減を達成した.また,改良SHC ラッチはFERST ラッチと比較し,最大で66.04% の遅延削減を達成した.

C2-2-3 (時間: 14:20 - 14:45)
題名内部ノードを利用したソフトエラー検出ラッチの設計
著者 ◎中垣 直道, 戸川 望, 柳澤 政生, 史 又華 (早稲田大学基幹理工学研究科)
Pagepp. 220 - 225
Keyword Soft Error Detection(SED) latch, ソフトエラー
AbstractLSI の微細化により、ばらつきや経年劣化といった様々な信頼性の低下を招く問題が顕在化するようになっている。近年、LSI の信頼性の低下を引き起こす原因の一つとして放射線起因のソフトエラーが問題になっている。放射線の影響が大きい環境で使用される航空機や、人命に関わる医療機器等では、ソフトエラー対策は必須である。既存の耐ソフトエラー技術は、ある程度は回復できるが、ソフトエラー発生タイミングによる後続の論理回路への影響がある。つまり、後続の論理回路への影響を無くすためにエラー検出機構を付与するのが望ましい。そのため、本稿では内部ノードを利用してソフトエラーの検出を行うことを目指したSED(Soft Error Detection) ラッチを提案する。


セッション A2-1 回路と数値解析1
日時: 2017年5月12日(金) 9:15-10:30
部屋: 22会議室
座長: 山根 大輔 (東京工業大学)

A2-1-1 (時間: 9:15 - 9:40)
題名Verilog-Aを用いたランダムテレグラフノイズ発生用モジュールを適用したリングオシレータ回路における過渡解析
著者 ○駒脇 拓弥, 籔内 美智太郎, 岸田 亮, 古田 潤, 小林 和淑 (京都工芸繊維大学 電子システム工学専攻)
Pagepp. 226 - 231
Keyword MOSFET, ランダムテレグラフノイズ, RTN
Abstract近年の集積回路素子の微細化により, ランダムテレグラフノイズ (RTN)による信頼性の問題が顕在化してきている. RTNはゲート酸化膜に生じた欠陥に, キャリアが捕獲または放出されることで, MOSFETのドレイン電流が増減する現象である. 本論文では回路シミュレーションにおけるRTNのシミュレーション手法を検討し, RTNを擬似的に引き起こすモデル (RTNモジュール)を構築した. RTNモジュールは電流値変動をしきい値電圧の変動値として扱っているため, 電圧源として振る舞う. リングオシレータ回路にてシミュレーションを行った結果, RTNに起因する発振周波数の時間的な変動が得られた.

A2-1-2 (時間: 9:40 - 10:05)
題名回路のステップ応答に基づく入出力応答の直接推定
著者 ◎松下 優斗 (岐阜大学大学院工学研究科), 関根 敏和, 高橋 康宏 (岐阜大学工学部)
Pagepp. 232 - 236
Keyword 入出力推定, ステップ応答, インパルス応答, 逆問題, テレゲンの定理
Abstract通常,回路の任意入力に対する出力を推定するには,その入力とインパルス応答との畳込み積分が用いられる.ここで,任意入力とその出力からインパルス応答を得ようとする場合,その入力は,インパルス応答が含むすべての周波数成分を含む必要がある.したがって,一般的には,立ち上がりの急峻な入力波形が必要になるが,測定などの場合には,そのような入力波形を用意するのが困難な場合もある.このような場合に,高調波成分が少ないステップ応答を用いて出力を推定することが考えられる. 本文では,まず.信号の行列表現を用いて,任意の入力とその出力から回路のステップ応答を効率よく求める方法を述べる.次に,別の任意入力に対する出力が,ステップ応答の計算を省略して直接推定できることを述べる.また,任意出力からそれに対応する入力を推定できるように,本方法を拡張する.本文の方法は,逆伝達関数を求めることなしに,ステップ応答から直接入力を推定できる.

A2-1-3 (時間: 10:05 - 10:30)
題名測定ポート数と被測定回路のポート数が異なる間接Sパラメータ推定におけるTパラメータの自由度
著者 ◎小島 侑也 (岐阜大学 大学院 工学研究科), 関根 敏和, 高橋 康宏 (岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科)
Pagepp. 237 - 242
Keyword 間接Sパラメータ測定, Sパラメータ, ディエンベディング, Tパラメータ, マルチポート
Abstract治具を介する間接Sパラメータ測定では,測定値から治具の特性を取り除くことで被測定回路のSパラメータを得る.治具の特性をTパラメータで表すと,その推定式が線形方程式になり,線形最小2乗法でTパラメータを得ることができることが知られているが,本文では,これを,測定ポート数mと被測定回路のポート数nが異なる場合に拡張する.結果として,mがnより多い場合には,治具のTパラメータに自由度があり,各行に付きm-n個の要素を任意の値に指定できること,および,逆の場合は,Tパラメータが存在しないことを示す.


セッション A2-2 回路と数値解析2
日時: 2017年5月12日(金) 10:45-12:00
部屋: 22会議室
座長: 秋田 一平 (豊橋技術科学大学)

A2-2-1 (時間: 10:45 - 11:10)
題名整数計画ソルバーを用いた区分的線形抵抗回路の完全解析
著者 ◎高原 弘樹, 渡辺 涼太, 山村 清隆 (中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科)
Pagepp. 243 - 248
Keyword 回路シミュレーション, 回路と数値解析, 非線形回路, 整数計画法, 完全解析
Abstract区分的線形抵抗回路の解析では,非常に複雑な形状の解集合をもつ回路を扱うことがある.例えば直流動作点が連続かつ非有界となる回路,特性曲線が多角形などの平面を含む回路,解集合が非凸多面体となる回路などである.このような複雑な形状の解集合をもつ回路の全ての解を求めることを完全解析と呼ぶ.完全解析法の開発は新しい半導体素子が発見されたときに即座に対応する意味でも重要となる.本論文では,整数計画ソルバーCPLEXを用いた区分的線形抵抗回路の完全解析法を提案する.この方法は実装が容易で,整数計画問題をCPLEXで2回解くだけで全ての完全解を高速かつ簡単に求めることができる.

A2-2-2 (時間: 11:10 - 11:35)
題名PWMパルス列を含むバースト波形を生成可能なパルス形ハードウェアニューラルネットワーク
著者 ◎阿部 水樹, 高藤 美泉, 齊藤 健, 内木場 文男 (日本大学理工学部)
Pagepp. 249 - 254
Keyword メカトロニクス, PWM, ニューラルネットワーク, アナログ電子回路
Abstract脳や神経系を構成しているニューロンは、生体の高度な情報処理能力や制御システムと密接な関係にあり、これらの工学的応用を目的として,人工ニューラルネットワーク(ANN)の研究が盛んに行われている。中でもメカトロニクス分野においては、優れた制御システムを実現するために生体を模倣したシステムが数多く研究されており、ANNによる生体のメカニズムを応用した制御システムが注目されている。PWMはパルス波形を利用した制御信号である。そのためアナログパルス波形を出力として扱うパルス形ハードウェアニューラルネットワーク(P-HNN)と非常に親和性が高い。そこでPWMパルス列を含むバースト波形を生成可能なP-HNNを開発したので報告する。

A2-2-3 (時間: 11:35 - 12:00)
題名HEVCにおける機械学習を利用したCUサイズとPUサイズ決定の高速化とVLSIアーキテクチャ
著者 ◎蔡 豐宇, 古田 渓, 藤田 玄 (大阪電気通信大学大学院工学研究科)
Pagepp. 255 - 260
Keyword HEVC, 機械学習
AbstractHEVC(High Efficiency Video Coding)は符号化の演算量が大きいという問題点があり、特にCU(Coding Unit)サイズを決定する処理が顕著である。これに対して、近年、機械学習を用いたIntra CUサイズの高速決定手法に関して多くの研究報告がなされている。一方、Inter CUに関する報告例は少ない。本研究では、機械学習を用いてIntra CUのみならず、Inter CUのサイズを高速決定する手法を検討する。具体的には、Intra CU 、Inter CU のサイズとInter PU サイズを高速決定する手法を検討する。さらに、VLSIアーキテクチャに関しても検討する。


セッション B2-1 画像・音声信号処理
日時: 2017年5月12日(金) 13:30-14:50
部屋: 22会議室
座長: 高橋 智博 (東京理科大学)

B2-1-1 (時間: 13:30 - 13:50)
題名人間の周辺視野特性を補完する車両検出方法
著者 ○豊田 計時, 佐藤 陽悦 (一関工業高等専門学校)
Pagepp. 261 - 266
Keyword 周辺視野, 車両検出, 機械学習
Abstract見通しのよい交差点における事故は2つの条件が重なって起こる。1つは2車両が将来衝突する関係にあるコリジョンコースにあること、1つは相手車両が回避することが困難である周辺視野に入ってしまいその存在に気付けないことである。見通しのよい交差点で起きる出会い頭の事故は田園型事故と呼ばれ、田園型死亡事故は年間約400件発生することが知られている。人間には周辺視野内にある物体を見失う致命的な弱点があり、これを画像処理などにより補完することが必要である。本論文では、従来の衝突安全(追突)の概念を斜め側方車まで拡張するものである。車両検出アルゴリズムを工夫してコリジョンコース車両の検出を安定して行えるようになったので報告する。

B2-1-2 (時間: 13:50 - 14:10)
題名カラリゼーション符号化のためのグラフ信号処理を用いた色指定情報の圧縮
著者 ◎雨車 和憲, 高橋 智博 (東京理科大学), 小西 克巳 (工学院大学), 古川 利博 (東京理科大学)
Pagepp. 267 - 270
Keyword カラリゼーション, 画像符号化, グラフ信号処理
Abstractカラリゼーション符号化と呼ばれる,画像の色復元問題であるカラリゼーションを応用した画像符号化が提案されている.この手法では,符号化の際に色指定情報と呼ばれるいくつかのカラー画素を抽出して保存し,復号化の際にはカラリゼーションを行う事でカラー画像を復元する.ここで,一般に色指定情報の画素は画像上に不規則に配置されるため,色指定情報の保存は1画素ずつ個々に保存が行われる.本研究では,近年盛んに研究が行われているグラフ信号処理に着目し,色指定情報の各画素を頂点としたグラフを考えることで,すべての色指定情報を効率的に保存する手法を提案する.数値実験により提案手法の有効性を示す.

B2-1-3 (時間: 14:10 - 14:30)
題名三角関数の近似による複数音源追尾
著者 ◎大宮 健太, 陶山 健仁 (東京電機大学)
Pagepp. 271 - 276
Keyword 音源追尾, マイクロホンアレー, テイラー級数
Abstract本研究では,2マイクロホンによる複数音源追尾について検討する.先行研究では,2マイクロホンによる複数音源追尾手法が提案されている.しかしながら,装置への実装を考慮し,DSP (Digital Signal Processor) に実装することを想定した場合,演算コストやメモリ数の制限などの問題が生じる.さらに,安価なDSPを使用する場合,一般に三角関数を含むライブラリ関数をもたない場合が多い.そのため,ライブラリ関数の近似値を用いて演算を行う必要がある.本研究では,三角関数をテイラー級数により近似値を算出し,演算に用いた場合の複数音源追尾について検討する.実環境実験より提案法の有効性を示す.

B2-1-4 (時間: 14:30 - 14:50)
題名音源分離の後処理のための目的音強調
著者 ◎篠原 尚希, 陶山 健仁 (東京電機大学)
Pagepp. 277 - 282
Keyword 音源分離, 線形フィルタ, 目的音強調
Abstractこれまで音源分離手法は多数提案されているが,しばしば妨害音声の残留が問題となる.そこで,音源分離結果の後処理に線形フィルタを用いた目的音強調を検討する.その際,線形フィルタを学習するために教師信号が重要となる.しかしながら,一般に教師信号は未知であるため,本研究ではcue signal法に従い教師信号を生成する.cue signal法では目的音抽出の手掛かりとなるcue signalと受音信号を乗算して教師信号を生成する.本研究では,音源分布に基づきcue signalを生成し,目的音強調を行う.


セッション D2-1 グラフ・ネットワーク2
日時: 2017年5月12日(金) 9:40-10:30
部屋: 33会議室
座長: 山中 克久 (岩手大学 理工学部)

D2-1-1 (時間: 9:40 - 10:05)
題名2部グラフの細分のスタックキューミックスレイアウト
著者 ○宮内 美樹 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
Pagepp. 283 - 288
Keyword グラフ理論, グラフレイアウト, スタックキューミックスレイアウト, グラフの細分点数, 2部グラフ
Abstract任意のグラフGの細分のスタックキューミックスレイアウトについては,Woodらが,スタック数そしてキュー数に依存した Gの細分点数をもつレイアウトを構成した結果が知られている. 本稿では、完全2部グラフに対してこの結果を改良した.

D2-1-2 (時間: 10:05 - 10:30)
題名3-uniform chain上のトークン整列問題について
著者 菊地 洋右 (津山工業高等専門学校総合理工学科), 益江 大地, ◎箭内 風海 (津山工業高等専門学校情報工学科)
Pagepp. 289 - 294
Keyword トークン整列問題, hyper graph, 3-uniform chain
Abstract本論文ではグラフ上で考えられていたトークン整列問題を hyper graph上でのトークン整列問題に拡張し, 定式化した. その上で, 3-uniform chainでのトークン整列問題に対するアルゴリズムを設計した.


セッション D2-2 離散システム理論
日時: 2017年5月12日(金) 10:45-11:35
部屋: 33会議室
座長: 山口 真之介 (九州工業大学 学習教育センター)

D2-2-1 (時間: 10:45 - 11:10)
題名組合せ回路用テストパターン生成への計算機代数システムの利用に関する一試行
著者 ○稲元 勉, 遠藤 慶一, 樋上 喜信, 小林 真也 (愛媛大学)
Pagepp. 295 - 300
Keyword 組合せ回路, 故障検出, テストパターン生成, 計算機代数システム
Abstract本稿は,組合せ回路の故障を効率的に検出するテストパターン生成手法の開発を最終目的とし,回路の性質を調べるために計算機代数システムを利用する1つの試みについて報告することを目的とする. この試みは,論理関数を多項式とみなせば,外部出力多項式を外部入力変数で偏微分することが可能になるという素朴な考え,および偏微分後により得られた多項式を調べることで外部入力の重要度に関する情報を得ることができるという期待に基づいている. 計算結果では,小規模回路の特定の外部出力に着目し,特定の外部入力を網羅的に検査するテスト生成手法による故障検出に要したテストパターン数と,偏微分により得られた多項式の特徴との関係を例示する.

D2-2-2 (時間: 11:10 - 11:35)
題名二つのシナリオで定義されるコレオグラフィの実現可能性の検討
著者 ◎木下 聖基, 宮本 俊幸 (大阪大学大学院工学研究科)
Pagepp. 301 - 306
Keyword サービス指向アーキテクチャ, 統一モデリング言語, コレオグラフィ実現問題, 自動合成, モデルベース開発
Abstractサービス指向アーキテクチャにおいて,コレオグラフィと呼ばれる抽象的な仕様から具体的な振舞いモデルを合成する問題はコレオグラフィ実現問題として知られる. 本論文ではコレオグラフィが二つの非循環関係によって与えられる場合に振舞いモデルが満たすべき条件について考察する.また,本論文では二つのコレオグラフィを満足する一つの非循環関係を求めるアプローチをとる.このとき,振舞いモデルが満たすべき条件は非循環関係を有向グラフで用いて表したときの閉路の長さや数によって与えられる.