報告

第1回 フェロー称号贈呈式 報告

(庶務幹事 牧野光則 (中大))

9月30日〜10月3日に名古屋工業大学で開催されたソサイエティ大会において、 第1回フェロー称号贈呈式が開催された。贈呈式はソサイエティ別に行われ、 基礎・境界ソサイエティでは10月2日午後にフェロー称号贈呈者29名を含む95 名が集い実施された。 贈呈式は山田庶務幹事の司会のもと、中村ソサイエティ会長の挨拶で開始され た。中村会長は初のフェロー称号贈呈式にあたり祝辞を述べると共に、贈呈式 はソサイエティ別に行われるものの、フェロー称号は学会として学会長名で贈 呈することを説明した。また、ソサイエティ会員数が減少傾向にある現状に触 れ、ソサイエティ活性化に協力を要請した。これに関して、大会等にその分野 で高名な方々が積極的に参加いただき、若手研究者・技術者の発表に質問・コ メント等をすることによって発表者や聴講者に好影響を与えることを強調した。

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続いて、本ソサイエティから推薦され、7月の理事会にて承認されたフェロー 35名のうち、贈呈式に出席した29名一人一人に中村ソサイエティ会長からフェ ロー盾ならびにフェローバッジが贈呈された。
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続いて被贈呈者を代表して尾上守夫フェローより挨拶があった。フェロー贈呈 に感謝すると同時にソサイエティならびに学会に対して以下の意見を寄せられ た。
  1. 新分野は既存の学会が扱っていない部分に生まれることが多く、そのよ うな新分野をいかに着目・カバーするかが重要である。また、最近中国では ``innovation''を古い技術を前提としている「革新」ではなく、全く新しいも のを作り出す意味を込めて「創新」という用語を使用するそうである。基礎・ 境界を冠する本ソサイエティは電子情報通信学会の中でも創新を目指し、新技 術分野を担って欲しい。
  2. 基礎分野を担う本ソサイエティは世界を相手に勝負することが宿命付け られている。このためにも、世界に対してプライオリティをより強く主張でき る媒体が必要である。また、国立大学博士後期課程の約半数が留学生である現 状を考えると、彼らの帰国後もサポートするのは学会の役割ではないか。ソサ イエティ会員が減少傾向にあるというが、IEEE Region 10の会員数は増加して いる。これらの理由から、本ソサイエティが担う全ての媒体・発表を英語にし た方が良いのではないか。
  3. 第二次世界大戦から既に半世紀が過ぎ、日本の電子情報通信技術の歴史 が埋もれつつある。学会がインターネットで仮想博物館を構築するべきではな いか。収蔵物については重要か否かは後世に判断をゆだねることとし、過去の 技術に関するマルチメディアデータの個人等からの寄託を学会が受け入れて欲 しい。
なお、ソサイエティ活性化への協力要請に関して、参加しやすい環境整備を希 望された。 最後に閉会の辞が司会から述べられ、贈呈式を終了した。引き続き別会場で行 われたソサイエティ大会懇親会にて写真撮影が行われ、他ソサイエティにて贈 呈がなされた全フェローが集い歓談の場がもたれた。 今回のフェロー贈呈者35名の氏名(敬称略)と贈呈理由は以下の通りである。な お、第2回のフェロー候補者の推薦受付が既に会誌等にて告知されていること を付記する。
阿部 武雄高周波計測と移動通信の研究及び通信工学の教育に対する貢献
有本 卓 情報理論とシステム制御工学への貢献
伊理 正夫離散システム論の電子情報通信分野への応用に関する先駆的研究
岩垂 好裕情報理論・符号理論、特にバースト誤り訂正畳込み符号の研究
大谷 隆彦パルス音波の音場理論に関する研究
大附 辰夫電子回路設計の自動化技術の開発研究
岡田 直之統合的知能情報処理の研究
小澤 孝夫回路網の解析・診断及び設計に対する理論とアルゴリズムの研究
翁長 健治自立分散環境における社会アルゴリズムの研究
尾上 守夫圧電デバイス及び超音波応用の研究・開発における先駆的業績
笠原 正雄情報通信システムにおける基礎的研究と情報倫理構築に関する貢献
嵩 忠雄符号理論・形式言語理論及び工学教育への貢献
城戸 健一ディジタル信号処理を利用した音響・音声情報処理工学の開拓
古賀 利郎多変数回路・時変回路及び非線形回路構成に関する研究
佐々木 正文信頼性研究会委員長として信頼性技術を向上、学会活動を推進
篠田 庄司回路とネットワークのグラフ理論的研究の発展への貢献
白川 功大規模集積回路の設計自動化手法の先駆的研究
関根 慶太郎アナログ集積回路技術の教育並びに技術発展への貢献
武部 幹信号処理回路の設計理論の構築と高性能化への貢献
田崎 三郎ディジタル記録対応の信号処理と画像対応ベクトル量子化への貢献
中鉢 憲賢超音波計測に関する研究・教育への貢献
永井 信夫分布定数回路理論に基づく回路とシステムへの貢献
西 哲生非線形回路の解の存在条件に関する研究
羽鳥 孝三分布定数回路理論の構築とマイクロ波回路へのその応用
羽鳥 光俊通信工学・放送工学の先駆的研究・開発とその推進・進展への貢献
樋口 龍雄ディジタル信号処理とVLSIコンピューティングへの貢献
藤崎 博也音声言語情報処理・ディジタル信号処理の分野における業績と貢献
古谷 勝美コンピュータシステムの信頼性向上に関する研究
丸林 元スペクトル拡散通信とその応用に関する研究開発推進の貢献
南 敏データ伝送並びにディジタル画像通信の研究・教育
森 真作非線形回路に関する基礎的研究と研究者の育成
柳澤 健能動RCフィルタの研究・開発
山之内 和彦弾性表面波の基礎と工学応用の研究
吉田 典可学会活動の推進と地域社会における技術振興に対する著しい貢献
渡部 和回路理論と計算機の研究開発を推進しCADを開拓した先駆的貢献