1997年総合大会ソサイエティ特別企画
パネル討論「大学におけるコンピュータリテラシー教育のあり方と問題点」
の報告
笠原 正雄 (京都工繊大)
標記のようなパネル討論を下記のように開催したが、多数の参加者のもと、
熱心な討論が繰りひろげられ、予定時間を30分超過するほどであった。
以下に概要を報告させていただく。
日 時: 平成9年3月25日(火) 13:00〜16:30
会 場: 関西大学 千里山キャンパス第4学舎2号408教室
座 長: 笠原 正雄(京都工芸繊維大学)
パネリスト:
- 上林 弥彦(京都大学)
「コンピュータリテラシーとソフトウエアの考え方」
- 中野 秀男(大阪市立大学)
「インターネットとコンピュータリテラシー教育」
- 土屋 俊(千葉大学)
「大学におけるコンピュータリテラシー教育では倫理のみ教えればよい」
- 坂庭 好一(東京工業大学)
「現状と問題点,そして解決に向けて」
- 苗村 憲司(慶応大学)
「コンピュータリテラシーの次に来るべきもの」
コメンテータ:
静谷 啓樹 (東北大学)
若杉 耕一郎 (京都工芸繊維大学)
山下 一美 (関西大学)
最初にパネラーの方々に20分程度のお話をいただいたので、その内容を
以下に要約する。なお、コンピュータリテラシー(Computer Literacy)を
ここではCLと略させていただく。
- (1)上林 弥彦 氏:
-
アメリカの初等教育におけるCL教育の現状と教師の取り組み方などを紹介。
我国における基本的な問題と、社会のソフト化に伴う将来のCL教育に関する
提言。
- (2)中野 秀男 氏:
-
大阪市立大学におけるCL教育の現状を「情報処理演習(平成9年度1100名
履修)」を中心に紹介。倫理面に関連して、コンピュータは高級文房具として
考える姿勢が大切と指摘。
- (3)土屋 俊 氏:
-
大学ではコンピュータの最低限の操作能力、初等プログラムを教えればよい。
倫理面に関連して、コンピュータの社会への影響等について考えさせ、
教育することが大切と指摘。
- (4)坂庭 好一 氏:
-
計算機ネットワーク環境の中での幾つかの問題点を具体例を交えて説明。
今後、大学キャンパス内での計算機資源が豊かになっていく流れのなかで
倫理教育を充実させることが重要であることを指摘。
- (5)苗村 憲司 氏:
-
慶応大学藤沢キャンパスでは、CL教育と語学教育は同じレベルで考えて
実施している点を紹介。CL教育を社会全体で考えることの重要性を指摘。
さらにコンピュータを使った教育への移行を如何にスムーズに実現するか
等について問題を提起。
コメンテータの静谷啓樹氏、若杉耕一郎氏、山下一美氏は、それぞれ
本務校の計算機センターにおいて、CL教育に直接携わっておられ、豊富な
経験をバックに貴重なコメントをいただいた。会場からは質問が相次ぎ、
このため休憩時間15分を含む3時間半の予定時間をあっと言う間に消化し、
時間を30分オーバーするほどであった。