1998年ソサイエティ大会企画
チュートリアル講演 TA-3
佐藤 吉信 (東京商船大) |
信頼性研究専門委員会は, 標記チュートリアル講演を開催する.
電気・電子系は, 多くの分野において安全機能を果たすために長年使用されて いる. コンピュータを用いたプログラマブル電子系(PES)は, 当初安全機能以 外の制御機能として使用されてきた. しかし, 最近では安全機能としても使用 されはじめている. PESの技術が効果的かつ安全に活用されなければなず, PES の設計・管理などに関する安全の基本的手引きが必要となっている. そこで, IEC/TC 65Aは, 電気・電子・プログラマブル電子系(E/E/PES)を含む安全関連 系の規格をドラフト化していて, その翻訳JIS化も進行しており, 本年度中に は発行される予定である.
これまでの安全規格の多くは, 部品あるいは機器の型式, 材質, 形状, 方式な どを規定するいわゆる仕様(構造)規格に限定されてきた. 本規格は, 次の点で それらとは異なる:
1) システム全体のライフサイクルを対象とした安全設計, 管理, 保全などの 手順を規定する手続き的側面をもつ,
2) 安全関連系の安全性能を機能安全すなわち安全機能とその成功(失敗)の確 からしさで規定するいわゆる性能規格の側面をもつ.
本規格は, 第1部(一般要求事項), 第2部(電気・電子・プログラマブル電子系 (E/E/PESs)), 第3部(ソフトウェア要求事項), 第4部(用語の定義及び略語), 第5部(安全度水準決定方法の事例), 第6部(2部及び第3部の適用指針), 第 7部(技術及び手法), の7部から構成される.
本チュートリアルでは, 規格を構成する2つの基本的概念, ``全安全ライフサ イクル'' と ''安全関連系の安全度水準'', についてその概要を解説する. 安 全関連系の安全度水準について, 実際のシステムへ適用した事例を示す. また, 規格の問題点を提起するとともに, 本規格が我が国産業界に与える影響につい て検討する.