報告
国際会議「NOLTA2000
(2000 International Symposium on Nonlinear Theory and its
Applications)」報告
(牧野光則 (中大))
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1990年に広島県蒲刈島にてスタートし、今年11回目を迎えたNOLTAは9月17〜21
日にバロック建築物が多く残るドイツ・ザクセン州・ドレスデンのドレスデン
工科大学(T.U. Dresden)にて開催された。NOLTA2000は海外で6回目・ヨーロッ
パで2回目の開催にあたり、1997年以来4回連続の海外開催である。
9月17日夕のreceptionに引き続き、翌18日午前にopeningが実施された。まず、
General Co-Chair兼Local Arrangement ChairであるProf. Wolfgang Schwarz
(T.U. Dresden)の司会のもと、General Co-Chairの大石進一教授(早大)が
1990年以来のNOLTAの歴史・目的・意義について説明があり、今回のNOLTA2000
が意義あることを希望する旨挨拶があった。引き続いて開催会場である
T.U. DresdenのAchim Mehlhorn学長が歓迎の祝辞を述べられた。
写真(ps.gzファイル)
そして、Keynote Addressとして次の2講演が実施された。
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Looking for the origin of the broken-egg chaotic attractor
Yoshisuke Ueda (公立はこだて未来大)
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The Probabilistic Approach to Chaos and Irreversible Extensions
of Dynamics
Ilya Prigogine and Ioannis Antoniou (Int. Inst. of Phys. & Chem., Belgium)
この2講演後昼食に移り、午後からtechnical sessionが6会場に分かれて開始
された。なお、今回の昼食は参加費に含まれており、大学食堂にてビュッフェ
スタイルであった。お国柄か昼食にビールを飲めるのは個人的には驚きであっ
た。
19日午前も6会場にてtechnical sessionが開催され、午後にはplenary talkと
して以下の3講演が実施された。
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Modelling and Solution of a Discharge Phenomenon
---- Story of a Nonlinear Stephan-type Problem
Masao Iri (中大)
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Digital Communications using Chaos over
an Additive White Gaussian Noise Channel
Martin Hasler (EPFL, Switzerland)
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Barkhausen and Nonlinear Systems
Wolfgang Schwarz (T.U. Dresden, Germany)
講演に引き続き、中島康治NOLTA2001 General Co-Chair(東北大)より次回の開
催について案内があった。
なお、3番目の講演の主題である故Prof. Barkhausen (1881〜1956) は日本と親
交があったとのことで、会場ロビーには彼の業績(著作の日本語への翻訳(1933
年発行)もあった)と共に来日時の日本の新聞記事や電気通信学会(現在の本学
会)から贈呈された名誉員ならびに功績賞の賞状が展示されていた。
写真(ps.gzファイル)
19日夜にはBanquetとして市内を流れるエルベ川を蒸気船に乗り込み、上流の
ピルニッツ宮殿までの往復クルーズを約3時間、音楽と共に楽しんだ。
20日終日ならびに21日午前中はtechnical sessionを5〜7会場にて実施し、全
てのsessionの終了後、``Good-by Snack''として軽食をとりつつ、最後の交歓
を参加者は楽しんだ。
なお、会期中会場内のコンピュータルームをNOLTA参加者に開放頂き、インター
ネットにアクセス可能な環境が提供された。参加者はメールの利用の他、開始
直後であったシドニーオリンピックの情報を得ていたようである。ドイツのテ
レビでは当然ながら日本代表選手の活躍はほとんど報道されない(中田のPKが
外れたシーンは見た記憶がある)ので、日本からの参加者にとって重要な情報
源であったことは間違いない。
technical sessionは2件のkeynote address、3件のplenary talk、8企画の
special session、31のregular sessionで構成され、論文集に収録された論文
は約240件に及んだ(数件の口頭発表があったので、講演数はこれを上回る)。
内容は本学会が中心に取り扱う電子情報通信分野はもちろんのこと、経済に現
われる非線形についてもsessionが組まれ、非線形がいかに横断的な学問分野
であるかが察せられる。通常の大会・研究会では得られない他の分野の研究者
との交流もNOLTAの主目的の一つであり、その意義は今回も十分に達成された
と確信している。
また、226名の参加者の国別内訳は以下の通りである(所属機関で分類):
| 日本 | 142名 | ドイツ | 17名 | ロシア | 17名 |
| イタリア | 6名 | ポーランド | 6名 | ベルギー | 5名 |
| スイス | 4名 | イギリス | 4名 | ルーマニア | 4名 |
| チェコ | 3名 | ウクライナ | 2名 | チュニジア | 2名 |
| 台湾 | 2名 | フランス | 2名 | 中国 | 1名 |
| ベラルーシ | 1名 | アルゼンチン | 1名 | ブラジル | 1名 |
| ハンガリー | 1名 | アイルランド | 1名 | レバノン | 1名 |
| メキシコ | 1名 | スペイン | 1名 | オランダ | 1名 |
| | 合計 | 226名 |
ヨーロッパからの参加が多かったのはドイツ開催の意義が生かされていると思
われるが、開催時期の関係からかアメリカからの参加がなかったのは残念であ
る。しかしながら、参加国数は増加しており、NOLTAが非線形の分野で国際的
認知が進んでいることを示している。
NOLTAは本ソサイエティに所属する非線形理論とその応用学術研究集会が主催
しており、開催会場にかかわらずその準備には日本が深く関わっている。今回
のNOLTA2000はGeneral Co-Chairの大石進一教授(早大)のもと、program、
registration、financeなど主要部分の準備が主に日本にて実施された。一方、
publicationはlocal arrangementと共にドイツにて行われた(このため、
NOLTA2000論文集にはドイツの出版社のISBNが付されている)。この日独の共同
作業が円滑になされたことが、NOLTA2000の成功の大きな要因であろう。
NOLTA2000の準備を2年間にわたり入念に進め、成功に多大なる貢献をされた、
General Co-Chair兼Local Arrangement ChairのProf. Wolfgang Schwarz (T.
U. Dresden)、Mr. Andreas Bauer (T. U. Dresden)ならびにドイツのスタッフ
の方々に深く感謝する。また、旧ソ連・東欧からの講演者20名への旅費補助を
快諾されたドイツ連邦共和国ザクセン州政府の協力なしにはNOLTA2000の成功
はありえなかった。日本側スタッフを代表してここに深い謝意を表すると同時
に、日本のスタッフ全員と成功の喜びを分かち合いたい。
次回のNOLTA2001は1996年の高知・桂浜以来5年ぶりに日本に戻り、2001年10月
に宮城蔵王にて開催予定である。なお、これまでのNOLTAならびに将来のNOLTA
に関しては
http://hawk.ise.chuo-u.ac.jp/NOLTA/にて継続的に情報を提供し
ている。