2000年総合大会 ソサイエティ企画 案内
チュートリアル TA-1 (3月30日 14:20〜16:30)
広島大学 工学部 111教室

「暗号技術の標準化動向」


森田 光 (NTT)

通信やディクス上の情報の安全性を守るためなどに,DES, RSAなどを初めとする暗号が 広く使用されている. このような暗号の多くは,インターネットの急速な進展に伴い ,社会共通の基盤(インフラ)となりつつある.しかし,パソコンを初めとする計算機 能力の向上と暗号解読技術の進歩により,古い暗号を捨て去り,新しい暗号に置き換え る必要が増しつつあり,そのことから標準暗号方式を求める気運が高まりつつある. 暗号技術の標準化では,学会等で発表されるシーズと,利用者,企業,国家,等から求 められるニーズが車の両輪になって色々な動きが生まれている.例えば,国家等を構成 員とする標準化のISO/IEC JTC1/SC27委員会は,情報技術セキュリティ(IT Security) を扱っていて,基礎的な,共通鍵暗号方式,公開鍵暗号方式,ディジタル署名,並びに ハッシュ関数等の規格から,最近は,セキュリティ評価基準やトラステッド・サード・ パーティ(第三者信用機関)等のシステムを想定する規格まで幅広い範囲を占めるに至 っている.ISO TC68委員会は,金融サービス全般を扱っていて,銀行等の業務に必要な 情報技術セキュリティの規格やICカードの規格などの国際標準を決めていて,ユーザを 代表するオピニオンリーダ的な存在である.IEEE P1363委員会は,公開鍵系方式(公開 鍵暗号とディジタル署名)を扱う委員会で,他に先駆けて質の高い国際規格を作ってい る.また,この暗号技術の分野で,米国政府のAES, 欧州のNESSIE, 携帯通信分野の IMT-2000の規格が世界標準として大きな力を持つかも知れないと,最近注目を集めてい る.今回のチュートリアルでは,これら注目される4つのタイムリーなテーマに絞り, 聴講者に分かりやすく動向を理解できる様に配慮される.情報セキュリティの研究者は もちろんのこと,専門分野外の人でも暗号に興味のある人は, ぜひこの機会を利用し て暗号標準の動向を知って頂きたい.

司会: 森田 光 (NTT)
1. 櫻井 幸一 (九州大学)「ISO/IEC JTC 1/SC27 における暗号標準化」
2. 岩下 直行 (日本銀行)「ISO TC68 における暗号標準化」
3. 宝木 和夫 (日立)「IEEE P1363 における暗号標準化」
4. 松本 勉 (横浜国大)「AES, NESSIE, IMT-2000 における暗号標準化」