|
1999年ソサイエティ大会企画 パネル討論 PA-2 (9月8日 14:00〜17:00) 「情報リテラシー教育の倫理: 子供向けコンテンツを考える」
(一般公開)
|
情報文化と倫理(FACE)研究専門委員会では, 平成11年 9月に日本大学にて開催されるソサイエティ大会にお いて, パネル討論会「情報リテラシー教育の倫理:子 供向けコンテンツを考える―今取り組むべき課題は何 か?―」を提案させていただきました.
すでにご存知のように, 新学習指導要領が小中学校で は平成14年度から, 高校では平成15年度から適用され ます. 新学習指導要領では総合的な学習を含むほとん どすべての教科において, 広い意味の情報リテラシー 教育の必要性が詠われています.
新学習指導要領の実施を待つまでもなく, 情報リテラ シー教育の必要性については, 現在ほとんど異論のな いところと考えられますが, その内容, 実施方法等に ついては十分な議論がなされているとは言えず, 教育 現場においても試行錯誤の状態です.
情報リテラシー教育に必要となる情報インフラの整備 に関しては, 従来の計画を前倒しにして, 平成13年度 までに全ての学校をインターネットに接続することが 決定していますが, ハードウェアのみならず, コンテ ンツ(ソフトウェア)についても今後, 質・量の両面か ら充実をはかっていく必要性が指摘されています.
また, 新指導要領では, 社会科, 理科等多くの科目に おいて, インターネットへ接続されたコンピュータを 活用して, 情報を収集し, また発信することが期待さ れています. このことは, 子供たちに地域社会のみな らず国際社会と交流をはかることによって広い視野を 身につけさせることが可能となる半面, インターネッ トに広く流布している子供に対して有害なコンテンツ を如何にして排除していくか, また, 情報発信を行う 場合に直面するであろう著作権の問題や, あるいは, 子供の個人情報の保護等解決すべき問題は山積してい ます.
また, 教育をする側の問題も数多く指摘されています. 実際に文部省が行った調査では、公立の小中高の教員 のうち, コンピュータ等をもちいて指導ができる教員 は全体の2割程度にとどまるという結果がでています. この調査は主に技術的な側面を捉えたものと考えられ ますが, 教員が実際に教育を行う際には, ネチケット 等のモラルの問題や, 子供のプライバシーの問題に対 して適切な対応をとる必要もあり, 情報通信倫理を含 む情報リテラシー能力を有する教員の養成が急務であ ると考えられます.
さらに, 忘れてはいけないこととして, 障害を持つ子 供たちが情報リテラシー教育において「落ちこぼれ」 となることのないよう, むしろ情報通信技術のサポー トによってさらなる才能を発揮できるような教育環境 を整えていく必要もあります.
本パネル討論会では, オーガナイザとして板倉 安正 先 生 (滋賀大学教育学部)を, またパネリストとして, 石原 一彦 先生 (大津市立瀬田小学校), 河野 卓也 先生 (栗東町 立栗東中学校), 松原 伸一 先生 (滋賀大学), 小松 尚久 先 生 (早稲田大学)をお迎えし, 情報リテラシー教育に 関して今何をしていくべきか, 自由に討論をしていた だく予定です(なお, 上記の他にも数名の先生方にパネ リストとしてご参加いただく予定です). 一朝一夕で結 論を出すことは難しいテーマではありますが, 議論の 中から少しでも今後の方向性が明らかになるのではない かと期待しています.
本学会に所属する技術者および研究者の大多数は, 教 育に直接携わってはいない場合であっても, 情報リテ ラシー教育の対象となる情報通信技術の研究開発、設 計・製造に携わっていると考えられます. 従って, 本 学会員には, 職業倫理の立場からも, 将来の人材育成 につなげていくために, 情報リテラシー教育が今後ど のようにあるべきかを議論し, 提言を行っていく社会 的な責務があると考えています.
なお, 本パネル討論会は, オープン形式(一般公開)として行われ ますので, 学会員以外でも参加することができます. お近くに本テーマに関して興味をお持ちの方がいらっ しゃいましたら, 会員・非会員にかかわらず是非お誘 い合わせのうえ, 多数のご参加をお願いいたします.