音響・超音波サブソサイエティ会長
小泉 宣夫 (東京情報大)
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このたびソサイエティ副会長(音響・超音波)ならびに応用音響研究会委員長をつとめさせていただくことになりました。私ごとになりますが, ほぼ時を同じくして勤め先がかわり, 企業の研究所から大学に移りました。しばらく音響学からは遠ざかっていたので, 久しぶりにかって取り組んできた分野を見渡し, 音響信号処理のツール環境の大きな変化にあらためて驚いています。
ちょうど今から15年ほど前になります。それまではパラメータ化された計測データだけをコンピュータ処理してきましたが, 生の音響信号をそのままコンピュータに取り込むことになり, 必要なコンピュータと音響信号入出力系の機種選定に苦労したことを思い出しました。
当時, 音響入出力のユニットは一千万円以上しました。それが, 今日ではパソコンで信号解析ができるようになり, 音響信号入出力も標準としてついています。また, 解析用のプログラムもWWW上を探し回ると, いくつかの優れたライブラリが自由に手に入ることがわかりました。
こういう環境は, 学生が演習する上で大きな利点です。パソコンさえ持っていれば, 各自が実験環境を持ち, 自由に入手できるすぐれたフリーウェアやサンプルプログラムを使って場所を選ばず, いつでもどこでも実習できるということです。しかし, このような便利な環境の普及は,信号の流れや処理をブラックボックス化してしまいがちです.利用者は使い方の習得や仕様の変化に振り回されることなく,本質を見失わないようにしたいものです.
ディジタル信号処理系の進化は,スペック向上が先行する場合があります.その一つが次世代オーディオをめぐる動きです.永らく20kHz,2チャンネルを一つの基準にして集約されていたディジタルオーディオは,性能を向上させて新たな基準を迎えようとしています.しかし,20kHz以上の信号やマルチチャンネルを扱うことは人間の聴覚との対応だけではなく,電気音響系の設計に関しても十分な配慮が必要です.応用音響研究会ではこのあたりを考察,検討していくための第2種研究会を開催する予定です.
わたしの関係する分野の話になってしまいましたが,ひとつひとつの活動の積み上げが基礎境界ソサイエティの発展につながるものと確信しております.どうぞご支援をよろしくお願いいたします.