1998年総合大会ソサイエティ特別企画

パネル討論「情報家電の姿」の報告

土井 美和子 (東芝)

コンピュータ市場の焦点はオフィスから家庭へと 移行しつつある. が, 家庭内でどのような情報が扱 われているのか, 扱いたいと思っているのか, 本当 にIEEE1394などのネットワークが家庭内に張り巡ら されるのかなど, 家庭におけるニーズは明確になっ ていない. そのような曖昧模糊とした情報家電の姿 に情報, 通信, 放送, HI 分野の専門家の立場から その片鱗に迫りたいと考え, 本パネルを企画した.

アクセスの鎌田富久氏の「情報家電のキーテクノ ロジー」の講演を皮切りに, 東芝の斎藤健氏「情報 家電の姿 (ネットワークやさんの立場から)」, NHK 柳町昭夫氏「デジタル時代の放送と受信 機」, 松下電器の戸倉毅氏「情報家電の素柄 (ユ ーザメリットの立場から)」の 4 氏に講演をいただ いた.

21世紀に大きな変革を引き起こす情報家電の可 能性に期待している鎌田氏からは, コミュニケーシ ョンの変革をおこすインターネット家電を核とした 情報家電の姿が提示された. フロアからはインタネ ット家電はPCか, TVがで使用年数が極端に異な り, 売り方も異なるなどの現実問題が提起された.

ユーザへのメリットを示せるネットワーク屋を目 指す斎藤氏からは, 家庭内外のネットワーク化動向 と, AV系とSOHOの2系統からの発展像が示され た. フロアからは親子の情報共有を高めるネットワ ーク化への期待が表明された.

デジタル放送研究者の草分けである柳町氏からは, 日本人の平均自由時間の44%を占めるTV視聴に対 し, 新たにサービスが予定されているISTVを紹介 いただいた. フロアからは, TVの見方によりホー ムサーバの機能も異なるので, 家族あたり100時 間の蓄積能力がいるとの意見をいただいた.

家庭で役立つものを開発するぞとDVD開発に携 わっておられる戸倉氏からは, 単純明快なユーザメ リットをもつことがヒットの鍵であり, 目的別の発 展を続ける情報家電像が示された. フロアから, 高 齢者向けUIへの取り組みにの質問をいただいた.

本パネルの短い時間だけで情報家電の姿を明らか にすることは難しいが, これが契機となり, ユーザ からの意見にふれることができれば, 幸いである.