通信・放送機構国際共同研究助成金による研究プロジェクト「マルチ メディア移動通信トラヒックのモデル化の研究」(研究代表者 仙石正和 (新潟大))の研究活動の一環として,また,本学会多次元移動情報 ネットワーク学術研究集会(委員長 篠田庄司(中大))の共催として, 3月29日,30日の両日に渡り,新潟市のオークラホテル新潟におきまして, マルチメディア移動通信公開シンポジウム及びマルチメディア移動通信 トラヒックのモデル化に関する研究報告会が開催されました.
本研究プロジェクトは移動体通信の克服すべき種々の研究課題の中で, マルチメディア移動通信トラヒックに焦点を絞り,マルチメディアに 対応した移動体通信系の通信トラヒック特性の評価手法を確立すること, 通信理論,情報理論,計算機科学,計算幾何学,電磁界理論,通信 トラヒック理論等を用いて,電波伝搬,ネットワーク構造,ネットワークの 幾何学的構造などの要因が通信トラヒック特性に与える要因を理論的に 解明すること,上記の理論に加え,最適化理論,統計学理論,交通工学理論を 用いて,移動体通信トラヒックの実際に即したモデルを確立すること, シミュレーション手法,モデルを最適化し,高速かつ柔軟な移動体通信 シミュレーション手法を開発すること等を目的としています.
3月に行われた公開シンポジウム,研究報告会は本研究プロジェクトの 研究成果をまとめることと,第一線で御活躍されている方から御講演頂き, 新たな研究課題を模索するために企画されました.当日は国内外から 70名以上の参加者が集い,公開シンポジウムにおきましては,NTTドコモの 江口真人氏,韓国ETRIのYoungnam Han氏,郵政省信越電気通信監理局の 奥英之氏,本学会会長の辻井重男先生,韓国の大韓電子工学会元会長の 李太遠先生より,マルチメディア移動通信に関する最新のトピックスが 講演され,活発な意見交換もなされました.研究報告会におきましては, 研究プロジェクトのメンバーである仙石正和,羽鳥光俊先生(東大), 森川博之先生(東大),篠田庄司先生,山田吉英氏(YRP基盤研), Prof. Jae Hong Lee (Seoul National University, Korea), Dr. Hang Gu Bahk (ETRI, Korea), Prof. Dan Keun Sung (KAIST, Korea), Prof. Kyung Sup Kwak (Inha University), Prof. Gong Ke (Tsinghua University, China),及び各メンバーの共同研究者から,マルチメディア 移動通信,CDMA移動通信,移動通信トラヒックなどに関する研究成果が 報告され,活発な議論がなされました.
韓国においてはCDMA移動通信が日本に先駆けて実用化され注目を 集めています.また,中国における今後の移動通信の普及も注目 されています.開催地となった新潟市は,韓国,中国などの環日本海に 位置する国々に対する日本の拠点として注目されています.今回の プロジェクトのメンバーは皆環日本海諸国の研究者であり,移動通信 技術の技術的な研究成果以外にも,環日本海における移動通信の発展に 関しても議論を重ねられ,独特な視点での研究成果も期待されています.
御協力頂いた関係の方々に感謝の意を表します.